2024年8月29日木曜日

風速40メェトル

   とうとう今朝8時ころ鹿児島県の川内あたりに台風10号が上陸した。事前の警告のように中心付近では最大瞬間風速が70mというからものすごい。息をするように強弱はあるが常時風速40mほどの暴風が吹いているようである。まともに風にぶつかりゃぁ家はバラけ、乗用車もトラックも横転しかねない。

 鹿児島そして九州地方が何とか無事にやり過ごすことを祈るばかりだが、ワイも傍観者ではいられない。こっちへもまともに向かっているため、人どころか己(オノレ)の心配をせにゃぁならん。

 まぁウチへ来るまでにはちょびっとは勢力が衰えるが、それでも最大瞬間風速は最低でも40m以上、最大風速は25m以上は覚悟せにゃぁならん。家はまさかバラけたりはすまいが、なにぶん築40年は経っているので瓦の一枚くらいは飛ぶかもしれん。洗濯干し場のビニルトタンが前の台風で半分飛んだままで修理していないので(ゼニがない!)、今回で全部きれいにめくれて飛ぶかもしれん。

 風速40mは近くに爆弾が落ちたときの爆風くらいの勢いがあるそうだから、破壊力もかなりすさまじい。この「風速40m」という語は、特に我々団塊の世代には印象に残っている。それは第二室戸台風(昭和36年)の時の経験から?いえいえそうではありません。古い映画での話で(昭和33年封切り)あります。昭和33年封切りといってもワイらの田舎(貧ちょ小マイ町だが映画館は当時何と二館もあった)の映画館は3番館か4番館なので封切りから1~2年遅れの巡回だったから昭和34~35頃(小学校3.4年)に見たのであろう、石原裕次郎主演のアクションドラマ「風速40メェトル」である。下がそのポスターである。


 近所の映画館でこの映画がかかっていたのは何日くらいか知らないが、子供たちの間で話題になっていたからわかるが、10日間もたたないうちにクラスの男子のほとんど見てしまった。というのも、朝授業が始まったら、授業中にも関わらず、我慢できず、昨夜見たその映画をジェスチャァで「みたぞ、みたぞ」と目引き袖引き、自分も見たことを皆に誇示したのである。だからまだ見ていない子は、親にねだって何としても見に行ったのである。(当時は学級の朝礼の会などはなく、ガキどもが駆け込みで教室に入るとすぐ先生の出席点呼と続いて授業が始まったので、授業前に自慢することはできなかった

 この「裕ちゃん」主演のかっこいいアクションドラマ(当然勧善懲悪、見た後スカッとするし、かっこいい立ち回りもあり、みんな裕ちゃんにあこがれたものである、そして男の子たちは悪人をやっつける裕ちゃんのアクションを真似したのである。)はそれくらい当時の小学生に人気があったのである。ワイももちろん見た。子どもだが風速40mというのはすごい暴風というのはわかった。映画の中で建物の被害が描かれていたかどうかは覚えていないが、裕ちゃんの、風雨にたたきつけられ髪の毛も頭もビショコになって、それでもカッコよさは変わらないどころか、いや増したのが印象深い。

 映画の中で台風の接近によって風速がだんだん危険な暴風に上昇していく象徴的シーンも印象に残っている。実際の風雨の映像ではなく、屋根に取り付けられた下のようなものがだんだん高速でクルクル回転する映像で風雨が強くなっているのを印象付けたのである。


 後でこれがその風速40mを計測する風力計というのがわかった。この映画で裕ちゃんがもちろん子供の心に最も強く残ったのは確かだが、この風力計も私は心に強く残った。そしてこの映画を見た後の夏休み、その夏休みが終わって、夏休みの宿題の図画工作の作品の展示が教室の後ろに並べられた時、私がアッと驚いた作品があった。

 なんとそれが「小学四年生手作りの風力計」である。今もちろん画像などは残っていないがイラストで示すと下のような構造だった。ピンポンの玉を半分に切り太い竹ひごで水平に回る風車を作っている。そして風速の計測で、なるほどと感心したのは回る風車の根元から垂直に下がった鉛芯である。回っていないときは糸は垂直にだらりと下がっているが回転が速くなると、遊園地の懸垂型の回る椅子や飛行機のように遠心力で、鉛芯のついた糸が広がっていく。その回転の速さによって遠心力が強まり、その鉛芯の角度は開くのでそこに目盛りを打っておけば、なるほど風力に比例した風速の計測ができるのである。


 しかし、なんぼぅ、裕ちゃんの映画で風力計を見たとしても、これを作り、おまけに風力の計測までできる夏休みの工作作品を作るとは、ちょっとこれはできすぎではなかろうか、という疑いを今は持つ、もしかして、お父さんがかなり手を貸して、いやもしかするとそのアイデアもお父さんかもしれない。もし小学校四年生で、だれにもアイデアや手を借らずにこんな作品を作るとしたら、この子は将来発明家になって居るんじゃないだろうか。ワイは同窓会にはほとんど出ないからどうなったかわからないが。

 ところでその最大瞬間風速40mをもたらすかもしれない、現実の台風10号であるが、最新の進路予報を見ると(下)


 31日の朝9時の中心位置がウチのすぐ南ちゅうのも不気味だが、24時間たった9月1日の中心位置が徳島県南部からあまり動いていない。つまりまた遅くなるということである。一応翌日2日には岐阜・滋賀あたりにいそうだが、今回の予想があまり当たらない気象庁である。どうかなぁ?と、気象庁以外で割と信頼度の高い欧州の予報システム「ウィンディ」(Windy)を見ると31日のあと、四国沖から紀伊水道南へ出ると迷走をはじめ、行きつ戻りつウロウロ定まらないと出ている。こうなるとウチらの地方は最悪、台風の影響が長期にわたる。一体どないなるやら。

興味のある方はネットで「Windy」を探してその予報を見てください。31日からの停滞、迷走は相当なものですよ。さてどないなるやら。

5 件のコメント:

Teruyuki Arashi さんのコメント...

人間は自然に勝てません。甘んじて受け入れます。

トナカイ さんのコメント...

ちなみにX(旧ツイッター)では、この台風キレイに温泉地域通って行って最後伊勢神宮参拝コースとか言われていたりする

yamasan さんのコメント...

>>テルさんへ
 ミクロや個々人を見ればそうかもしれませんが、今やAIがまったく違う、自然の影響を極度に受けにくい新世界を作る可能性も出てきています。人類にしたところで、地球のカタストロフィが起きとところで、惑星外へ人類は脱出し、そこで生き残る可能性もあります。そうなるとマクロの見方をすれば人類はもはや自然の驚異に影響を受けない存在と化すかもしれません。

yamasan さんのコメント...

 >>トナカイ君へ
 暑い中お元気でしたか。それにしてもこの台風11号、遅いわ、進路がわからないわで、気象庁の予報もずいぶんええ加減で評判を落としましたね。私は欧州の予報システム「Windy」を見てました、こちらの方が気象庁より予報はかなりあってました。そうそう、トナカイ君の好きな「ムー的」話をこの台風の進路に関し一つ。
 この発生地はマリアナ諸島、太平洋戦争の激戦地でした、その戦死した英霊たちが、現代日本のあまりにも情けない状況を見ていてもたってもいられず、台風に姿を変えて、日本列島縦断して「しっかりせぇよ日本」と警告を発しにやってきた。のでは?何やら「ゴジラ」の話と被りそうですが、これも妄想と片付けられないほど、今の日本、どうしようもないように見えますねぇ。

トナカイ さんのコメント...

うちと連絡している存在に聞けばそれはない むしろ、馬鹿馬鹿しいと言っておりますよ