2011年4月10日日曜日

花のもとには何が似合う

 徳島城公園の満開の桜の下では何人もの若い男がベロンベロンに酔っている。足腰も立たなくなっているのか、しゃがんだり、腰を落としたり、中には大の字になって横たわっているものもいる。

 「これは急性アルコール中毒ではないのか」

 日本は平和な国だなと思う。いくら若い男とはいえ、正体もなく酔っ払って体の自由も効かなくなる状態は考えれば怖い。男だから強姦などはされまいが(いや、いまの世わからんぞ!)、金品を奪われたり一方的に暴力を受けたりするかもしれない。それに急性アルコール中毒なら命にかかわることもある。

 金曜、土曜、そして今日と花の下での落花狼藉のあとが堆積し、ごみは散乱し、隅の方には反吐様の汚物もある。

 私は
 「それ、見たことか」
 といいたい。花の下で集い狂喜乱舞するのもいいし、痛飲するのもいいが、花の下を見苦しくするのはやめてほしい。んが、

 「花の下で飲み喰いし、どんちゃん騒ぎをすれば、こうなるわな。節度を持てという方が無理だろう」

 川田川の横の小さな公園に行った。日曜の昼過ぎというのに誰もいない。桜が公園を囲むようにたくさん植わっている。風が時折強く吹きすぎると、木の下にいる私に花吹雪が、ザザー、と音がするんじゃないかと思うくらいたくさん降ってくる。
 ここを先途とばかりに散る花吹雪で、ときどき視界も白くなるくらいである。
 ふと、思いました。

 「こんな時、この世では絶対会えない人に会えるような気がする。」

 なんの根拠もありません。しかし、そんなロマンが信じられるくらいの多量の花吹雪です。

 「もし、瞬間でも、花吹雪の下に会いたい人が立っていてくれれば・・・・・・・」

 公園の真ん中には、ブランコがあります。だれもいないことに勇気づけられて何十年かぶりにブランコに乗ってみました。

 「花のもとでのブランコ、なんか似合いそう、そういえば。」

 その時になって気づきました。ブランコは春の季語であること、それは漢詩のブランコの別名「鞦韆」が入った七言絶句に由来することを。

春宵一刻値千金
花有清香月有陰
歌管樓臺聲細細
鞦韆院落夜沈沈

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