2012年4月7日土曜日
新しい図書館
新しい図書館移転のため、3ヵ月近くあった返却期限が今日の7日である。20冊近い大判の図書本を南京袋のような大きなお買い物袋に入れ、列車に乗った。本は非常に重い。それがたくさんあるので歩きながら運ぶのは一苦労である。おまけに腰のヘルニアも再発している。
「まるで、終戦後のかつぎ屋みたいだ」
などと、現存する人の中では80歳以上しかわからない、独り言をつぶやく。
今度の図書館はアミコビルの中にできている。6階とは聞いているが、どこから入ってどう行けばよいかわからない。しかし、まあ、6階のフロアには違いないから、とりあえず、正面から(駅向かい)から入りエスカレータで6階まで向かう。
6階には図書館の表示も出ていて連絡通路を通って図書館へ入って行った。下は連絡通路の入り口である。
サラピンの図書館は気持ちいいくらい清潔で明るい。前と違って視聴覚機器も多く導入されているし、備え付けのPCが何台もあり、使用できるようになっている。
私が最も気に入ったのは、眉山に向かったベランダに作られたオープンスペースである。まるでおしゃれな喫茶店のようである。事実、透明なガラス板の向こうに見えるその喫茶店のようなオープンスペースを見た時、係りの人に思わず、
「この向こうって、喫茶店か何かですか?」
と聞いた。係りの人はにっこりして
「いえ、図書館の一部分ですから、どうかご利用ください。」
こんなところです。
世の中は、今、桜満開で、みんなトチ狂ったように花見に出かけているせいか、こんな素晴らしいところなのに利用者はまばら、
やまさん、気兼ねなく、一人で丸テーブルを占領しました。見えてる本とリュックは私のモノ。
見たらわかると思いますが、木の床、そして周りは、熱帯のコロニアル様式(植民地様式)の建築のポーチのように観葉植物がたっぷりぷりぷり!
本を読む精神活動の環境に極めてよろしい。
むこうは観葉植物の生垣のようになっている。
そして眺めが抜群、観葉植物の向こうには眉山が正面に見えている。満開を迎え、山のところどころがピンクになっている。
まことに素晴らしい図書館ではあるが苦言も言っておく。
これは以前から顕著であるのだが、「市民に愛される図書館」を目指すあまりか、規則を破る人に対して、ここ近年、ずいぶんゆるくというか甘くなって、係りの人も言わなくなっているのである。
公務員任用の専門司書でなく、人材派遣の時間750円のパート司書が中心になっているので仕方のない部分もある。前にこの若いパート司書さんが利用者から罵詈雑言を浴びせられるのを何度も目撃した。時間750円のパート司書にしてみれば(私がその立場だってもそう思う)
「やってられるか!」
であろう。できるだけ目くじらを立てず、まあ、目立たないなら、お目こぼしとなるのであろう。
また歴史のことを言って恐縮だが、本来、図書館は知的アリストクラシーのものであった。歴史上有名なものは古代アレキサンドリアの「大図書館」、中世日本の「金沢文庫」、人類の知の集大成である各種の本が収蔵されていて、それを利用できるということは知的特権階級のものであった。そのため、その保存維持には並大抵でない注意が払われている。「知」に対し、言い換えると「本」に対して敬意を払わないような輩は、知的アリストクラシーとして認められなかったし、門を入る資格さえなかったといっても過言ではない。
いまさらこんな歴史上の時代錯誤な「図書観」を言うつもりはないが、今でも「本」に対する敬意は払うべきであると、私は思う。
「市民に愛される図書館」は「市民が本を愛する」ことと同じであると思うのだがどうだろうか。歴史上ああ~だこうだ云々を言うだけでなく、今日でも欧米の図書館・博物館・美術館のような「知」や「美」を愛するところにはそれに伴う「厳格さ」がある。また、欧米の司書や学芸員は厳格であると聞く。
新しい図書館になって、いい方に改まることを願わずにはいられないが、見ると若い女性が自習禁止の雑誌コーナーで国家試験か何かの受験テキストを開いて勉強しているし、おまけに机の上には飲食物禁止にもかかわらず、ストローを突き刺した紙パックの飲み物が、シレ~とおいてある。
見たとたん非常に嫌なものがこみあげてきた。
「あああ~、新しくなっても前とおんなじか。」
そんなにいやなら
「お前が注意せぇ~~~!」
といわれそうだが、こんな若い女の子に注意して
『睨みつけられたり』
『無視されたり』
『ハァ~~~~~、と上がり気味に小馬鹿にされた返事を聞いたり』
するともう、心臓が次の鼓動を打つのをやめそうなので、恥ずかしながらようしません。
で、見ながら、出るのはため息ばかりなり、でおます。
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2 件のコメント:
すごくいい所みたいですね。今度、暇な時にでも行ってみます。もし、(((^^;)
いいですよ、このオープンスペース、気に入ると思いますよ。
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