2011年11月9日水曜日

野生化した無花果

 山を歩いているとほぼ野生化した無花果の木があった。ほぼというのは、この生えている土地は昔は家の敷地であったようなのである。今は家は跡形もなく草ぼうぼうの荒地で、周りに壊れかけた石垣があるため、かろうじて敷地の跡とわかる。

 そこに実がなっていた。無花果の実の取れる時期は8~10月であるから、少し遅いような気がする。しかし、まだ小さな青い実もある。野生化したため熟さないまま終わりそうである。
 その中に一つだけ赤紫色に熟れた実があったのでもいで食べてみた。

 こんなおいしい無花果は初めて食べた。充分熟しているためジャムのようになっていて甘い。どろっととろけるようであるが、ムシャムシャ食べると、無花果の種の粒独特のショリショリ感を味わえる。

 山歩きをしていていい味覚を味わえましたわ。

 さて、ここからはちょっと学術的な話を・・・といっても難しいことではありませんよ。

 若い時は、山歩きをしたり自然観察など実地に勉強することははとんどなく、本のみで徳島の山野の植生を知ったつもりでいました。
 この辺りは植生の気候区分は「照葉樹林帯」になります。そして野生原生種の代表的な樹木は

 『椎、タブ、クスノキ、ヤブ椿、ヤブニッケイ、イヌビワ・・・』

 などと本の知識のみで機械的に記憶していました。この中でヤブニッケイ、イヌビワなど見たこともなかったのです。
 20代の知ったかぶりの小生意気な若造の時代でした。

 そしていま60歳です。若い時のストックした知識はかなり忘れましたが、この歳まで生きると、本のみではわからなかった知識が、山歩き野歩きなどで現物を見ることによって、増えた部分もあります。

 まずヤブニッケイですが、実際に山でみて、小枝を折り、嗅いだり、味わったりしたことで意外なことを知りました。
 これ!香辛料の『シナモン』の仲間なのです。匂い、味もよく似てます。
 http://koromonotate.blogspot.com/2010/11/blog-post_547.html

 次のイヌビワについてはもっと驚きでした。名前から知ったためつい最近本物を見るまでビワの仲間、原生種のひとつだろうくらいにしか思っていませんでした。
 しかし、ビワとは全く違う仲間で似ても似つかないものだったのです。

 何かに似てると思いませんか?そうです。ブログの前半で取り上げた「イチジク」に似ています。
 分類もイチジクと同じクワ科のイチジク属なのです。(ビワはバラ科)
 イチジクはアラビアあたりが原産ですが、日本土着のイチジクによく似た原生種がイヌビワだったのです。
 ビワという名前に目をくらまされていて、見るまではビワよりむしろイチジクだ!とは思いもよりませんでした。

 植物の知識などは本のみでなく、五感で確かめることが大切であると思いました。

2 件のコメント:

しんさま さんのコメント...

 植物の知識があると、得することがわかりました。私も天然イチジクやシナモンの獲得を目指して、また山歩きを復帰させようかと思いましたが、以前より脈が少ないので、息切れしながら頑張ります。(^.^)

yamasan さんのコメント...

 山がきつかったら緑の多い西部公園でもいいですから歩くのは心身の健康にいいですよ。
 私も若い時のようにドンドン歩けませんが、休みながらゆっくり歩いています。
 時々、腰掛けて瞑想というか妄想にふけるのもいいですよ。
 秋の野山はそんな散策にちょうどいいです。

 でもお仕事があるからなかなか私のようにはいかないですね。