今日、自転車に乗っていると栗の花の匂いが漂ってきた。花の匂いとはいえ、特異な匂いで、あまりおおっぴらに
「匂うなあ~」
とか、間違っても
「いい匂いじゃなあ~」
とかは言いにくい花の匂いである。
ちょうど今の時期花が開いて香りを漂わせている。
山の中ばかりでなく、市内の公園などの緑地にもあり、思わぬ街中から匂ってて驚くこともある。
はっきり言うとこの花の匂いはsemen,spermと同じ匂いなのである。成人以上の男性なら思い当るであろう。
私がこの花のにおいを意識したのは高校1年生の時であった。通学路に栗の木があったこともあろうが、これ以前も田舎で暮らしているから栗の花の匂いを嗅いでないはずはないのだが、記憶にない。
精通以後に意識するようになったのも考えれば当たり前である。
この花自体目立つものではない。実は高校1年の時、匂いを意識したといったが、その時はまだ何の花かわからなかった。なんかの花らしい匂いとは思っていたが、その元はその時はわからなかった。まして、栗の木の花がどのようなものであるかも知らなかった。
私の性徴は一般男子とそう変わらず、中学時代の終わりころ精通を迎えた。中学時代は恥ずかしくて、自己嫌悪に陥ったり、努めて意識に上がらぬよう抑圧したりしていた。
だが、高校生になると、クラスにあけすけに話す友達なんかがいて、そいつなんかは
「俺は週、〇回、masturbationした。」 だの
「どのようにejaculationした。」とか微細に話したりしていた。
まあ、そんな影響もあったのか、自身が成熟してきたのか、そのころになるとそう恥ずかしがらなくなった。
英語や国語辞典、解剖図入り百科事典で「性」関係の知識を吸収したものそのころである。「性」関係のずいぶん難しい英単語や難解な漢字熟語をすらすらおぼえた。英語や国語の授業ではいたってぼんやりしてたのにこういうことになると聡くなるんですね。
そして、百科事典で
「semen,spermは、栗の花に似た特有の匂いがし・・・・・・・」
と知り、植物図鑑で確かめ、実際の花を6月の今頃見ました。
花というには花らしさがない。なんか白いゲジゲジみたいで、美しくない。匂いが強烈だから認識はするものの、目立たないから、これが元だとは気付かない。
「まあ、こんな匂いの花だから、分相応の形なのかなあ。」
ここで美しくないといったが、それは華やかないかにも花らしい花を基準にすればの話であって、特異な形の花は鑑賞にもたえるし、詩や文学の対象にだってなるだろう。
どの花も平等であって優劣はない。
しかし、匂いが極めてある特定の印象を与えるため、はたして誰でも話題として
「好んで、栗の花、など取り上げるだろうか?」
今日のブログのテーマなんか
「お下劣!」
と眉を顰めているんじゃないでしょうかねぇ
詩歌に「栗の花」をさがすと有名な「奥の細道」の次の句が浮かんできます。
世の人の 見付けぬ花や 軒の栗
地味で目立たず、おくゆかしいことよ・・・などが伝わってきますが、さすが芭蕉さん、格調高くて、
「ほれほれ、あの、匂いじゃわ~」
なんどと匂わすことはおくびにも出してません。
それじゃあ、パロディーや滑稽味が主の「狂歌」や「川柳」はどうじゃろか、と探すと、ありましたありました。
谷地撫でて匂いおこせよ栗の花雄芯(おしべ)萎えても春を忘るな
(荻生待也狂歌作品集5. 春情歌(はるつげうた)②より)
これは、菅原道真の「東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花あるじなしとて春な忘れそ」という有名な和歌のパロディーです。
現代の人の狂歌ですが、いや、さすが、いいですね。
「谷地」、うふ!「撫でて」、うふふふ、わたしは・・・・そう、そのように解釈しました。
「オシベ萎えても春を忘るな」 やまさんのような年寄りですかねぇ
川柳では
栗の花 香りに笑う せい人や
「hikariOkei」さんという、現代の人の作です。
前記の狂歌は年寄りの雰囲気ですが、こちらは若い人ですね。
若い男のまじめなグループが歩いてて急にこんな匂いを嗅いだら笑ってしまう以外ないような気がします。
「せい人」と平仮名表記もいいですね。成人、性人、醒人、聖人、精(液)人・・・・などやまさん、勝手に想像し放題です。
これから歩いててしばらくはこの匂い鼻につくだろうなあ、やまさんも一句作ろうかな。
2 件のコメント:
栗の花ですか・・・。見たことも匂ったこともありませんでした。通勤が自転車なんで気を付けて見つけてみようかと思います。街中に生えているのかな?眉山山麓なら生えていそうな気もしますが・・・。さて、栗といえば連想するのはモンブランですね。早く実がなってほしいな~。今年も特製モンブラン作るぞ!
いや~、やはりしんさまは私と生まれ育ちがちがうのかな。
同じ「栗」が対象でも私は下品でへんな方向へ、しんさまはお菓子のモンブラン、それも自分でつくるという。
美しい、美しすぎる!
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