2024年9月7日土曜日

阿瀬比から大根峠を通って平等寺へ

  以前太龍寺から旧遍路道を通って阿瀬比(阿南市)まで歩いたことがあった。ちょうど四年前である。また平等寺から薬王寺までの遍路道は何回かに分けて歩いていた。この阿瀬比から平等寺までの遍路道はまだ未踏であった。そこで昨日、この阿瀬比~平等寺の遍路道を歩いた。距離のうち半分は山道であるが、こちらの方が当然ながら時間は多くかかる。そう標高は高くないが大根峠をこえる道である。


 バスを二度ほど乗り換えて阿瀬比で下車する。太龍寺のある山が向こうに見えている。見えている山には昔、弘法大師が悪龍を閉じ込めたという岩の窟があった。しかし近代になって石灰岩採掘のため切り崩され、山の岩が露出して無残な姿をさらしている。この辺りは石灰岩地層地帯なので良質の大理石も採れる。国会議事堂の大理石もここの産出だ。


 バス停から大根峠越え平等寺までの遍路道をゆくが、その道に入るとすぐ遍路小屋(休憩所)がある。途中いくつかあるだろうと、ここでは休まず遍路道を行ったが、なんと山道には休憩所などはなく平地に降りるまでなかった。


 路傍にこのような頭が三角形をした特異な墓があるが、これは昔、遍路をしていて行き倒れて亡くなった人の墓である。村人の有志が遍路の慰霊供養のため墓をたてたのである。昭和十四年とある。



 下のような道を峠を目指して登っていく。

 大根峠はこのようなところ、眺めは良くない。ここから下りが始まるというだけのところ。

 山から平地に出るあたりに遍路休憩所「大根庵」がある。ここで一服して水分補給をする。

 この山道は標高はあまり高くないが、木の根が大蛇がうねるように道にせり出しているところがあり、何度か蹴躓いた。平地に出るとやれやれで、歩くのも楽で「歩」が進む。

 のどかな田園地帯を歩く。桑野川が見えてきたあたりから川に沿って行くと平等寺が見えてきた。平等寺を参拝した後、新野駅から汽車に乗って帰った。阿瀬比で降りて約7kmの歩きであった。

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