2022年2月20日日曜日

冬季五輪も今日で終わり、で、ワイの雑感

  二週間にわたる冬季五輪が終わった。始まるときはあまり関心がなかったが、テレビのニュースでもネットでもこの話題を盛んに取り上げるため、私もだんだん関心が出てきた。こんまい頃から私自身、徒競走など先着で順位を決めるスポーツは極めて苦手であったため、スキー、スケート、など順位を競う競技にはあまり関心がない。

 私としては速さやタイムを競うものより、妙技や見た目の美しさ、を見せてくれる競技の方が断然面白かった。速さやタイムによる比較は客観的であるため疑問の余地なく順位は自動的に決定するが、妙技、見た目の美しさ、は主観的なものであるため、私が「いんや~。よかったわ。」と思っても意外と順位が低かったりする。

 そんな妙技、見た目の美しさ、で楽しませてくれたのがスノーボード(ハーフパイプ)、フィギュアスケートであった。え~と、もうはや名前わっせたわ、あ、平野あゆむ君や!23歳の今風の男の子のスノーボードで空に舞う姿、見てて感心したわ。カメラのアングルにもよるのだろうが、天空を背景に、まるで重力がないように自由自在にくるくる舞う姿は美しくて感動したわ。

 さてここで各国のメダル獲得順位表を見てみよう


 日本は冬季五輪史上最大のメダル獲得数ということらしいが、それでも全体の順位は12位、でもアジア地域では2位である。中国がアジアでは1位なのは当然であろう。メンツを大変重んじる国で、オノレのとこで開催しといてメダル上位になれないなんて絶対許されないだろう。開催が決まった6年も前から取れそうな競技は必至で特別強化訓練をしたのだろう。スピドスケートなどは短期強化訓練の成果が上がると聞いた。

 小国(人口)のノルウェイが1位だが私としては意外感はない。もともと冬季五輪の競技は大別して「ノルディック競技」と「アルペン競技」に分かれている。ノルディック競技はその命名でもわかるようにスカンジナビアのノルウェイ地方あるいはスエーデンの内陸部にあった伝統的なスキーの技が基本となっている。ルーツはノルウェイの文化風習にあるのであるから、メダルが多いのも納得できる。

 じゃあアルペン競技の故郷本場のスイスはどうかとみてみると順位は8位、アルペン競技の故郷とはいえアルプス山脈はスイスだけのもんじゃない。アルプスの高い山の峰は大体スイスの国境付近にある、ということはスイスと国境を接している国々にもスイスに劣らぬ峻険なアルプス山脈があるのである。その周辺の国々とは、南東フランス、南ドイツ、イタリア北部、オーストリア(ここはスイスに劣らず山国である)。つまりアルペン競技の故郷はこれらの国々に跨るといっていいのである。そうするとスイスに加えて、ドイツ、フランス、オーストリアもそうだからやはり競技発祥のルーツ国は強い。

 カナダ、米国もたくさんメダルを取っているが、国が広大でスポーツ資金も潤沢、アルプスに似た山もあるし、そこには一年中スキーが出来る氷河もある。そして欧州や世界から有能な人が移民してくるから、夏冬五輪ともメダル大国である。

 などなどと偉そうに解説していたら上表にある1~10位までの国がメダルに強い理由を説明してしまったように思う。

 冬の競技であるノルディック、スキー、スケートはすべて欧州あるいは北米がルーツである。それじゃあ強くて当たり前の気がする。それなら冬の競技で欧州以外で生まれたなんか競技はないか?もしあれば欧米中心の冬の五輪種目に入れることも考えたらええんとちゃうか。世界屈指の大雪の降る日本になんかないか?ありました。江戸時代の越後湯沢付近で生まれた鈴木牧之が書いて木版出版した「北越雪譜』に出てくる大雪を漕ぐ履物をはいて速さを競う競技なんかはどうでしょう。左の図絵の「かんじき」、十メートルに近い積雪という世界でもまずここ以外には見られない深雪を歩行するための道具です。私は雪の中の歩行と言いましたが鈴木牧之は「かんじきで雪の中を漕ぐ」と表現しています。2~3m積もったフワフワの新雪の中、これを使って競技するのです。まさに日本にルーツのある冬の競技となるんじゃないでしょうか。

 ただ実現性はほとんどないと思います。何せ、数メートルのフワフワの新雪(数メートルの新雪だから数メートルが一晩で降らなきゃならない)が降る所なんか、世界広しといえど日本海側の山岳地帯しかおまへんからなぁ。日本の新潟、秋田、山形、あたりくらいしか競技が開けまへんわ。でももし、かんじき競技があれば数メートルの深い雪をかんじきで漕いでいく日本人が金銀銅とるのはあたりまえ。(五輪の会場の雪はみんなシマリ雪・カタ雪です。今回の北京なんぞは雪がもともと少ないからかき氷みたいな人工雪でっせ)。

 フワフワの深さ数メートルの綿菓子みたいな新雪では体がズボット全部埋まってしまい、走るなんどという動作もできません、唯一進めるのが日本の最深雪で生み出された直径1mもあるかんじきです。これをはいて雪に埋没しないように、この絵のようにかんじきのヒモを手に握り、エイホ、エイホ、と調子を取り手を持ち上げて足と連動し、雪の中をまさに漕ぐように進んでいくのです。単に足の速いだけのものが早く進めるわけはありません。かなり熟達した特別の技量が必要となります。

 これ新種目としてええアイデアだと思う。ただ難しいのは、柔らかふんわか新雪が何mも降るとこなどは先ほども言ったように日本か、あるいは少し劣るが数メートルは積もるアメリカ北西部あるいはカナダの太平洋岸しかない。世界各国持ち回りの冬五輪は無理でも冬のスポーツ世界大会の「かんじき競争」は日本、アメリカ、カナダの太平洋岸でならできる。

 ところでもう一度先の各国のメダル獲得順位表見てくれますか、なんでこの国が入っていいひんの?ちゅう国が一つありますが気づかれましたか?冬のスポーツが盛んなのは北の先進国に多い傾向があるのはわかりますよね。そう思ってみるとこの表に先進国の代表グルプである先進7ヵ国が並んでいるはず、ところが一番下のイタリアまで数えてもG7は6ヵ国しかない、そう、イギリスがあれぇへん。

 今日午前中、テレビで対イギリス戦の「カーリング」を力を入れてみた人も多いはず。日本はイギリスに負けて銀メダル、イギリスは見事金メダル。さぞや他の種目も、と思いきや、なんとイギリスのメダル獲得順位はこの表にないずっと下の19位、今日の金メダル1個以外はあと銀1個のみ全部でわずか2個です。ちょっと少なすぎるように感じる。高い山脈もないし、イギリスのイングランド地方は多雪でもガチガチに凍る寒さでもないが、スコットランドあたりはけっこう山あるし寒いと思うが、なんか国民性もあるのだろううか。イギリス人は頑固だから、好きなもの嫌いなものははっきりしている、スポーツもそんなところがあるのかもしれない。クリケットは好きだが野球なんどは見向きもしない。そういや今日の唯一金メダルの「カーリング」の発祥地は調べたらイギリスのスコットランドだわ。

 競技としてのカーリングはスコットランドが発祥だが、氷上でカーリングのような丸っこい石を滑らす遊びは世界の厚氷の張る国ではどこでもあるようである。下のブリューゲル(16世紀オランダ)の絵は大変有名で誰でも一度は見たことがあると思います。


拡大図


 これよく見ると子どもが氷上でカーリングに似た遊びをしています。たぶんワイらが子どもの時にやったビー玉遊びのように当てて楽しむ遊びと推察されます。あぁ~、ビー玉遊び、懐かしいなぁ、今のこどもはしないだけによけい懐かしく思い出されるわ。ワイらの地方は人が上に乗れるくらい池に氷が張らなかったからビー玉遊びとなったが、厚氷の張る地方では、その代りの遊びとしてまる石滑りがあったのだろう。氷上はまる石が大変よくすべるからビー玉遊びも大がかりでずっとテクニカルなものになるだろう。

こういうのスキ

 閉会式をみてたらサモアの選手がまたムキムキの格好ででてた。東京オリンピックの時と同じ人かなと思ったら東京の時はトンガの国の人だった。さっぞや寒かろにと思ったが、気温は摂氏2.2℃、北京の冬の夜にしては暖かいというかこの気温やったらウチのあたりの今(夜)の気温と同じだ。でもサモアって南海の常夏の国やろによ~がんばって冬のオリンピックに出たんやな(スケルトン)。むかし「クールランニング」っちゅう南国ジャマイカ選手が冬季オリンピックに出るというおもろい映画があった。その時は南の暑い国が出るのは極めて珍しかったが今はけっこう参加する国はあるようだ(多くはないが)。順位は振るわなかったが冬季五輪の閉会式で最後にいいパッフォゥマンス見せてくれました。こういうのスキ。

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