2012年5月6日日曜日

天占


 「天占」?なんのことだろう?うちの家の裏でてんぷらでも売っているんだろうか?ネットで探してもわかりませんよ。これやまさんの造語ですから。よく似た言葉「辻占」(つじうら)からこの言葉を作り出したわけでして。どちらも「占」の文字が入ってるから占いです。

 まず辻占から説明しますと、そもそもは、
 『日暮れどき,辻に立って,行きずりの人の言葉を聞き,それによって吉凶を判断する占い』
 のことなのです。逢魔が時(日暮れ時)帰宅を急ぐ見も知らぬ人が、何気なくつぶやく言葉ですから、占いをするものにとっては、何の関係も、その人とのコミュニュケーションさえない、全くの偶然に発せられる無関係の言葉です。それをとらえて占いの材料にするわけです。
 ちょっと変わった占いですね。日本の古代から中世にかけて行われていました。

 じゃあ、天占とはなんでしょうか。この「天」には二つの意味があります。一つは「文」、もう一つは「気」。
 天文の占いは洋の東西を問わず盛んですから、説明の必要はありませんね。特に天文現象の中でもよく占いに使われるのは、天球上を動く「太陽」、「月」、そして「遊星」(惑星)、水、金、火、木、土星です。特に遊星はその動きが複雑で、占いには重要な要素となります。
 昔の人にとって予測できない、思いもかけぬ動きをする遊星に人の運命を重ね合わせたり、他の星との位置距離の変化に人の世の変化を読み取ったりしたのです。

 ところが16~17世紀にかけてケプラーやニュートンが天体運動の法則を発見したため、天文の動きは数学的に予想されるようになり、
 「天文現象は予測できない、複雑な動き」をするものではなくなったのです。でもまあ、天文現象はいついつ起こることが分かっても、それの吉凶の価値判断では占い師の出番がありますから、現代でも天文占いは続いています。

 でも超新星爆発のような突発現象を除けば予測はされてるわけで、昔のような予測できない神秘性はなくなってますね。これに反し、占星術と違い今は絶滅したような占いの「辻占」の方が全く予測できない偶然の産物という神秘性があるような気がします。
 それはそうですね。逢魔が時、まさに悪魔の化身かもしれぬ、見知らぬ通りすがりの者が偶然つぶやく言葉に占いを見るというのは予測された天体の動きにはない神秘性がありますね。

 ところでもう一つの「天」の「天気」はどうでしょう。ただ誤解しないように言っておきますが、天気を当てる占いじゃないんです。注意してくださいね。天気がどうなるかで占うのです
 占いが先で天気が来るのじゃなく、天気が先で、それで占うのです。

 それでは天気は天体の動きと比べ予想可能でしょうか。天気も天体現象と同じく物理法則によって因果関係で起こる現象には間違いないんですが・・・
 これは複雑な因果関係、あらゆる運動力学、熱力学の法則がからみついて、予測は極めて難しいです。スーパーコンピューターを使い、大まかな天気の予測はやってますが、人の経験知にもかないません。
 「天」のもう一つの天文現象と比べるとかなり偶然性、神秘性は高いといわなければなりません。

 さあそこで金環食です。この金環食の現象、数万年後でも世界のどの地域でいついつ起こるか?すべて予測できております。
 それに比べて、今日、5月6日、あと15日でその金環食ですが、天気の正確な予想はつきません。ネットで見ましたが、予報はまだ出せておりません。またたとえ出されていても当たる保証は全然ありません。2週間後の天気などはほとんど博打と同じです。

 このように考えてくると、わかりきった皆既、金環食が起こってその影響はあ~だ、こ~だ、占うより、よほど偶然・神秘的なものに支配される当日の天気がどうなるかの結果で占いをする方が占いとしては面白い気がします。

 そこで皆さん占ってください。(ちょっと賭博の要素も入りますが)当日、天気の影響で、完全金環食の時間帯に見えるでしょうか。
 
 ① 見える
 ② 見えない

 そしてここからが占いの最重要な部分ですが、

 〇 見えた場合の吉凶は?

 〇 見えなかった場合の吉凶は?

 たとえば一例ですが
 『見えない、これは吉と判断する。天文現象の熱に浮かされた頭に冷水を浴びせ、冷静に立ち戻らされる。景気も徐々に回復し、自民党政権が復活する』

別の例では
 『見える、これは大凶・最悪と判断する。マヤの予言の、黙示録的な現象の始まりで、遠からずカタストロフィを招来する。』
 
 さらには
 『見える、小吉と判断する。これからもだらだらした弛緩した世は続き、代わり映えしない退屈さが全体を覆う。』

 資料として過去5月21日の天気のデータをあげておきます。これを見ると、見える方を採るのが分がいいようですね。さて皆さんは?????

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3 件のコメント:

yamasan さんのコメント...

私は
 「見えない。吉」
 といっておきましょう。

Unknown さんのコメント...

インドにも同じような占いがあり、「ニミッタ」(前兆)と言います。私は占い方を知らないので、自己流でやってみます。
 「見える。吉」です。当日は晴れ、日本国民の約半数がリアルタイムで見る。残りの人も、テレビとかネットで見てしまい、世界でも一割以上の人が見ることで、集合意識に大きく影響をもたらし、今までのシステムが雪だるま式に崩壊し、時の終焉を迎えるです。人々の心に魔が差したために、魔の文化が滅びる。自業自得か自浄作用か知りませんが、自然の摂理で良い事だと思います。(^o^)/

yamasan さんのコメント...

占いなどに頼ったり、その言葉を信じるのは理性的な人間でないような気もしますが、古代ギリシャの哲人も信じてましたし、これは噂ですが、今の世界の政治の指導者もこっそり専用の「占い師」を持ってると聞きます。

 占いは、公にしないだけで、みんなの心の中で大きな位置を占めているかもしれませんね。

 大袈裟な占いでなく、例えば、道を歩いていて、

 「角を曲がって初めて会う人が女だったら、こうしよう」

 などと些細な占いのようなことはみんなふと、やってる気がします。