異国の異獣、その響きからなんとなく遠い国の地理的なロマンを感じるが、探検家になって旅行しなくても手んごろ易く近くの動物園に行けば有名な異国の異獣はそろっている。しかし有名にもかかわらず、徳島動物園にラクダはいない。記憶も薄れるほどのはるか遠い幼児期、「月の砂漠をはるばると~♪、旅のぉ~、ラクダは~、ゆぅきぃました~♪」、と歌ってラクダのイメジをかきたてられた、そのもっともワイの印象に残っている異国の異獣であるのに動物園にいない。どうゆうこっちゃ。
ワイの同級生の大多数は「寅年」生まれ、ワイは遅生まれなので卯年だった、幼児期、祖父母から、オマイはウサギ年じゃがトラがまさっとる(たぶん旧暦で換算したらトラ年に入るという意味か?)などとわけのわからんことをいわれてた。だからトラという動物も実物を見るよりさきに言葉が先行してイメージが作られた。ところが徳島動物園にいるトラ、ちょっとみすぼらしい、やせて横腹ぺちゃんこ、同じ動物園にいるライオンのほうがずっと押し出しも堂々として立派、昔、ワイの祖父母はウサギ年よりトラ年のほうが強くて立派と考えて、オマイの生まれはトラがまさっとる、といったんだろうがこんな貧相なトラじゃぁね。
ジジ、ババに育てられたからかあっちこっちのお寺にお参りに連れて行かれた。だから幼児期から自分の守り本尊が「普賢菩薩」というのを知っていた。この普賢菩薩、なにやら大きくてケッタイな生き物の上に乗っている。それが象だと知ったのはずっと後、いま、動物園で本物の象を見るが仏師の作る象って、たぶん見ないで作ったんだろうな(そりゃそうだ鎌倉・室町時代の作なんだから日本人が実物の象を見られるはずがない)、ほとんど似ておれへんわぁ。
徳島動物園に今まで5~6回は行ったが、ライオンは寝てばかりいてぜんぜん動けへなんだ、今回初めて動くライオンを見ることができた。先ほどのトラと比べても体格大きさとも立派、ふさふさしたタテガミ、威厳のある顔、でかいキン玉、確かに百獣の王の貫禄はあるが、こいつ、貫禄だけ、えらい怠惰なやっちゃ。じゃあ、野生に暮らせばそうじゃないのかとおもうが、野生でも大方はメスを働かせてヒモ生活をしとるというやないか、それでキン玉でかいんかぁ。
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