2022年10月1日土曜日

ピンピンコロリがええな

 昨日から今日にかけて訃報を二つ聞いた。まず円楽さん、そしてアントニオ猪木さんである。ニュースにはかなりスペースをとっていたが、私個人で言うと、この二人というよりか「笑点」も「プロレス」も若いときから興味がなかったので、その中心人物であった二人の訃報を聞いても特別な思い入れはなかった。ただ訃報と同時に流れた円楽さんの最後の高座の落語を見たが、病後ということもあり、なんか痛々しかった。老いと病気にせせられたらこんなにまで衰えるんやなぁと思った。

 彼、若いときは楽太郎といった。若いときはイケメンとまでは言わないにしても二枚目半の、シュッとして落語家とは思えない、なにかテレビドラマに出てきそうな好青年の雰囲気を漂わせていた。徳島県人として印象に残っているのは、徳島のご当地ゴルフ場のCM(当然徳島限定だろう)によく出ていたのを思い出した。いわゆるシュッとした若い頃のことである。そのイメージが焼き付いているだけに最後の高座は痛々しかった。合掌

 歳ぃいくと避けることが難しいのは病気とボケそして肢体不自由の三つであろうか。死は例外なくみんなそこに吸い込まれていき避けようもないが、病気、ボケ、肢体不自由は個人差がある。むかしからお年寄りがよくいったのに、「ピンピンコロリ」あるいは「ピンシャンコロリ」で済ませたいなぁ~、である。ようはできるだけ健康でピンコシャンコ動いているうち、ある日急にコロリと死ぬ、ことである。病気、ボケ、肢体不自由の三苦がほぼないか、極めて短く済んで死を迎えることである。そんな願いからか大昔(おそらく平安時代あたりじゃないんかしらん)からいわゆる「ぽっくり地蔵」がつくられ信仰されてきた。ピンコロで死ねるように祈念するのである。(上は穴吹のぽっくりのおっぞうさん


 究極の選択でその三苦のうち一つをどうしても取らにゃぁならんとなったら、どれにします?私ならボケかなぁ、でも生まれつき頭のいい人なんかは理性や頭脳の明晰さがなくなるのは耐えられないだろうから、ボケは絶対避けるかもしれんなぁ、バイデンじいちゃんなんかはボケと言われているが、みるからにいいボケをかましているようだ。できたら陽気なボケ、先ほど起こった嫌なこともまるで猫のようにすぐ忘れるボケがいいな。でもボケても不安や恐怖を常にかかえているボケもあり、そんな老人は表情にも苦悶が現れたりしている。そんなボケは嫌だな。

 あぁぁ、やっぱりピンコロが一番いいわ。一つだけそのピンコロを自分に引き寄せる方法がある。三苦の前に、あるいは三苦がいよいよ猛威を振るう前に自死することである。でもこれはこれでいろいろ問題もある。川端康成はんや三島由紀夫はんなんかは三苦をうまく避けるため自死したんじゃないだろうかと私は疑っている。 

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