2019年5月27日月曜日

室町末の京都の町屋の様子

20150713

 洛中洛外図屏風より室町末の京都の庶民の様子がわかる部分を抜き出しました。屏風図には武家の屋敷も描かれていますが、立派な武家の御殿より、みすぼらしい庶民の町屋の方が見ていて面白いです。
 京の町は江戸初期に起こった大火の後、京都所司代は町屋に対しできるだけ瓦葺にするよう勧め、それから今日に見るような瓦屋根の奥に細長い京の町屋が誕生します。まだこの時代はその前で、町屋は例外なく板葺、そして掘立で小家が多いです。今日に見る京都の町屋の景観は江戸中期以降に作られたんですね。


 また当然ながらこの時代は室町時代、足利将軍の御殿である「室町御所」がありました。室町幕府の名称となったのはこの将軍御座所のある室町にちなんででした。同じ洛中洛外図屏風に室町御所があるので見てみましょう。

 御殿は檜皮葺で周りとさえぎるのは築地塀だけですね。広大な濠や石垣に囲まれた千代田城の中にいた徳川将軍とはずいぶん違いますね。


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