2013年9月14日土曜日

酸っぱい葡萄

野葡萄のような野生の葡萄は日本にも存在する。山で見たことはあるが
 『え!これがブドウか』
 というくらいブドウらしくない。黒っぽい紫の小さな豆粒のようである。栽培の立派なブドウは中東から地中海にかけてが原産らしい。

 そのためその地方には葡萄に関する格言がいくつも存在する。その中の一つ、ユダヤの格言にこんなのがある。

 『親が酸っぱい葡萄を食べたからと言って、子の歯が浮くことはない』

 酸っぱすぎて歯茎が腫れることかとも思うが、その心は?

 これは親が罪を犯したとて、子にその罪が及ぶものではない。逆に子の罪が親に及ぶものではない。ということである。これはユダヤにおいては昔からかなり厳格に適用されたようである。一方、日本は江戸時代まで連座制があり、罪については親や子に及ぶものであった。

 連座制が存在するのは封建時代だからだとか、個人の人格を重んじない時代だからだとかいう人がいるが、旧約聖書の時代から連座制のないユダヤの法習慣を考えると、封建だの人格を重んじないだの言うことよりもむしろ、ユダヤや日本の歴史・文化の違いのような気がする。

 今の日本に連座制はない。当然、子の罪が親に及ぶことはない。スッパリ割り切って、子は子、親は親。と云えればいいが法律で罰せられない連座制はなくても、『世間の目』という指弾がある。一人前に成長した息子が犯した罪を親が「申し訳ない」と謝るのは日本でよく見られる光景だ。逆にユダヤの格言なんかを引き合いに出して「子は子、ワイには関係おまへん」と世間に言い切れないのが日本だ。

 先日、モーニングショーの司会者MMの息子が窃盗容疑で逮捕された。すると日本津々浦々までマスコミが鉦や太鼓で吹聴するもんだから皆に知れ渡ってしまった。本人の名前の前には「あの有名な司会者MMの息子」というのが冠せられた。

 「これって、おかしくないか?」

 罪とはいえたかが窃盗である。地方版の三面の小さな記事が相当である。それを大々的な全国報道である。おまけに「親父があの有名人だ!」 親は責任を感じて涙し、世間をお騒がせして申し訳ない、番組もしばらく休みます、との対応。

 「う~~ん!日本では道義的な連座制はまだまだ続いているようだ」

 と、ここまではワイも建前の話し ホントのところこのMMかなり反感を持たれていたんじゃないだろうか。人は貧乏で不幸な人がもっと不幸になったら大いに同情する。しかし、大金持ちで傲慢なひとに何かが起こってもあまり同情心はかきたてられない。まあ、それが世間である。

 もれ聞くところによるとこの司会者の親父の稼ぎは時給100万円だとかいう。おまけに司会者をいいことに上から目線でお説教を垂れる。たしか『・・・親の顔が見たいね・・」と捨てぜりふを聞いたこともある。
 それに息子は人もうらやむ職業、東京の某キーTV局の正社員である。それが窃盗である。なんでそんな小銭を盗まにゃならんの?これでは親も子も同情を寄せにくいわなぁ。

 道義的連座を期待するのも子の犯罪に親の名前を出すことも間違っているとは思うが、これも世知辛い世間という現実だわさ。

4 件のコメント:

てるゆき さんのコメント...

みのさんTV中でセクハラしていますよ。息子も高給取りなのに、バカですね。長男もTBSにいますし。

みのさん えらそうに説教たれますね。

番組出過ぎ 自分だけでなく他人にも仕事を分けないと

もうそろそろ引退時期です。

まあそういう人を起用する日テレ、TBSも時代遅れです。

まあ政治家よりはマシですかね。

yamasan さんのコメント...

そうなんですか、テレビ局の内部事情をよく知ってますね。具体的に名前が出たので返事のコメントがし辛いですが、やっぱりみんなの反感が強いですね。
 

Unknown さんのコメント...

 祗園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、
盛者必衰の理をあらは(わ)す。
おごれる人も久しからず、
唯春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、
偏に風の前の塵に同じ。

        耳なし信一

yamasan さんのコメント...

しんちゃん、古典できましたか。
それじゃぁ、わたしも。今日は敬老の日ですがあえて

 『老いた麒麟は駑馬より劣る』

だらだらしがみついていてはだめですね。