2012年3月10日土曜日

やまさん中世を歩く その14 弘安二年春京の都にて


 こんばんわ、今は弘安二年(西暦1279年)、春、場所は京都・因幡堂、夕食も済んだ今、お籠り堂(夜通し仏事を行う)に私、しんちゃんことのぶかず様、情事姫三人にお集まりいただいて鼎談したいと思います。
 かくいう私は遊行僧、いっぺんであります。あ、いっぺんといってもあの一遍さんじゃありませんよ。私は「一変」という名のエキセントリックな坊主でございます。


  私はジョージ姫、もともと京都出身なんだけれど、ちょっと京都にいられぬ事情があって各地の霊場を回っています。今晩は東国へ向かう途中、京都に寄り、京都の父の縁故によって今夜はこの因幡堂に泊まるのでございます。
 あ、そうそう、行っておかなければなりませんね。前のブログの私の従者、あの白い着物を着た女は、私の乳母です。だから従者は3人、私を入れて4名の旅です。 

 拙者も従者を入れて4人だから、同じでござるな。わしも東国の鎌倉へ行くところじゃ。この京には六波羅探題があり、身内も奉公しておるからそのあたりで泊めてもらえればよいのだが、今夜は信心の為、このお堂に泊まっておる。
 ところで御坊、我らに何か話がござるのかな。

はい、今夜、このお堂の別棟には一遍様という坊様が泊まっておられます。実はわたくしは800年の未来から来たものでございますが、今夜の一遍さんに起こった出来事や、この因幡堂について未来の人にお話をしなければなりません。
 何せ、未来人ですので勝手がわかりません。できましたらお二人に解説のお手伝いをお願いしたいのでございます。

 あ~ら、なんか面白そうね。私はいいわよ。



 拙者も特に異議はござらんが、難しくないのか。何をすればよいのじゃ。



 いえ、何も難しいことはありません。場面場面で出ていただいて、思うことをしゃべっていただければそれでよいのでございます。
 お二人は中世に生きている方ですから、私が話をするよりずっと真に迫るのでございます。
 始める前に未来の読者の為にお二人にポーズをとっていただきたいのです。
 デジカメで写しますので。

 なんじゃそれは?



 ええまあ、瞬時によく似たあなたの絵姿を写し取る機械と思ってください。
 とりあえずと・・・・・・
 「あ、姫様、しんさまの横後ろに、そうそう・・あ・結構です。」
 「写しますよ・・・・はい、チーズ!」

 まあ、そっくりね。
 でもこれ何に使うの?

 ブログ読者へのプレゼントですよ。
 ちょっと3月3日は過ぎましたがね。なかなかいい写真が撮れました。




 読者プレゼント永久保存版ひな人形写真
 
 さっそく今夜の因幡堂を案内していただきましょう。お二人さんお願いします。

一遍とか申す坊主が泊まるとか言っておったが、我らのほかに客はおったかのう?


 ほら、汚い格好をしたお坊様ですよ。そうそう最初は、寺の僧たちがこんな修行者は寺の内には泊めないといって建物の一番外にある縁に泊めたんですよ。

 おお、思い出した。ちょうどこのようにな。

ちょっと!それじゃあ、まるで乞食扱いじゃありませんか。この人も乞食でしょ。ムシロを被って寝ていて、横にお貰いの赤いお椀が置いてある。哀れだわねえ。
こんな、扱いだったの?

そうなんだ。しかし、そのあと不思議なことが起こったんじゃ。どんな不思議なことって?それにはまずこの絵から説明を始めよう。


哀れ一遍は寺の縁に泊まることとなったが、その夜、堂とは別の屋敷に住まているこの寺の長吏(寺の最高責任者)の夢枕にこの寺の本尊が現れて
 「尊い聖をこのように扱ってはいかん」
と示されたのじゃ。
上図の左は、夢のお告げで急いで寺に向かい、一遍を丁寧にもてなすように命令しに行くところ。深夜の為、お稚児さんが松明で足元を照らしている。 下は拡大図


 ああ、それで夜中頃、寺の僧侶がばたばたと準備してたのね。そうこのように、畳をはがして一遍の寝所を作ったりしてたのね。
そう、それで一遍は堂のうちに入れられ、長吏の覚順と対面したわけだ。一番最初の絵の右側ね。
私たちのようにゲスト扱いしてくれてよかったわね。でもねえ、「のぶかず」さま、いえ、しんさま、縁の下に寝てる人、この人たちは一番哀れですよね。
そうだね。でも見て御覧、寝顔は平安そのもの、なんか楽しそうに寝てるよ。決して苦痛にゆがんだ顔じゃないよ.


きっといい夢でも見てるのよ。


縁の下で思い出したけど、縁の下に可愛い犬の親子がいたわ。まだ、いるかしら、あら、いたいた、赤い舌を出して子犬を舐めてやってるわ。子犬も甘えてクンクン言って。幸せそうねぇ。

しかし、そんな幸せいつまでつづくかな。無常の嵐が吹けば・・・・我らとて



そうねぇ、この世は無常、唯一真なるものこれ仏かな、どう?しんさま、夜は長いのだし、その一遍さんの部屋行ってに法話を伺ってみない。


うん、そうしよう。



 こうして因幡堂の夜は更けるのでありました

2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

ついに夜の法話ですね。たのしみですが、この対話形式の説明はわかりやすくていいですね。作るのは手間がかかって大変だと思いますが、それをサクサク作っているのはすごいですね。そのうちやまさんにも、出版依頼が来るかも!その暁には100万部うれて億万長者ですね。すごいな~(^o^)/

yamasan さんのコメント...

もうやりたい放題、恥かきもなんのそのしょ~もない駄文を書きまくっております。
 辛抱強く読んでくれているのはしんさまだけ、感謝しております。
 でもしんさまも苦笑しておられると思いますが、文才などどこを探しても私にはありません。文で一円でも儲けられることなどないでしょう。
 一番印税で儲けるのは推理作家の西村京太郎といってましたね。この人も駄文と思うのですが、大衆推理小説は下手な文でもいけるんですね。
 しんさま、一緒に推理作家目指しますか?