今日は6月の30日、明日からは7月だ。ちょうど一年の半分が今日で終わることになる。
「あ~ぁ、一年も半分過ぎたわ、早いもんじゃな、一年なんぞアッちゅまじゃわ」
と言っている人もかなりいるんじゃないかな。だいたいこんなことを言う人はお年寄りが多い。私もその一人だ。若い人は「一年なんぞ、アッちゅうまじゃ」なんどとあまり言わない。若者は毎日いろいろなことがあり、年寄りげぇな平坦な日々を過ごしているのではない。青春には山あり、谷あり、恋も失恋も、そして程よい冒険も。しかし年寄りはちゃぁう、年金暮らしになり、仕事から離れると毎日変わらない日が続いていく。病気さえせにゃぁ、平安っちいやぁそうなんやけんど。
この、「あっちゅうま」は歳ぃいくとなぜか強く感じるようになる。切ないのは年寄りは人生残り少ないのに、あっちゅうま、に時が過ぎればすぐ「死に時」がくるではないか!若者の真似をして、というより自分が若い時、そうであったことを思い出し、青春真っただ中のように、毎日を充実して過ごせば、ぼんやりと時の急流に身を任すこともあるまいとはおもうが、知力、体力、気力が思うにまかせない。まぁ、年寄りっちゅうても個人差がある、中には若い衆に負けない充実した日々を送っている御老体もいらっしゃるだろうが。
今日、6月30日は昔から「夏越の大祓」の神事を行った日である。大昔は平均寿命も短かったし、伝染病なども流行して、「ああ、無事に時が過ぎた」というのに一年の刻みはちょっと長すぎる気がする。そこでちょうど一年を半分に切った前半の最後の日、「ああ、半年、無事に時が過ぎた。そして残り半年も無事であるように」を祈念したのが夏越の大祓であろう。
正式には大祓とあるように、神社の御神域などで禊(みそぎ)をしたり祓えをしたりするのだろうが、昔から庶民は「茅の輪くぐり」をおこなった。有名な神社なら少し前くらいから「茅の輪」を作っている(旧暦の6月の晦日もおこなうのでその日まで残しておくようだ)
大滝山の祇園社(八坂神社)の「茅の輪」
祈願の作法も書いてある。私もその作法通り祈願した。(水無月の夏越の祓い、つまり今日、茅の輪くぐりをする人は千歳の命を延ぶと書いてある)