友人が蹴上のインクラインの桜並木をテレビで見たそうで、桜並木がとても美しく印象深かったので一度行きたいなといってた。友人はインクラインへ一度も行ったことがないそうで並木にそって廃線のレールがあったから鉄道と思っていたそうである。まあもっともな話で錆びた鉄路を見れば誰しも鉄道の廃線と思うだろう。京都の住人でさえ若い人はインクラインはいったいどういうものかを知らないのだから四国にいて一度もインクラインを訪れたことのない人が誤解するのも無理はない。というのも昭和23年頃までには琵琶湖疎水の水運の一環としてあったインクラインはその役割を終えて廃止になったから往時のインクラインの稼働を直接見て知っている人は80歳以上になるだろう。
上記で水運の一環として・・と説明したように琵琶湖から京都の鴨川水系まで明治23年に完成した琵琶湖疎水(主は京都への用水の供給であって水運は従である)を運河として利用したのであるが、ご存知のように琵琶湖から京都までは山あり谷ありでそこを通る疎水には途中長大なトンネルがいくつもあり、その中を水が流れている。そこに船を通すわけであるが琵琶湖水面と京都盆地は落差もあるため、運河としてはできるだけ水平に近い形で利用しなければならない。そのため落差には『閘門方式』といって船を水門と水門で区切った閘室に入れ、その閘室の水を排水したり増水したりして、船を低い方や高い方へ進める方式があり琵琶湖疎水の水運でも何か所もその閘門が設けられている。しかし落差が大きくなると閘門方式は無理となる。終点に近い南禅寺あたりでは勾配が15分の1あるため運河からインクライン(鉄路の上を走る台車に乗せるコース)方式で船を運んでいる。蹴上船溜りから南禅寺船溜りの延長640メートルを結ぶ路線(鉄路)である。そのインクラインの廃路に沿っての桜並木がきれいなのである。
往時、船を台車にのせてインクライン上をこのように運んでいた。
地図の青の矢印が廃線になったインクライン
私は20代の時にこのインクラインを南禅寺に行った時見たが桜の時期ではなかった。今、ネットのググルストリートビューでみるとうれしいことに桜満開の時に地図作成したようでご覧のようにストリートビューにそって美しい桜並木が見られる。
なお自分でググルストリトビューの地図で桜並木を見たい方は下をクリックすればググルの地図が出てきます。(地図が出たら右下の人型をクリックし、青のストリートラインを出し、蹴上船溜まりあたりをクリックしてインクライン沿いの景色の移り変わりを楽しんでください)
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