2012年1月30日月曜日

イヤー・オブ・ザ・ドラゴン


 今年は辰年。辰は龍とも竜とも書かれ、想像上の生き物である。我がとしちゃんがドラゴンのオリジナルイラストをアップすると言ってましたが、旧正月もすんだけどなかなかお目にかからないので拙劣な出来栄えながら、やまさんオリジナルの竜のイラストを作りましたのでご披露いたします。
 
 なにやらグリーンイグアナとゴジラ、河馬、豚などのDNAが混ざったような怪しげな生き物が出来上がりましたが、もともと「竜」は想像上の産物、まあこんな空想のイラストでもお許しください。

 東洋では十二支といって年年に固有の生き物を当てています。今年は竜(辰)になるんだけど、12の動物を配した中でも竜だけ特別です。他の動物は古代中国(華北)に身近にいた動物です。しかし竜だけは唯一想像上の産物です。

 古代中国人に聞けばなんでこんな動物を作り出したのかわかるでしょうが、今となってはもっともらしい説をあれこれ推理するしかありませんね。

 しかし、近代以前の日本人に限って考えると、見たこともない空想上に近い動物は、十二支の他の動物にもいました。

 まず虎、日本列島には有史以後虎などはいませんでした。中国古典で虎は百獣の王ということは知っていましたが、見たこともない動物。想像を働かせる以外ありませんでした。
 虎は江戸時代の日本画に好んで取り上げられましたが、いかんせん、日本の画家の誰一人として見たことがないので空想で描く以外ありません。そのため、何とも、面白い、日本風の虎が出現しました。高名な画家、例えば、狩野なんとか、という絵師でも今の我らから見れば

 「なんじゃ、こりゃあぁ!」

 怖くもなんともない吹き出すような虎が描かれています。
 一説には仕方ないので「トラ猫」をモデルにしたとか言われています。猫をモデルにしたんじゃ、いくら同じネコ科といっても迫力など出せないでしょうね。

 そして羊、これも明治以前の日本にはいませんでした。長崎のオランダ人が持ち込んで、初めて江戸両国の見世物小屋で高い見料を取って興行したくらいの珍しい生き物。一般の人はまず見たことがなかった。当時は羊のことを織物の綿を取るので「綿羊」(めんよう)と呼んだ。初めてこの不思議な生き物を見た江戸の人は

 「はてさて、綿羊とは何とも面妖な生きものじゃわい」

 といったとか。

 羊には、綿羊、そしてもう一つ呼び名があります。それは『羅紗緬』(らしゃめん)、羅紗(らしゃ、毛織物)をつくる綿羊という意味でしょう。
 この羅紗緬、もう一つの意味があります。それは幕末、日本に来た異人相手に夜のサーヴィスをする女を軽蔑的にこう呼びました。「唐人お吉」も「ラシャメン」とののしられています。
 なんで羊の意味のラシャメンがこのような女性の罵りになったのか?
 それは先にオランダ人が船で長崎に持ち込んだと言いましたが、なんでそもそも船に羊がいたと皆さん思います?

 「えっへっへへへ」

 とやまさんの下卑た笑いで勘のよい皆さんはもうお分かりかも知れませんね。当時の帆船、何か月も大海原を港によらず航海します。もちろん女など乗っていません。元気のよい海の荒くれ男ども、性処理を我慢できるはずはありません。まあ、自家発電という手もありますが、そこはそれ、なんといっても「触覚」がちゃあいまんな。
 で、お羊さまが必要なのです。

 江戸期の長崎の人はそんなことはとうにご存じ、だから異人相手の性処理の女をこのような蔑称で呼んだわけです。

 って、なんで真面目な主題から出発しても最後はこういう下オチになるんかなぁ~、反省します。明日からは清く正しい主題のみで通します。

 最後は美しく、江戸の日本画の主題として盛んに取り上げられた

 『竜虎相対の図』

 でしめたいと思います。迫力ある竜と虎、天空と陸の王者両者のにらみ合い、縁起物でもあり、気力を鼓舞するものでもあったんでしょうね。まず本物の竜虎図、ネットから引用しました。
 
 そして私のオリジナル

 (モトさん見てますか、これモトさんちのトラですよ~)

4 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

竜のイラスト上手いですね!もっと早く見ていたら年賀状に使ったのに、残念!
 しかし、昔のひとは暗い絵書きますね!こんなくらいのを部屋に飾ったら、ただでさえ明かり少なくて暗いのに超怖い状態ですね。それとも、昔の人はこういう世界とか感覚が好きだったんでしょうか?それに比べ、現代人のやまさんの絵は明るいな~。ヽ(^。^)ノ

yamasan さんのコメント...

しんさまは感性が若いですね。古臭いものかび臭いものを好むようになったら私のように爺さんかもしれません。

 この技法、聞いたことあるかもしれませんが、水墨画、墨絵です。格式高い寺などの衝立、屏風、襖絵などに書かれたものです。
 墨絵ですから当然白黒の濃淡、暗くなります。でもこれを
 「枯淡幽玄」ともてはやしたのが昔の日本人でした。

 私もその枯淡幽玄の神髄は理解できないでいますが、何となく禅の精神、深遠な瞑想世界がそこに広がっているような気がしてちょっと魅かれます。

 ところでしんさまは絵やイラストはどうなんですか。としちゃんのようにうまい人が羨ましい。

てるゆき さんのコメント...

可愛い竜ですね。やまさんの人柄がイラストに出てますね。

yamasan さんのコメント...

>>てるさん

 てるさんの干支は羊でないんですか。まあ、若い人は干支などあまり気にしませんね。