2019年11月24日日曜日

神山に行ったこと

 4K・8K徳島映画祭が22~24日まで開催されている。開催地は(都会人から見れば)四周山に囲まれた奥山の雰囲気が漂うところ、そして開催会場は小学校の廃校舎、「まぁ、なんで!よりによって、こんなところで!」と思ったが、神山町は町や県が力を入れてITを押しすすめていて、過疎地起死回生のいろいろな試みをやっている町と聞くから、たぶんそんなこともあってここで開かれるのだろう。昼すぎに到着し会場の旧校舎にしつらえてあるテーマごとの各ブースを回った。ゴーグルつきのヘッドギアのようなものをかぶってみる立体的映像や360°のスクリーンなどなど、興味深いものもあったが会場全体に入っている人が少ないため、どれも閑散としていた。ただe-スポーツコーナーは子供や若い子がいて賑やかだったが、そもそもわたしなどはe-スポーツの意味さえ分からない。なんかテレビゲームのようだが、どう違うのだろう?

 旧校庭の隅の銀杏が色づいていた。

 そのあと、来たついでに神山森林公園まで足を延ばしたが途中、車道と遍路道がクロスしているところがあり車で走っていたのだが私は助手席に乗っていたので表示に気が付いた。建治寺という寺には行ったことはないが、以前、人形浄瑠璃で建治寺霊験記を見た覚えがあって、「阿波の鳴門・巡礼おつるの段」以外にも徳島が舞台の文楽があったことと、その時まで知らなかったお寺にこんな霊験記があったことに驚いた記憶がある。

 「ああ、ここに巡礼道があるのか」

 たのんで車を止めてもらい、遍路道をみた。ここから1Kmちょっとの距離である。時間があればここに車を止めて参拝したいが、限られた時間だし、私一人ではないので、それはできなかった。

 文楽を見たのはかなり昔なのであらすじは忘れていた。帰ってネットで検索すると以下のようなものであった。やはり霊験記の一つである。文楽好きの人で壺阪霊験記は知っていても建治寺霊験記などはほとんどの人が知らない。それもそのはず、長い間(100年くらい?)上演されていなくて最近復活上演したそうだ。

あらすじ

実録 建治山御法之花 -貞阿上人猪行場の段-

忠蔵と左代の兄妹が、仇敵を追って敵討ちの旅にでたのが三年前。長い旅路のはてに弘法大師のお告げを聞き、阿波の霊場十三番札所大日寺奥之院建治寺にやってくる。
そして、建治の滝で滝行をしている宿敵石川藤斎に巡り会うが、藤斎は人々に崇め慕われている貞阿上人その人であった。仇討ち装束に身を固めた兄妹は、滝行をする無心の上人に後ろから斬りかかろうとする。目に入る「正道頓悟居士」と彫られた背中の入れ墨。それは亡き父の戒名であった。そのとき、天にわかにかき曇り雷鳴轟く雲の彼方から、建治寺の本尊蔵王大権現と亡くなった父正作が現れる。父は兄妹に、藤斎のこれまでの所行を語って聞かせる。故意に殺めたのではないこと、返り討ちにしてくれとの書き置きはお家再興を奮起させるためのものであったこと、正作の戒名を入れ墨にまでして菩提を弔っていたこと、大勢の人々に功徳を施し幼かった兄妹のことはかたときも忘れなかったこと、再仕官をさせるため無抵抗で討たれる覚悟をしていること等々である。真実を知らされた兄妹は、仇敵藤斎憎しの考えを改めて、藤斎の功徳に感謝すると共に、悲願であるお家再興を胸に秘め、心静かに国元へ帰っていく。

 霊験あらたかな「蔵王大権現」さまであるようだ、是非一度参拝したい。 

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