2019年5月31日金曜日

今週のダークエイロマン

20180509

 今週はダークエイジロマン・大聖堂の7回目の配信があり先ほど見た(ここクリックで見られます)。中世に生きる大勢の庶民が出てくるが、服装などにもリアル感がある。中世の庶民の衣料の生地は粗製の毛織物であるが、その色は数種類の地味な色に限られている。ベージュ色とは羊毛の素の色だが、この色が庶民の服の一般的な色となる、あと、木の皮などで簡単に染められる、濃茶か黒色くらいである。この服装の色の構成は中世の日本もよく似ている。日本の場合は、麻、カラムシ、などの植物繊維であるが、ベージュ、茶、黒が主であることには変わりない。

 聖像の礼拝のため集まった庶民、顔を覆っている女性がいるが、これはライ病を暗示している。
 その聖像であるが、涙を流すマリア像である。啓典の宗教であるユダヤ、キリスト、イスラム教は神像(偶像)を作らないといわれている。しかし庶民にとって何もないものに向かって、あるいはシンボル(十字架)に向かって祈るのはいかにも張り合いがない。何か神像に向かって祈りたくなるのではなかろうか。そう思うのは中世に盛んになった「マリア信仰」を見るからである。ドラマの中このようなマリア像が出てくるが、人々はそれに額づき祈るのである。それは日本人が仏像に祈る姿と変わりがない。

 中世の庶民は王や貴族や一方的にいじめられるばかりの存在ではない。時として、武力による抵抗も行った。今日のドラマでは、他の映画やテレビではあまり見かけられない武器で抵抗しています。何かわかりますか?左にスックと立って手にひものようなものを持ったジャックがいますね、これ武器ですよ。

 庶民の手っ取り早い武器は、石そのもの、ブンブン投げていますね、画面にも空中に舞う石が写っていますがわかりますか。石はそこいらじゅうにあるし、素手でなげられるから特別の武具はいりません。腕力さえあれば普通の庶民でも石打ちはできます。大きな石だと当たるとかなり深刻なダメージを与えることができます。高所から投げればもっと効果的です。ジャックは皮ひもに石を包みブンブン回し遠心力で強めて石を投げています。日本ではこのように石を相手に投げるのを印字打ちと言いますが、日本の中世においてもこのような攻撃が行われました。

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