2010年12月24日金曜日

クリスマスの日に聴いた歌

 今日、街中で聞こえる音楽といえばどこもかしこもクリスマスソングばかり、子供の時から何度も聞いた曲がほとんど、クリスマスソングだけは老いも若きもあまり違わない曲種である。「ジングルベー、ジングルベー、鈴が鳴る・・・・・」とか「ホワイトクリスマス」、「赤鼻のトナカイ」など、それこそもう嫌になるくらいBGMで流れ、うんざりしている。
 ちょっと新しいところでも20年にはなろうとする、あれ、ほれ、それ、曲、忘っせたわ。「雨は夜更けすぎに雪へと・・・・なんたらかんたら」そして新井由美の「恋人は三太苦労す」など。
 こんだけクリスマスソングをガンガン流し、クリスマスの雰囲気をいやでも盛り上げ、我々の情緒を音楽で無理に掻き立て、鞭打つようにクリスマス、クリスマスと追い立て、それこそ人どころか草木も靡かすようにして、いったい何をしようとしているのか。
 これだけクリスマスをもてはやしている国だから、キリスト教徒が多いのかといえばそうでもない。クリスマス盛り上げには成功したが、布教は数パーセントが信者であるのみで成功したとはいいがたい。
 ただの祭り好き、騒ぎ好きなだけなのか。夜が長いこの季節、ぴかぴかした赤い灯青い灯のもとでやるパーティーは楽しい。年忘れにもちょうどいい季節。学生・生徒も勉強は一段落、わいわいやる口実にはもってこい。
 私は信じられないが、クリスマスは男女の仲も和らげ、濃密に交流をさせるようで、どこのラブホテルも大入り満員、待機の車が入り口で列をなすという。ほんまかいな。聖夜に結ばれたらなんかご利益があるんかもしれんな。
 人生、いろどりのある行事も必要で楽しくやるのはなんら文句はないが、2か月も前から街で流れるBGMはクリスマスソングばっか、というのはどうにかならんもんか。
 で、今日は聖夜当日、明後日からは六日の菖蒲、十日の菊、流せばちゃんちゃらおかしいから、ここを先途とクリスマスソングの大洪水、わたしもつられて、テレビのお笑いネタで歌ってた替え歌もじりで唱和
「ほーでんな、さいでんな・・・・・」
 
 昼、友達とランチを食べたあと、ちょっとドライブに、ということになった。巷の狂乱状態にあるクリスマスの喧騒を避ける意味で、わたしの提案で板野町の「あすたむらんど」へ。来て正解。およそ賑やかさとは対極の、よくいえば静寂、落ち着いた場所。悪く言えば衰微の極み。われわれ入場者よりもしかしてスタッフが多いかも知れない客の入り。
 私と一緒に入った10人くらいの高校生の男女のグループ以外、だだっ広い園内には見当たらない。このグループ、品行方正の見本のような高校生、65年前の青い山脈の高校生を彷彿とさせる。みんなで天文科学館へ学習見学へ行くとのこと、ここあすたむらんどは基本的には学習の場なのである。こんなとこ、そしてこんな入場者のいるとこ、やまさん、大好きなんです。

 園内の各場所をめぐるとぽつぽつ人がいる。でも一人か二人、客は極めて少ないが荒廃した感じはしない、大勢のスタッフが手入れしているのだろう、園内は整理・整備されていてさっぱりしている。3時前にコーヒーを飲みに食堂へ入る。入ったときは我々2人のみ。3時からここでショーがあると聞いたが、「ホンマにあるんかいな、客がおれへん。」
 それは、地元の女子高校生の素人漫才の前座から始まった。けっして上手ではなく、笑いもできなかったが、威勢よくぽんぽんと掛け合いの漫才をする二人に何より感動した。わたしがパチパチと拍手したり写メールをとると大げさにジェスチャーで答えてくれた。観客は我々たった二人である。けなげと言っては失礼だろう。上手下手は別としてこんなにきっちりステージをこなす女子高校生を見て、芸に打ち込む真摯さに心から拍手させてもらった。「これからもがんばってね。」
 そのあとメインのウイグルから日本に来た演奏者の民俗音楽があった。この時になっても我々をいれてたった6人。
 民俗衣装をきてアコーデオン一丁をもったウイグル人が登場して、自ら伴奏して歌が始まりました。このところジングルベーの曲ばかり聞いて食傷気味だったやまさんの耳に固有で独特のウイグルの曲が新鮮でさわやかに鳴り響きました。
 三曲歌いましたが、その中の草原の歌、の時、私はしばらく目をつむってウイグルの人、ウイグルの風土に想いめぐらせました。中国人から弱小民族として蔑みや迫害があると聞きます。しかし、ユーラシア大陸を馬で縦横に闊歩した騎馬民族の誇りをもって朗々と歌い上げる、草原の歌には、負けることのない雄々しい民族の魂が込められています。絶対に滅ぼしてはならぬ貴重な歌である。
 たどたどしい日本語で、8000キロ離れた故郷に残した家族をしのびつつ歌う、という言葉を聞いたとき何かほろりとするものがこみあげてきました。私も含めて日本人はシルクロードが好きな人が多い。こんな貴重な民族文化を少しでもサポートしてあげたいと思う人はたくさんいるとおもいます。でも、たった6人の観客、演奏のウイグルの人に済まない気がします。
 巷では夜にかけて増々高まるクリスマスソング。キリスト教徒でもないのに放歌高吟。しかし、私は今日たった6人の演奏会でしたが、敬虔なイスラム教徒であるウイグルの歌を聞けて、さわやかな気分で満足した一日を終えることができます。

携帯動画のため画質も音質もよくありません、うまく伝わらないのを恐れますが、こんな感じの演奏会です。
この後、この人の娘のウイグルの踊りもありました。下が写真です。

1 件のコメント:

ワンピースファン ルフィと仲間たち さんのコメント...

まだ、あすたむランドに行った事がないです。
暖かくなりましたら一度行って見ます!