2012年6月25日月曜日

電気学習ノート 磁石を究極まで砕いていくと


 「磁気はいったいどこから来るのだろう?」

 これは原子レベルにまで掘り下げて考える必要があります。

 原子は原子核と電子から成り立っています。この電子は原子核の周りをまわっていると同時に自転(スピン)もしています。電子はマイナスの電荷をもつキャリアですから、それが運動すれば電流が流れ磁界が生じます。

 このうち、電子が原子核の周囲を回ることによって発生する磁界はごく小さくて、スピン(自転)による磁界の1000分の1程度です。したがって磁気の源は、電子のスピン運動にあるといえます。

 とはいっても、磁化されにくい原子の電子は原子内では通常はペアになって逆方向にスピンしているため、磁界を打ち消し合って外部に磁気を出しません。
 しかし、鉄などの一部の原子は、ペアを作らない電子をもっているために磁気が発生します。
 もっとも、これらの磁界は、かたまりとして見た鉄の中では、方向がバラバラで互いに打ち消し合うために、鉄全体としては磁性を示すことがないのです。もし、鉄に強い磁界を与えてやると、各原子が一方向に並べられ、各原子の磁界方向が一致し、鉄が磁化するのです。

 こういうわけで、この世に存在する最小の磁石とは、ほかならぬ「電子」なのです。
 また、原子レベルで見ると、+、-は陽子、電子というキャリア(ほかにイオン、ホールがある)がありますが、N, Sはそれを担うキャリアがないことがわかりますね。
 つまり、電気の+、-と違いN, Sは単極(モノポール)が存在しないのです。

2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

電子ってなんでそんなにクルクル回っているんでしょうね?目が回るだけだと思いますが、何かいいことが有るのでしょうかね、(~o~)e

yamasan さんのコメント...

これは私の推測なんですが、原子レベルの話になると、スピンは一つの物理量(プランク定数に制約された)とみるのがいいのではないでしょうか。
 目に見える力学では、スピンは自転でクルクル回るイメージですが、電子の物理量の一つとみると、むしろ磁気を生む要素の一つとして観念的にとらえた方がいいかもしれません。

 この話から離れますと、高速の自転は、物に安定をもたらします。独楽、ジャイロがそうですよね。