2022年11月4日金曜日

飛翔するもの

  昼飯は県庁11階の食堂で食べた。最近は週に一度はここで食べる。なぜって?安くてボリュームあってうまいからだ。自分でおかず二皿選べるのも良い。

 11階なので眺めの良い席で食べていて、遠景をみると、えらぃ、霞んどぅわ。しかし霧や霞の類いではなさそう。どうも「黄塵」っぽい。そう思ってみるとわずかに黄色っぽくもみえる。黄塵は風物誌にも取り上げられるほど有名な「春の風物」、今は秋だから、おいおい、お呼びじゃないよ、といいたいが、大陸から西風にのって黄砂が飛んできたばぁいは春じゃの秋じゃの、へったくれぇもない。ただ春は黄砂の生まれ故郷の大陸は枯れて乾燥しまくっているから、黄砂が飛びやすく、また春は結構強風の吹く日が多いため、春に多いと言うだけだ。それにしても近年、季節外れの黄塵が多い。彼の国、自然破壊が進んでますます砂漠化しよんかいなぁ。


 「黄塵」も大陸・西の方から飛翔してくるものである。小難しく「飛翔」なんどと使ったが、飛んでくるっちゅうのを大して意味も分からず、賢こげぇに「飛翔」っつうたまで。「翔」っつうのは難しい漢字だが、天空を翔る、と使うから、飛んでくる、という意味でも間違ってはいまい。この「翔」は近年、生まれる男児の命名に使われる文字としては一番多い。良い字と認識しているからだろう。しかし悪いもんが飛翔してきたら困る、「黄塵」は最近では、pm2.5たらゆう悪さをする微粒子と一緒にとんでくるから、こんなものは飛翔してこないでほしい。



 悪い飛翔といやぁ、偉大なる首領さまの国がバンバン弾頭をこっちに向かって飛翔させてくる。実験か示威か知らんが、こんなモノ日本海や太平洋にぶち込んでほしくない。どうしてもやりたきゃぁ、自分の領土内でやれ、といいたい。まったく何を考えトンやら、困ったもんだ。





 県庁から外へ出ると風が強い。風向は分からないが西風だとすると、それに乗って大陸から黄砂が飛翔したのもうなずける。

 かちどき橋を渡らず、橋の手前にある小さな公園から橋の下に降りると、上流に向かって川沿いに遊歩道がある。そこを歩くことにした。かちどき橋上にはたくさんの鳥が舞っている。なんぞいなぁ、とよく見るとこれが「鳶」、それより一段と小さいカモメも鳶以上にいるが、橋脚や水銀灯に止まっていたりするから舞っているのは少ない、カラスも若干いる。それにしても、鳶が多い、ざっと見たところ20羽あまりが上空を舞っている。


 ここら当たりは海にも近いため、どちらかというとカモメさんの縄張りだ。鳶も海の近くを好むのかな、もしや、カモメさんの餌を横取りふん奪くろうっちゅう魂胆か。そういや、鎌倉の海岸にあるマクドナルドでバーガーを買い、護岸に腰掛けて食べようとしている人が、音もなく滑空してきた鳶にバーガーをさらわれるそうだ。故事成語に「鳶に油揚」というのがあるが、最近では鳶にバーガーか。

 この鳶も「飛翔」か?いや鳶はどうもそんな飛び方ではない。隼や鷹ならば飛翔と呼べるが、鳶はあっちへふうわり、こっちへふうわり、で落ち着きがない。それに翼をほとんど羽ばたかせない。風に乗っていることが多い。飛翔というより、三橋美智也はんが歌った「鳶がクルリと輪を描いた」がふさわしい。

 調べると鳶もワシ・タカ科で猛禽類には入っているが、どうもそんな感じはしない。隼のように雄々しい、とか鷹のように鋭い目で敵を見つけ、と形容できるように隼や鷹なら肯定的なイメージがあるが、鳶はそんな形容はない、鳶が鷹を生む、というのをみても鳶はいい形容にはふさわしくない。何か鳶のキャラを象徴するような話はないだろうか。鳶の恩返し、っちゅうのは聞いたことないし、なんだろ、と考えてみたら十年も前に私のブログで鳶のおもっしょい話を書いていた。(ここクリック
 これなどを読むと鳶は、お笑い系の小悪党、とみえる。

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