2012年1月11日水曜日

寅さんもいなくなったなぁ


  3日続けての「えびすさま祭礼」をとりあげますが、今日は視点をかえてえびす神社へ行く道の両側に開いている「露天商」です。日曜とか朝市にほぼ常設されている露天商でなく、縁日・祭礼に出てる「露天商」は昔はテキヤ、とか香具師といったが、今はその言葉はあまり使わない。

  ちょっと怖いお兄さんお姉さんがやってるイメージがあるが、いまはそんなことはない。フーテンの寅さんの生業といえばイメージはぐんとよくなる。

  参道を食べながら歩きたくなるようなおいしそうな匂いを発する飲食物店、くじ引き、あるいはさまざまな工夫された競技で「いい賞品」を獲らせる射幸心をくすぐる店。子どもが欲しがるおもちゃの店、ふわふわ浮かんだミニ気球。どれも祭礼・縁日の露店の独特の雰囲気を醸し出しています。

  どれもこれも市価よりずんと高いですし、おもちゃなど品質もいかがわしいものだと思いますが、もちろん、みんな承知の上で、買うことを楽しんでいます。
  縁日祭礼の露店でなければ味わうことのできない食べ物、それを買い食いしたり、あちこち露天を除きながらそぞろ歩きを楽しんでいるんですね。合理的に考えればこんなところで買い物をするのは損で無駄とわかっているんですが、華やかな光に集まり、舞う蛾のように人も吸い寄せられ、何となく金を落とすんですね。

 まあ、それはわかっているのだが最近ちょっとした不満がある。以前はたくさんある露天商の中には面白い「口上」を言って人をひきつけ、商品を売る店があったが、もう何年もそういう露天商のおじさんを見なくなった。

 露天商の口上、いわゆるテキヤの口上は寅さんが有名で、映画でもよく知られていて、大ファンの私なんかはいつの間にか覚えてしまった。
 次のようなものであった。

『 結構毛だらけ猫灰だらけ。(お尻の周りは糞だらけ、が入ることもある)見上げたもんだよ屋根屋のフンドシ。見下げて掘らせる井戸屋の後家さん。上がっちゃいけないお米の相場、下がっちゃ怖いよ柳のお化け。馬には乗ってみろ人には添ってみろってね。
 モノのたとえにもいうだろう。モノの始まりが一なら国の始まりは大和の国。泥棒の先祖が石川五衛門なら人殺しの第一号が熊坂長範。巨根(でかいの)の手本が道鏡なら覗きの元祖は出っ歯で知られた池田の亀さん出歯亀さん。兎を呼んでも花札にならないが、兄さん寄ってらっしゃいよ、くに八つぁんお座敷だよと来りゃァ花街のカブ。
 憎まれっ子世に憚る、日光結構東照宮、産で死んだが三島のお千、お千ばかりが女じゃないよ、四谷・赤坂麹町、チャラチャラ流れるお茶の水、粋な姐ちゃん立ち小便、驚き桃の木山椒の木、ブリキに狸に蓄音機、弱ったことには成田山、ほんに不動の金縛り、捨てる神ありゃ拾わぬ神、月にスッポン提灯じゃ釣がねえ、買った買ったさァ買った、カッタコト音がするのは若い夫婦のタンスの環だよ。』


 まあこんな見事な口上というか啖呵は期待していないが、客を喜ばせるポンポンいう口上の店が一つもないのはさびしい。

 どの店もせいぜい
 「見ていってよ。どうですか?」
 くらい。

 寅さんの退場とともに面白い口上を言う露天のおじさんもいなくなった。

4 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

こんな長いのよく覚えましたね。せっかく覚えているのですから、やまさんがやればいいのにな~。売るのは木とか花とかクレープで、原価の安いものをいかに高く売るかが腕の見せ所ですよね。(^_^.)

てるゆき さんのコメント...

いわゆるテキヤ稼業のの人たちですが最近警察の取締りが厳しく大変だそうです。

高くても、屋台のないお祭りはつまらないです。

yamasan さんのコメント...

>>しんさま

 いえ、うろ覚えは虫食いでこの正式口上の半分ぐらいです。ネットで間違いのない寅さんの向上を調べたわけです。

 わたしは全く商売人には向いてません。見事なくらい適性を欠いてます。ふっかけることはできないし、信用取引は気色悪くてようしませんし、金を人からもらうのも出来ません。

 ところで、しんさまは商売人の素質はありますか。私と似てないような気もしますが、でもわかりませんね。けっこうシビアーな商売人になれるのかもしれませんね。ちまちましたものでなく一取引で数百万儲けるような。
 もしそうならまだ年齢から言っても商売できますよ。

yamasan さんのコメント...

>>てるさんへ

てるさんも今年いかれたのなら気づかれたでしょうね。ホントに活気がなくなりましたね。露天・テキヤもそうですが、神事・祭礼がね。
 私の若い頃は神事・祭礼は「あばれ祭り」でした。爆発的なエネルギーがなくなってきてますね。
 お上の犬の警察ごときが規制などすべきではないと思うのですが、まあ、警察のせいばかりでなく、人々も小ぶりでちんまりした小市民ばかりになって

 「祭りだ!狂うぞ!」

 という若い衆が出ないですね。そういや、成人式もおとなしくなってますね。