2012年1月29日日曜日

ねこやなぎと触覚


 五感といわれている。官能の歓びの元となる。五感無くして歓びを味わえる人はいるのだろうか。お経の文句、あるいはキリストの恩寵を思っただけで法悦に浸れる人はもしかしたら五感のような低次な官能無くして歓びを味わえる人かもしれない。

 ところで五感とは、官能の歓びに浸りまくっている高校生に何ぞや?と聞いて5つとも答えられるであろうか、ちょっと疑問に感じる。最近は倫理社会(哲学、認識論の初歩を含む)の教科も選択と聞く、感覚器、知覚、認識について学校で教えることもないのかもしれない。

 五感とは、視覚、聴覚、嗅覚、味覚そして触覚である。それぞれに大切な感覚器であるが、日本人そして若い人は最後の「触覚」をあまり重視していない。

 そりゃそうだ!やたらと触覚の官能の歓びを求めて触りまくれば、猥褻罪や痴漢罪でひっ括られる。もちろん外国でもそうだが、日本人と違うところはあちらは、握手、そして親類や友となればキッス、抱擁などは何ら不自然ではない。
 日本人と似ているといわれる韓国人は親しい友になれば抱擁したり、肩を組んだり、別にホモでなくても大の男同士が友情の表れとして手をつないだりする。

 人との愛情やつながりを確かめ合うのに世界の人々は「触覚」に頼っている部分が大きい。しかし、日本人は過度の潔癖症もあってまず、親類、友が触覚で確かめ合うなどということはない。親子でさえ幼児期を除けば触覚の付き合いはなくなる。

 あらゆる認識においても触覚は日本人の重要性からなくなっているように思う。

 今日、列車を待っていた。駅には係りの人が活けた花々の花瓶があった。それに目をやると、今の時期なので「猫柳」の枝が挿してあった。

 「ねこやなぎ」、そう美しい花木ではない。若い人の中にはなんでこれが猫柳なの?といわれる方もいよう。単にその形を見て機械的に、「これが猫柳じゃ。」と覚えなければならないのだろうか。
 そんな若い人たちには触ってみて欲しい。でもいったように今の若い人は触覚を嫌う、まして見知らぬものなどには触れようとしないかもしれない。

 触れれば一発で何で猫柳なのかわかる。
 まるで子猫ちゃんのようなつるつるしたビロードのような毛ざわり、気持ちよく、しばしの間撫でたくなるような何とも言えない心地よい指触りである。可愛い猫の

 「ミニュニャ~ン」

 という声まで聞こえてきそうである。猫毛の柔らかい尻尾を愛撫している錯覚に陥る。

 花々、花木は主に「視覚」、「嗅覚」で愛でるものであるが、この「猫柳」はその鑑賞の感覚が珍しく触覚が主である。

 このように現代日本、そして若者にずいぶん貶められている触覚だが少し考えると、実はこの触覚は官能の秘奥部分をつかさどっている。
 え?「官能の秘奥」なんのこと?

 「皆さん!あけすけに認め合いましょうよ。」

 秘奥部分の官能の歓びとは、すなわち性交そしてそれに至る愛撫行為のことに他なりません。もちろん触覚以外の4覚も与ってはいますが、触覚が大部分であります。
 現代社会では最も重視されている「視覚」はこの秘奥の歓びに関する限り、さほど重要ではありません。「性的極快感」すなわちエクスタスィーでは暗かろうが、いや縦令(たとい)明るく、そして目は見開いていても登り詰める快感でモノは見ておりません。ひとえに触覚のみです。

 性交の感覚(すなわち触覚)は、ただ薄い皮膚や粘膜がこすれ合うだけかも知れませんが、この触覚はいわく言い難い不思議な触覚であり、それがすべてではないにしても愛し愛される官能の極上部分であり、それを求めて人は行動するといってもまんざら言い過ぎではないでしょう。

 いかに現代日本人や若者が触覚を軽視しようが厭おうが、人の官能のもっとも奥深い部分の大本をこの触角がググッと握っていました。だから、今の人が、対人とできるだけ物理的距離をおき、人に触れないように、そして、自分のモノ以外は触らず、もし触ったら神経質に除菌ナプキンで拭く様な風潮が蔓延していても

 「所詮は人と云えど官能の動物、極上の秘儀は見えない個室で、触覚を最大限に駆使し、駆使させられ、しているもんじゃ」

 と思っていました。

 しかし、この私の認識、これからの世、そして若い新人類には当てはまらなくなるかもしれません。私にはそのようなことちょっと想像の埒外ですが、愛し合い、そして縦令同棲してもなんと、セックスレス、すなわち、濃厚な触覚なんどは一切なし。体液の交換などとんでもない!とこのようなライフスタイルが出現しているのだそうです。とは一流週刊誌で読みました。

 「ああ、日本人、そして若者の触覚を嫌う生き方はここまで来たか!」

 ちょっとショックです。結局、五感はもっとも低次(と思われている)の「触覚」から消えていくんですかね。

 でも、これも進化かも知れませんね。天上界に暮らす「天人」の愛のやり取りは犬のような交尾からは(人の究極行動の性交中の動きもこれと変わらん!)程遠いもので、天人同士ちらと目配せしただけでセックスが完結するそうです。味気ないような気がしますが触覚などは全然使いませんから、今の方向で人類が進化すればこういう愛し合い方になるんでしょうね。

 ねこやなぎの子猫ちゃんの尻尾のような気色のよい芽をつるつる撫でながらこんなことを思うやまさんでした。

6 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

う~ん、猫柳で官能短編小説ですか、いいですね~!たぶん、ねこやなぎも幸せを感じて官能の極めなのだとおもいます。
 触覚は使っていないようで、意外に使っているような気もします。身体の状態は絶えず脳に届けられていますので、それに注意を向けるかどうかの問題のような気がしますね。ねこやなぎをやさしく触って、昇天したいな~、なんか出来そうな気がします。お気に入りの靴のスウエードの肌触り、ギターのメイプルネックのつるっとした感触で逝きたい!いやいや、やはり抱擁とキス、頬ずりの方がいいような・・・・。ヽ(^。^)ノ

yamasan さんのコメント...

こんばんわしんさま
さっきGメールを開いたらグーグルから重要なお知らせとして、プライバシーポリスィーの変更たらいうのが届いてました。よくお読みくださいとのことでしたが何のことかよくわかりません。
 グーグルは不都合がよくおこり私は全然信用してません。
 しんさまのところにもこんなメール来ましたか。またよからぬことをたくらんでいるのではと心配しています。
 この変更で何がどうなるかわかりますか?
 直接我々にかかわるような変更があるのでしょうか。

Unknown さんのコメント...

そういえば数日前に私にも来ていたように思いますが、ちょっと怖くなったのでOKを押すのを躊躇った記憶があります。そうおもいきや、本日さきほど4時ころに、メールが届いていました。
 建前ではサービスの向上ですが、裏を返せば個人情報の収集の一元化とビジネスチャンスの把握でしょうね。それから、アメリカはともかく日本でも、政府がこの情報を合法的に参照できるような法律が出来そうな気配がありますよね。アメリカではテロ対策を大義名分に、もうすでに情報は合法的に参照、管理されているので、世界のGoogleが情報提供すると・・・ですよね。でも、このような被害妄想的な発想より、日々のサービスの向上のほうがメリットが大きいかもしれませんので、気にせずOKしてもいいかなと思います。ヽ(^。^)ノ

てるゆき さんのコメント...

ねこやなぎ 天才バカボンという漫画で昔 出てきたような ないような

ここの汽車が止まっている駅 鴨島ですか?

yamasan さんのコメント...

>>しんさま

 さっそくのご丁寧なご返事ありがとうございます。
 私はネットの大元締めってなにか信用できないというか、本能的に反発を感じるんですよね。自分がこれに関し無知・未熟ということもあります。
 本音を言うとネットはやめたいのですが、ブログの面白さにいつの間にやらはまってしまって続けている感じです。でも遠からず本やノートそして瞑想の世界へ帰って行きたいですね。
 だからいつでもネットを止めれるんだ、と思えば気楽で、ググルが妙なことをこれ以上しでかせば、すっぱりやめる機会になっていいと思います。そういう方針で行きたいと思います。

 しんさま、アナニマス(英語で匿名・作者不明の意味))というハッカー集団知ってますか?今朝のBSニュースでパリの警察官の名簿をばらしていたと報道してました。
 これ、ネットをやってる団体・集団は苦々しい思いだしょうが、ネットを信用せず、古い様式のコミュで生活している信念の人々から見れば

 「ほれ、みたことか!きしょくがええわ!」

 でしょうね。

yamasan さんのコメント...

>>てるさん

 それってバカボンの歌にありませんか確か

 「柳の上に猫がいる~~猫柳~♪」

 とか
 駅は石井駅です。