2020年10月24日土曜日

ススキの原は銀の色

  秋晴れの朝晩、秋冷を感じるようになった。キュッと引き締まるような秋冷は深まりつつある秋を感じさせる。高齢者になっても、そういった感覚はあるが、ほんのつかの間で長続きしない。若いうちなら深まる秋を肌で感じれば、食べ物のおいしい秋、行楽の秋、野山が色づく秋、あるい万物の凋落を感じさせるような物憂い秋、を想い、それらにはなにか心の中を幸福感でみたすものがあった。そしてそれが行動のエネルギーとなり、秋の味覚を味わい、あるいは秋の野山を歩き、または(車で)走り、おもいっきり秋を感じたものだ。

 歳ぃいくとそのような秋の幸福感は失せていった。朝起きて秋冷を感じるより先に尿意を感じ、トイレでジョロジョロと勢いのなくなったションベンをし、なぜかいつも一発、屁がブッとでたあと、冷気を感じ「あぁ~さむっ」とふたたび布団にもぐりこみ、もう眠れもしないのにグズグズしている。こんな状態で過ごしているとロォマンティックな秋を感じるなど微塵もありゃぁせんがな。

 とはいえ、日も上り、秋のよい日和となった。、足の調子もだいぶんよくなっているし、長く歩くのはまだきついが、自転車なら少し遠出ができる。そこでちょっとは秋を喫しようと、石井から佐古までできるだけ農道を選んで自転車で走った。

 きれいなススキの原があった。銀の原、と言いたいが近頃(私の若い時はホントに銀の原だったが)はセイタカアワダチソウが侵入してきてところどころ黄色の穂を見せている。

  動画を撮っていて気づいたのだが、丈の高い草が実をつけている。よく見ると子どもの時この実をとって糸に通し数珠にして遊んだ「ジュズダマ」という植物である。最近見かけることが少なくなっていた。明治以降入ってきた「帰化植物」ばかりが繁茂し、在来種はどこかへ押しやられている。昔懐かしい草の実をみつけ、ちょっとうれしくなって写真に撮った。

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