2021年10月27日水曜日

アサギマダラ

  アサギマダラの見られる岩脇公園香風台は取星寺の山域にある。取星寺は3度も行ったことがあるのでよく知った道だが、羽ノ浦駅からかなり歩かなければならないので歳とともにきつくなってくる。約一時間かけて取星寺の山の中腹にある高台・香風台に着いた。眺めのいいところなので、そこのベンチで休み、そして遅い昼弁当を食べる。


 この裏の方にフジバカマの花園があり、アサギマダラが舞っているという。果たして運よくお目にかかれるか心配だったが、行くと花から花へと何羽もヒラヒラと飛んでいる。

ヒラヒラ舞っている動画

 

 荘子の(中国の戦国時代の思想家)説話に『胡蝶の夢』というのがある。ある時夢を見た、その中で自分は胡蝶になりヒラヒラと花から花へと飛び、宙に舞っていた。そして夢からさめ、人間の自分にかえった。そこで荘子は、ハタと思った。自分が蝶になって舞ったのが夢なのか、いや、反対にいま蝶が人間になった夢を見ているのかもしれないと。荘子の思想を象徴する有名な話である。

 花にとまっている静止画



 種類の違う黄色の蝶も来ていた。


 蝶は花の蜜を吸うがこのアサギマダラは特定の花の嗜好性が強いようで、フジバカマの花に寄ってくる性質がある。なぜそのような嗜好性を持つか、調べるとこの花の持っているあるアルカロイド(花の化学成分)がアサギマダラの性ホルモンにとって必要だということだ。カイコは桑、コアラはユーカリの木、パンダは笹、という嗜好性を持っているが、それと似たようなものだろう。

 またこのアサギマダラは鳥のように「渡り」をするのでも知られている。日本から台湾まで1500kmも「渡り」(旅)をする。海の上に出たら休むところがなかろうに、軽い小さい身でよくそれができるものだと感心する。でも台湾なら、奄美群島、沖縄、南西諸島、と島伝いに行けるが、島の配置や方向を知っているのか?疑問に感じるが、専門家でもこの大移動についてはまだわからないことがあるそうだ。

 羽ノ浦駅から岩脇公園までの岩脇街道は秋桜で飾られている。



 フジバカマ花園を登ったところは取星寺の最も奥まったところである。眺めも良いが、ここには経塚や伝説では悪星が墜ちてきた場所がある。

高野山遥拝所の石柱が立っている


悪星は堕ちてきて松の木に引っかかったそうだ、いったいどんな星じゃ!

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