先日のブログで石井町高原の新宮本宮両神社を取り上げた。熊野系の神様の神社をこの間からアッチャコッチャまわっているのだ。行った神社でもし熊野神社と呼ばれていれば名前からしてまさに熊野の神さんなんじゃけんど、熊野の神さんは、実は・・・とかいって本地が仏さんだったり、呼び名を代えたりしているのでややこしい。この新宮本宮神社というのは名前を聞いただけで熊野の神さんじゃとすぐわかる。熊野の神さんの鎮座する地名になってるからだ。また○○王子という神社名も熊野系の神さんの可能性が高い。熊野権現さんは多くの眷属というか御子神さんを従えていて、熊野古道にある九十九王子(たくさん小祠がある)神社、若王子神社など王子の名がついているがこれらは熊野系の神さんになる。
同じ大字・高原に王子神社というのがある。新宮本宮両神社の西に隣り合う氏神様だ。この神社も新宮神社と同じくらいの規模の神社である。今日、その王子神社に行ってきた。王子神社というからには先に述べたように熊野系の神さんかもしれない。境内に神社の由緒書きでもあればわかると思っていったのですがそのようなものはなかった。
樹齢を経た立派な御神木が何本もありますが、なんと残念なことに半数近くは切られて切株のみになっていました。切り株が残っているということはそう昔に切られたものではないでしょう。なんとか鎮守の森の木々として残してほしかった。残念。
それでも樹齢800年を越えるクスノキがありました。
結局、熊野系の神様かどうかわかりませんでした。帰ってネットで調べると、祀られているお神さんは『トヨタマヒメ(トヨタマビメ、豊玉姫)』さんです。この神さん(女神)昔、古事記を読んだとき出てきました。確かトヨタマヒメはん、腹ボテになって子を産みそうになるのですが、夫が指折り数えて、嫁はんとやったのがいついつ、そしてもう臨月、計算があわへんがな、こいつワイの種とちゃうな、と疑いを嫁はんにぶつけた、すると、なにゆうとんでぇ、あんたの子ぉやがな、ほんなに疑うんやったら、潔白を証明するわ、ちゅうて、産屋にこもりなんと自ら火をつけ家も身も火に包まれ、ウッチャが潔白やったら、ウチも子ぉも火傷一つせんと無事やからな、よぉぉぉ~~見といてや!つうて母子ともに無事にお産したんやった。
ゴッツイ女神はんや、そのお神さんを祀ってるんやな。あ、ちなみに夫は、古事記をもとにした絵本なんかで結構知った人も多い、海彦、山彦の山彦はんの方です。この産んだ子ぉのまた子ぉが初代神武天皇やからトヨタマヒメはんは初代天皇のおばあちゃんや。
ということでは熊野系の神さんとはまず違うということがわかった。でも女神で古事記ではヒメなのになんで王子という神社名なんやろ。ネットではこの神社は王子神社のほか別名が三つあって
〇豊玉毘売神社
〇玉子神社
〇烏の森神社
一番上の名はトヨタマヒメそのものの名だから頷ける。そして二番目はトヤタマヒメの玉からきていると思われる。古事記ではトヨタマヒメは子と一緒にセットで火の中から出現するため、玉(女神さん)と子とで玉子じゃないやろか。そしてさらに推理すると将棋の玉将が王将に変化したように玉⇒王になったんじゃないやろか。最後の烏(カラス)の森という名前は、境内に今も残るいくつかの立派だっただろう御神木の切り株から推すに昔は小暗い鎮守の森だったことからきているのだろう。
創建年代は不詳といわれているが、かなり古くからの神社と思われる。下の立派な狛犬さんは享和の年号だから220年ほど前に作られている。また同じ境内にある地神塔(六角柱の石の棒)は寛政の年号があった。
拝殿と本殿が分かれていて本殿は瑞垣で囲われ禁足の御神域になっている。地元のおばはんに聞くと拝殿では昔は巫女神楽が行われていたそうだ。
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