2019年5月28日火曜日

清朝ドラマ その3

20160902

 韓流や華流時代劇の楽しみ方はいろいろあるだろう。私の場合は中国歴史に興味があるので見始めたのがそもそものきっかけである。しかしここで気をつけなければならないのは、韓流や華流時代劇は史実さえも無視したとても時代劇と呼べるようなものでないのが多いことである。歴史を完全無視したのでは時代劇とも呼べない。スタウォズのようにSFファンタジである。しかし、一応、時代劇と銘打ってあるのだから、絶対抑えておかなければならない史実、最低限の時代考証というものはクリヤァしといてもらわんことには困る。しかし、なんしにか韓流や華流時代劇はその名に値しないのがほとんど。

 そんなかで華流の清朝ドラマ(17世紀に興り、19世紀はじめに滅んだ中国王朝)は時代考証も比較的しっかりしているし、その時代の衣装髪型などは映画用として少し手を加えてあってもほぼ忠実である。何より舞台が本物の紫禁城で撮影しているので、建物大道具は超一流のものである。

 一場面より、紫禁城の乾清宮

 清朝といえば100年前まで存在していた。時代区分は近世になる。そこで髪型衣装なども古い写真などが残っているため嘘は描けない。

 現在の紫禁城


 
 
 男性の衣装


 女性の衣装


 女性の衣装は今の中国の伝統服のチャイナドレスの元となったがこれは満州族である清朝の貴族の服で清朝以前(17世紀以前)数千年続いた古典中国服とはまったく系統が違うもので、皆さんがイメジする中国服は満州族が350年前に持ち込んだもの。

 本来の中国服は350年以上前の明朝から以前~、下は唐の時代の中国服でこれが本来のもの、襟の合わせ方、着物の着付け、帯の締め方など上のチャイナドレスより日本の着物に似てますね。それもそのはず、呉服(呉という王朝からの服)という日本語は中国の6世紀くらいの服という意味が含まれているのだから日本の着物が本来の中国服と似るのは当たり前だのクラッカー!

 唐の時代の男女の服、日本の室町時代あたりの貴公子、お姫様っちゅうてもわかりまへん、くらい似てます。


 しかし唐の時代は今から千数百年前、あんまし古いんで、時代考証もええ加減になる。誰も知らんからうんとド派手にやっちゃろうって、韓流の悪い見本で華流も驚くほど派手にやるときがあります。

 則天武后のドラマの武則天ちゅう中国唯一の女帝なんですけど、そのコスチュム、髪型がこれ


 クラクラめまいがしそうなくらい絢爛業火!

 でも完全にうそっぱち。今残っている絵画の史料がこれ!えらい脚色をやってくれましたなぁ


 こんなド派手なんどっから思いついたんじゃ、とおもったら、唯一、これに負けんくらい派手な衣装髪型が日本の古典にありました。歌舞伎の助六由縁江戸桜 
 これからまねをしたのかもしれませんなぁ

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