2022年7月8日金曜日

あぁ、われら西側諸国の脆弱性よ、暗澹たる気分になる

  今朝は寝苦しかったせいもあり眠り浅く気分が良くなかった。70過ぎると朝の気分の悪さは一日中続くときが多い。しんどいなぁ、と思いつつ携帯のワンセグで正午のNHKニュースをつけると間髪を入れずに飛び込んできたのが「安倍元首相、奈良市内で銃撃を受ける」との速報。驚いてそのままニュースを見ているとやがて「心肺停止状態」で病院に運ばれるとの報、そして先ほど「死亡」のニュース、なんと言うことか、気分が悪い上に、この衝撃的なニュースで地の底に引きずりこまれるような絶望感でいっぱいになった。

 なぜ、なぜ、戦前の昭和じゃあるまいし、首相を務めた人が暗殺されるって、まさかこの時代にあるとは思われなかった。好き嫌いはあるにしても日本国という大きな船の船長さんとしてのべ8年以上にわたって舵取りをしてくれた。ワイのような取るに足らない国民でも、国の船長さんとおもえばそこは頼りにしたものである。引退してからもテレビや言論誌などでよく安倍さんの主張にお目にかかっていたし、拉致問題や靖国参拝でも違う意見はあるにしても、がんばっているなぁ、となんか親しみがわいていた。それが、今日、選挙の応援演説に立っていて、まさかの銃弾で命を奪われた。はやい、早すぎる、ワイでも71歳まで生きたのに、かれまだ67歳にしかならない。ひどすぎる無念の死である。

 この暗澹たる気分、地に引きずり込まれるような絶望感、ワイだけでなく多くの人々も似たような気持ちになっているのではないか。英語に「terror」という言葉がある。一義的には「恐怖」と訳される。多くの人にたいし「恐怖」をもたらし、人々を混乱に陥れ、国民を暗い絶望に突き落とす行為は「テロ」terrorと呼ばれている。まさにワイの心を暗澹と絶望的気分にさせたのはその目的を達したことになる。

 それにしても西側の民主主義国の脆弱性はどうだ?昨日は英国のジョンソン首相がコロナ中に官邸でパーティーなどの不適切な行為があったことに対し国民から嫌われ、辞任することに追い込まれた。民主主義国では選挙によって政権が交代するのは当たり前だが、このように国民に極端に不人気となれば辞任せざるを得なくなる。日本でも選挙に関わりなくそのような状況でやめる首相が多い。日本や英国などの民主主義国では支持率を気にするゆえんである。

 そして今日、民主主義のもっとも重要な根幹の行為の選挙期間中、暗殺された。国民の前で演説し親しく接するその機会にである。だからどうしても警備に隙が出てくる。ケネディは多くの国民の歓呼に応えるためオープンカーの車上で狙撃暗殺された。民主主義国ではこのように国民と政治家とのふれあいは市井の中で大切にされる、そこを暗殺者は狙うのである。

 強権政治のロシア、一度も自由選挙など行ったことのない中華人民共和国、くじけない恐ろしい意思を持って突き進んでくるこれらの政府を我々ははたして押しとどめることができるのだろうか。ヨーロッパ大陸で戦争が起こっているときに英国は不人気で首相を交代させる、そして日本では影響力のある元首相が選挙期間中にやすやすと暗殺される。この民主主義国の脆弱性はどうしようもないのだろうか。

 「ほ~れ見てみぃ、西側の自由民主主義なんどという制度はこんなにもろいんじゃわだ、やっぱ、ワイらの国の制度の方が優れとるわ、どんどんやったるでぇ」とロシア・中国の首脳はほくそ笑んでいるんじゃないだろうか。

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