2022年7月15日金曜日

夏このごろ

  向日葵

 善入寺島のひまわり畑は車に乗せてもらって見たのを数えると今月に入って三回は通った。広々とした善入寺島の畑に広がるヒマワリは見ごたえがある。このような広々としたひまわり畑がでてくる作品の一つに大昔封切られたイタリア映画「ひまわり」がある。ウクライナで撮影されたこともあり、今、再びこの映画がちょっとしたブームになっている。この間からビデオやに行くたび、もう一度借りて鑑賞したいと思っているが、行く度見るが、貸し出し中の空のケースしかなくていまだに見ていない。

 ひまわりはでかい花なので切り花にふさわしい花とは思えないが、矮性のひまわりもあるので生け花や切り花として花瓶に飾られることもある。花瓶に入ったヒマワリというと私がまず第一にイメージするのはゴッホの作品のヒマワリである。合計7点ものひまわりの主題の絵が知られていて、その中には日本国内所蔵のもある。

 一昨日、ゴッホを描いたDVD映画を市立図書館で見つけたので借りた。まだ見ていない。美術史にはさほど興味がなかったので知らなかったがゴッホってなんと37歳の若さで亡くなっている。自画像なんか見ると50か60のおっさんのような顔をしていたからそんな若さで生涯を閉じたと知ったのは驚きであった。晩年(といっても30代後半だが)かなり奇矯な行動が目立ち、ゴーギャンに自分の耳を切って送ったといわれているが、この映画ではどのように描かれているのだろうか。またゴーギャンと同棲したといわれているが、個性の強い画家同士の関係は何だったのだろうとおもうと映画を見る興味もわいてくる。

 蓮

 ひまわりもでかい花だが、ハスはそれに劣らず花も葉っぱも大きい。今月に入ってハスの花も二度ほど見に行った。池谷駅近くのレンコン畑の蓮の花、そして鳴門島田島の古代ハスの花である。

 ハスの花のイメージはやはり仏教であろう。仏像の台座もハスなら、手に持つのもハスの花、仏具にもハスの花がある。仏像とハスの花の関係は古代インドからずっと続いている。グプタ朝時代(4~6世紀)の仏像(観音菩薩であるといわれている)やアジャンタ石窟寺院の壁画の人物(これも観音と言われていたが今は否定されていて仏教の守護神と言われている)もハスの花を持っている。

 古代インドのハスの花を持つ観音菩薩像


 アジャンタ石窟寺院壁画、手には青いハスの花を持っている。


 なんで仏教とハスの花が結びついたのか、泥中にありながら清浄にさく純白の大輪のハスの花は、穢れた下界から出でてもやがては天上界に転生する、という仏教の例えをイメージする花であるからと言われている。

 岬めぐり

 まだ車も持っていなかった20代の頃、足摺岬へ旅をした。動機は何だったのか、その頃は宗教にはほとんど関心なく、またお四国のブームなどもなかったころなので札所の寺(岬に金剛福寺がある)が目的ではなかった。田宮虎彦の「足摺岬」を読んでなんとなく行ってみたくなったのかもしれない、とはいっても自殺願望などはない(足摺岬は自殺の名所?であり、この小説も自殺を扱った内容である)。今となってははっきりした旅の目的などは思い出せない。

 列車で中村駅まで行くと、そこから先は足摺岬行きのバスの旅となる。計画性も何もない、四国内とはいえ四国の南西の外れの岬なので日帰りなどはできないことはわかっていた。岬について断崖の足摺岬をみたあと、さて今夜の宿を探さねばならない。そのとき観光案内所であったか、それとも土産物屋で聞いたのか、ともかく安い宿を訪ねたと思う。紹介してくれたのが金剛福寺、ここはユースホステルも兼ねていたので宿坊の方ではなく宿坊に隣接したユースホステルの方だった。

 当然若者が多く、夜はミーティングと称する懇親会のような集まりがあり全員参加した。ペアレントは住職さんなので姿は見せずヘルパーの若者がミーティングを取り仕切った。そしてみんなで(今の若者だと考えられないかもしれないが)いくつかのフォークっぽい歌をヘルパーさんのギター伴奏で斉唱した。その中で今でも印象深く覚えている曲が「岬めぐり」だった。

 ~アナタがいつか話してくれた~~岬めぐりのバスは走る~~窓に広がる青い海よ~~悲しみ深く、胸に沈めたらこの旅終えて、街に帰ろぉ~

 別にそのとき私は失恋して悲しみ深く沈んでいたわけではないが、そこはかとなく一人旅の旅愁を感じながら、ああ、いい曲だなぁ、と思い、以後も時々ウォークマンで聞いたり歌ったりした。ギターは弾けないが、ピアノやキーボードを私が演奏して何人かで歌ったこともあった。

 今日、その曲を作った山本コータローさんの訃報を聞く。私とそう変わらない年齢だ、まだまだ活躍してほしかった。合掌 

4 件のコメント:

carlos さんのコメント...

『岬めぐり』の二番目の歌詞です。

 岬めぐりの バスは走る
 僕はどうして 生きていこう
 悲しみ深く 胸に沈めたら
 この旅終えて 街に帰ろう

この「僕はどうして 生きていこう」というフレーズが、ずっと何十年も頭の中でまわっています。永遠の「五月病」。

食べていくために、いろんな職を転々とした。それでも、何がしたいんだか、わからんまま歳寄ってしまった。

人生もあと少しになっているのに、やっぱり「僕はどうして 生きていこう」と思っている。なんか情けない人生やなあ。

yamasan さんのコメント...

>>カルロスさんへ

 岬めぐり、カルロスさんもよく知っている曲で思い入れがあったんですね。この時代のフォークって、詩になにか自分に重なるものがあるんですよね。思うようにならぬ青春、失恋、敗残、諦め、しかし未来へのかすかな希望、など読み込んでましたね、これらも若者の苦悩だったんですね。♪~若いという字は苦しい字に似てるわ~、という歌もありましたっけ。青春の苦悩を言っているんでしょう、でもこの歳になって振り返るとなんといい苦悩だったんでしょうか、誰にも未知の未来が広がっているのが青春でしたから苦悩を乗り越えればまた新世界が広がる可能性があるものね。

 歳いって悔恨と過去のおもいでに浸るのはよくないのでしょうが日記風のブログを書いているとどうしても今回のように昔のことが出てきます。今の若い人から見れば(当時もそうでしたが)年寄りの繰り言でしょうね。

 自分が選び取ってここまでなんとか来た人生だから、なんとかハッピーエンドとまでは行かなくてもいい最晩年を迎えたいです、あまり希望はありませんが。

 青春の選択といえば、いま日本中で話題になっている41歳のあの人、未知の未来を持った青春からどのようにしてあのような軌跡をたどったのか、ちょっと考えてしまいます、あの報道を見た時、すぐ思い浮かべたのが昔の映画「タクシードライバー」でした。こんなこと思うの私だけかと思ったら、ある新聞のコラムにやはり「タクシードライバー」の映画が取り上げられていました。図書館にあるので借りてきたので見ようと思っています。

 祇園祭が始まりました、京都は無理でも蔵本のぎおんさんはどうかな、今日見てみるつもりです、やはりコロナで自粛かな。

carlos さんのコメント...

「若いという字は 苦しい字に似てるわ」って、アン真理子の歌だ。さすがにタイトルは思い出せんかった。調べたら『悲しみは駆け足でやってくる』だった。

 安倍(元)総理銃撃事件は、驚いた。あのような形で人生を終えるのは、無念だった思います。それまで、毀誉褒貶を次々と乗り越えてきたのに、不意に終わってしまった。

 今回のことで統一協会がトンデモ組織だと改めてわかった。Wikipediaに教祖が言った教義が載っている。日本人は韓国人のために尽くすことが義務となっている。だから、韓国では献金・寄付は強制ではないのに、日本では全財産を差し出すことが当然なんだって。

 その金が日本の保守勢力や一部の自民党議員へ献金・支援金にもなっていた。やたら「反日」だとわめく保守、右翼、ネトウヨなどが、なぜ統一協会と敵対しないのか不思議。協会こそ「反日」そのものの主張であり、日本の敵ではないか。もう、自称「愛国者」なんてやつは信用ならんな。

 元々、安倍氏の祖父である岸信介と統一協会は反共運動で協力していたのは有名な話である。ただ今の安倍氏が殺されるほど協会と関わっていたとまでは思えないけど、なんかウラがあるんかいな? まあ、明らかにはならんだろうけど。「若いという字は 苦しい字に似てるわ」って、アン真理子の歌だ。さすがにタイトルは思い出せんかった。調べたら『悲しみは駆け足でやってくる』だった。

 安倍(元)総理銃撃事件は、驚いた。あのような形で人生を終えるのは、無念だった思います。それまで、毀誉褒貶を次々と乗り越えてきたのに、不意に終わってしまった。

 今回のことで統一協会がトンデモ組織だと改めてわかった。Wikipediaに教祖が言った教義が載っている。日本人は韓国人のために尽くすことが義務となっている。だから、韓国では献金・寄付は強制ではないのに、日本では全財産を差し出すことが当然なんだって。

 その金が日本の保守勢力や一部の自民党議員へ献金・支援金にもなっていた。やたら「反日」だとわめく保守、右翼、ネトウヨなどが、なぜ統一協会と敵対しないのか不思議。協会こそ「反日」そのものの主張であり、日本の敵ではないか。もう、自称「愛国者」なんてやつは信用ならんな。

 元々、安倍氏の祖父である岸信介と統一協会は反共運動で協力していたのは有名な話である。ただ今の安倍氏が殺されるほど協会と関わっていたとまでは思えないけど、なんかウラがあるんかいな? まあ、明らかにはならんだろうけど。

yamasan さんのコメント...

>>カルロスさんへ

 ケネディ暗殺もそうだったが、半世紀以上たってもオズワルドの単独犯か(公式にはそうされたが)、未だにいろいろな議論が行われています、しかし最も信用できる言説は、ジャァナリスなどが自分で取材調査に基づいて出したものによるものですが、それもアプローチのし方によって正反対の結論が出たりします。

 いま一番注意したいのは、ネットの言説です、いろいろなネットの真偽不明の情報を元にあれこれ言われていますが、ケネディ暗殺事件でも膨大な調査がおこなわれ、全容が組み立てられるまでに何年も要しています。いま短絡的に結びつけたくないですね。慎重な調査の時間を、もしかするともっと長くこの暗殺の歴史の位置づけを待ちたいですね。

 これもアベさんの存在の大きさかもしれませんが、暗殺後、何か暗い組織と結びつけ、やはり犯人単独でなく陰に日向に陰の組織の影響があったと考えるのは、アベさんが生きていたときの反アベの側が多いようですね。犯人は生きているから時間はかかるが裁判の成り行き、その陳述を知ってからの判断となりますね。でもネットの住民は辛抱できないんだよなぁ。ますますいろいろ言うでしょうね。

 今、面白い本を読んでいます、グレン・D・ディビス著「JFK(ケネディ)暗殺は日本の謀略だった」図書館の本です。タイトル通り暗殺に日本の謀略が絡んでいる、という、一見。トンデモ本の評価です。暗殺犯オスワルドが海軍兵で日本・厚木基地に勤務していたことを元に組み立てているのですが、この本に、まさに岸信介、日本を共産圏から守るため、作られる組織、統一教会、勝共連合が出てきています。6年も前の本ですが、これなどを元に自民保守派とそのような組織のつながりが言われる可能性がありますね。昨日読みましたが、もちろん、私は眉に唾して読みましたが、国際謀略の小説(フィクション)とみれば結構面白かった。