2022年9月22日木曜日

曼珠沙華陀羅華

 地球温暖化で季節感覚が狂い、それに応じて植物も狂い咲きがみられたり、咲く時期がずれたりしている。しかしそれにもかかわらず、このヒガンバナはたいしたもんだ!彼岸を迎える頃、例年どおりにその花が咲き、アチラコチラで目を楽しませてくれるようになっている。葉っぱも何もないところに急に棒のような茎が伸びその先にド派手で大輪の真っ赤な花をつける。その花は畦や原野に突然のように出現するため、特に我々の目を引き、秋の彼岸の風物の最大の特徴となっている。また彼岸の墓参りに古い墓地などにおまいりするとまるで葬殮(そうれん・葬儀)を飾る花のように墓地の草地にたくさん咲いている。子ンまいとき祖母から「あれは葬殮花やから、綺麗ぇても摘んだり、ましてや花瓶に飾ったりしたらあけへんのでよ」と言われたことを思い出す。あんなに美しいのになんで縁起悪いのかなぁ、と不思議におもった。

 その不思議はいまでも持ち続けている。歳ぃいっていろいろなこの花の情報を知ると縁起が悪いといわれているのはたいした理由ではないことがわかった。理由は二つ、墓地や寂しい原野に咲くことが一つ、そしてもう一つは有毒植物であることである。どちらも花の美しさを毀損するものではない。

 この花は凶兆として見てはいけないと思う、マンジュシャゲを漢字で「曼珠沙華」と表記すれば、天上からの瑞兆(めでたく尊い兆し)として降る伝説上(仏典)の花と同じ名前で、けっして厭われるものではない。またこれは私一人の感想かもしれないが「マンジュシャゲ」は、文殊菩薩のご本名(〈マンジュシュリー〉mañjuśrī)に似ている。文殊菩薩さまは知恵の仏様で、そのご本名に近い呼び名のマンジュシャゲはむしろ花の名前として好ましく響くだろうとおもう。ちなみに私のご本尊はマンジュシュリー・文殊菩薩さまである。

 私はこのマンジュシャゲの花が大好きである。彼岸の前後わずかな期間だけ華やかに咲いたあと、それ以外の期間(ほぼ一年間)は全く目立たないこのマンジュシャゲだけに、この花が咲くと特に心を寄せて愛でたり、マンジュシャゲの歌を歌ったりそれにあわせて踊ったりと、少々狂う(季節の変わり目もあって脳に作用するのかもしれない)。

 11年前の私のブログからであるが、曼珠沙華が好き過ぎて、下のようにマンジュシャゲ風呂をつくって入って楽しんだこともあった。


 以下、今年のマンジュシャゲをご覧ください。

マンジュシャゲの花園(国府中学裏)


鮎喰川とマンジュシャゲ


マンジュシャゲと蝶(♪~はぁなが女か、男がちょぉぉかぁ~♪)


麻名用水とマンジュシャゲ


神社とマンジュシャゲ


お地蔵さまとマンジュシャゲ


汽車の窓からのマンジュシャゲ


廃線跡のマンジュシャゲ(鴨島駅引き込み線)


変わった色のマンジュシャゲ(リコリスといい栽培種、徳大薬草園前)

 なお今日のブログの題「曼珠沙華陀羅華」は(マンジュシャゲだらけ)と読みます。

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