やはりな、という感想である。昨夕発表されたノベル賞である。物理賞でもっとももらうべき人がもらったのである。受賞者二人の研究成果にノベル賞級の意義があったのはもちろんだが、それを基礎とした技術(機械学習)がAIに応用され、AIの能力が驚くべき向上をみせたことが、より注目されるべきことである。
具体的にはまだ発表されて二年(2022.12月)にもならないそれらの技術を使ったチャトGPTのインパクトはすごかった。わずか二ヶ月でユーザが一億人を軽く突破して以後も急上昇をつづけた。いろいろなIT商品・インタネトのアプリはあったが、このように爆発的な普及は断トツである。
ワイら一般人からしたら、研究室の中とかごく一部のITマニアが先端のAI技術をモモグリまくっても、知らないし、それがいかに革新的技術であっても、自身にはインパクトはもたらさない。しかしそれがチャトGPTのように猫も杓子も使える形で現れ、爆発的に普及したとなれば、その革新的技術に向き合わねばならない。
それは恐るべきモノであるんじゃないかと、不気味な予感とともに受け入れらたんじゃないだろうか。あらゆる対話(知的なものからオッさんオバはんの井戸端あるいは噂話まで)に全く人と変わらず受け答えしてくれる。まぁ、それは良いとして、その対話の基礎となる知能となれば、ワイら凡人が到底およばない、いやこの地球上にいままで現れたどんな天才よりも優れた知能を有する者が、対話の向こうに存在するのである(と思われる←正確には)
それは万物の霊長(つまり地上の生き物で最も優れた知能を持つ生き物)ということで、地球を支配したと、うぬぼれにも思っている人類にとって代わられる「モノ」となるんじゃないか。というそのような悪い予感である。
他動物に比べ、力もそう強くない、強力な攻撃の「牙」も「鋭い爪」も持たない、か弱い人類がなんで地上の支配者に君臨できたかといえば、これはひとえに知能があったからである。また人の社会においても、特に現代に近くなるほど、知能が低い人より、知能の高い人が、社会的地位を上昇させるのは当たり前である。
そのような人類に支配される他動物は生殺与奪を甘んじて受け入れざるを得ない。そんな他動物は冷酷な人を見ても高い知能を持つ人間が何を考えてそのように我ら(他動物)に害を与えるのかは、低い脳力の動物には分からない。
さぁ、それと同じことが幾何級数的に発達するAI(人工知能)と人の間には起こりはすまいか、今まで脳力の低い動物をそのように扱ってきた人が、同じ報いをAIから受けるんじゃないか、これは杞憂とは言えまい。
唯一ノベル賞を二度受賞したキュウリ夫妻は「ラジゥム崩壊」現象を見極め、受賞した。それは不思議な現象であった。今まで物質からエネルギを取りだすのは燃焼などの化学反応であった。ところがラジゥム崩壊は化学反応とは全く違う仕組み(原子核の一部崩壊、正確にはα線崩壊)で莫大なエネルギを長時間放出したのである。
これが原子核から直接エネルギを取り出す原子力の嚆矢となった。続くのはウランの核分裂、重水素の核融合である。
それはさっそく爆弾に応用された、そして今がある。全人類を滅ぼす可能性のある爆弾がすぐにでも使える状態でこの地球に存在する。初発(明)の二発だけ使っただけで、その後は使われていないが、しかしそのボタンはいつでも押すことができる。現代はあやうい綱渡りのような時を刻んでいるといっていいだろう。
そのような核兵器に近いモノとなって、人類に脅威を与える存在に、AIはなるんじゃないかとの懸念が、素人ではあるがワイにはあるのである。
付け加えるなら、核兵器は使われるにしても(今までは)少なくとも人の判断であった。だから人自身で、核の抑止もできるし、難しいが核の全廃も出来る。しかし、AIの脅威はそれとは違う。人類が太刀打ちできない高知能をもつ、そして何を考えているのか、いやAIが人並みに考えるというのも、低知能の人類の類推だ、AIはそんな人の類推も及ばない、人から見れば神のような全能の力を発揮するかもしれず、そうなれば当然人の手を離れて、はるか上の方にそびえたつ存在になるだろう。そうなると、人類は絶滅はさせられないかもしれないが、奴隷化、AIによる人の家畜化まで進むかもしれない。それを決めるのも実行するのも人ではなくAIと呼ばれるものとなるんじゃないか。
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