2012年2月4日土曜日

あこがれの職業


 今日は徳島城博物館でこのような企画展をやっているので見に行った。
 今日は特別に学芸員が一時間ほど見学者に解説をしてくれるというので240円の入場料を払って入館した。
 前回は「阿波の鉄砲展」でこの時も学芸員の解説日に合わせて入場しました。この時もブログを作っております。これです。
 今回も同じようにその見学の内容、解説に合わせてブログを作ろうと思いましたが、今日は視点をちょっと変えて解説してくれた学芸員に関連したことを書きます。

 前回と今回は学芸員が違っておりました。前回は40代の方、今日の方は30代前半、いやもしかしたら20代かもしれない若い方でした。どちらの方も見るからに知的な雰囲気を持っています。そして解説を聞いてもそれは外見だけでないことがわかります。
 時には専門用語、しかし一般人にわかるように平易さを心掛けています。洗練されたしゃべり口、よどみなくすらすらと解説が進みます。

 テーマの中心は各時代のひな人形の変遷なんですが、今日の若い学芸員の方、国文学にかなり詳しいのか、ひな人形の世界に関連して「源氏物語」のいくつかの巻のお話をされていました。『初音』『須磨・明石』の帖です。
 私の息子のような年齢の学芸員がしゃべる源氏物語の話しにすっかり魅了されてしまいました。

 若いのにまるで大学の老教授が学生に教え諭すように落ち着いて話してくれます。声もしっとりとした低い声ですが、耳が遠くなった私にもはっきりと聞こえます。

 「う~~ん、素晴らしい!」

 「もしかしたら、俺が就きたかった本当の職業はこれこれ、この学芸員ではなかったのか」

 子供のころから20代くらいまでいや、30代になってもあこがれの職業はくるくる変わりました。結局、あれこれと夢見ただけで実現はしませんでした。何もできない役立たずな人間かもしれないと思う一方、いやいや、本当の「天職」はきっとあるはずだ、未だ自分がよ~見つけないだけじゃ、と思ったりもしました。
 で、見つからないまま幾星霜、ン十年。

 今日、思いました。

 「この学芸員が天職じゃなかったのか?」

 60歳過ぎて、過去形でいうのが悲しいです。この歳が来てもあこがれると心理的に「同一視」する傾向があります。
 「知的で、洗練され、学会の専門員に名を連ね、研究一筋、時々博物館の見学者相手に上品な物言いで、かつ専門性は秘めながらもあくまでも平易に説明する学芸員」

 ちょうど前回や、今日の学芸員のように・・・

 でも家へ帰って冷静に考えると極めてがさつで下品に出来てる自分にあの高尚な雰囲気は出せないだろうと思いました。エキセントリックな学芸員にはなりたくありません。あくまでピシッとしたスーツを着こなし、上品で知的な雰囲気を醸し、国文学や歴史専攻の女学生がヨロヨロとなる学芸員でなきゃ、ヤダ!

  「これもダメか」

 「天職をもとめさらなる遍歴を続けよう!」・・・などと身の程知らずな夢をいつまでもみるやまさんでした。

 下は博物館内から見た庭園です。

6 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

学芸員、やまさんに合っていると思いますけど、挑戦してみられてはいいのではないでしょうか?なる方法は知らないので何とも言えませんが、いいと思います。しかし、最後の写真、後ろのマンションが微妙ですね、気になるような、ならないような・・・、色的には溶け込んでいるのでいいような気もしますが・・・、時代のコントラストと受け取ればいいのか・・・、でもいい感じです。気に入りました。ヽ(^。^)ノ

yamasan さんのコメント...

少年は空想冒険的な夢をみる。空想冒険をロマンと解釈すれば少年の心を持った大人は生来のロマンティストだ。(ピーターパンシンドロームという奴もいるけど)

 しんさまも少年の時あこがれた大人がいたでしょう。今、そのおとなになりましたか。ならなくてもいつまでも心のどこかにあこがれはありませんか。幾つになっても。
 60になってもロマンは持っているんですね。

 ところで少年の時、どんな仕事につきたかったですか。わたしはあこがれはありましたが、具体的に考えたことはなかったです。
 
 このブログの本文に書いたように「同一視」が強くて、できもしないヒーローのような偶像にあこがれました。

 もしかしてしんさまの場合、ロックミュージシャンかな。

Unknown さんのコメント...

私の場合は、やはりエンジニアかな、もしくは科学者、哲学家、宗教家でしょうかね。芸術家、武道家もいいな~。どれも志半ばで挫折もしくは中途半端でおわっていますが、別に満足しています。志す過程を楽しめれば、それが一番いいからです。それから、「同一視」はいいことだと思います。私も子供の頃よくしていました。憧れとか理想の対象になりきるのは、誰もがやっている手法だと思いますし、創造の原点が、「自己回帰」・「自己言及」ですから、私は思うものになるということですよね。(^_^.)

yamasan さんのコメント...

おっしゃるように「私は思うものになる」それを抱いていることがロマンという気がします。

 志す過程を大事にする、そのとおりですね。ふりかえると面白かったし、もちろん後悔なんかしてませんしね。

 私もよく似たものを考えましたが武道家の選択肢は私はなかったですし、夢想もしませんでしたね。元気な少年の多くはこういうマッチョにあこがれがあるものですが、子どもの頃その情熱は不思議となかったですね。

てるゆき さんのコメント...

学芸員やまさんにぴったり!博識ですし

頑張ってください。

yamasan さんのコメント...

>>てるさん

 てるさんもこれからじゃないですか、「なりたいものになる」いい言葉ですね。なりたいものになってください。
 まだまだてるさんはチャンスもあるし「春秋」(人生の年月)に富んでいます。

 仕事のロマンも恋のロマンも追い求めていってくださいよ。