2012年3月19日月曜日

やまさん中世を歩く その21 藤沢の片瀬の浜で


 3月1日に鎌倉入りの途中北条時宗と出会い、鎌倉の制外の場所で念仏行を行ったが、もうその翌日には現在の藤沢市の片瀬の浜に一遍一行はいた。
 ここでしばらく滞在し、道場で念仏踊りなどやっている。この道場で3月の末に極めて不思議な、現代人には信じられない現象が初めて起こった。絵巻の原文でいうと

 『・・紫雲たちて花ふりはじめけり・・』

 皆さんどう思います?疑り深い私などは、一遍さんのそばにいる誰か、演出家が「スモーク」を焚いて、用意した花びらをこっそり高所から降らしたのだと思うのですが。
 あまりの不思議さに一般の人が一遍さんに聞くと一遍さんは

 「花のことは花に聞け、紫雲のことは紫雲に聞け、わいは知らん」

 といったそうですから、一遍さんのあずかり知らぬところで誰か特殊演出をしたのかもしれません。でも聖者のまわりにこんな役割を持つ人が集まるようだとちょっとどうかな?とおもいますが、ま、ここは、絵巻の言うように信じましょう。

 下は片瀬の浜の道場での踊念仏です。

 この高床の道場で念仏踊りに熱中しております。また見る人もその熱気にのまれているようです。琵琶法師までもがやってきています。
 柱にしがみついてるガキは、ステージに上がろうとしているのか、それとも近くで見たいのか。今のロックコンサートにもこんなガキがいますね。

 この踊り狂う人、熱い吐息で見る人、そして、この場面に紫のスモークが流れ、ミラーボールの七色の小さな光の粒が花のように降ると、どんな印象を受けるでしょうか。
 私は

 「おお、これは中世のデスコじゃ、デスコじゃ」

 で、上の場面をパロディってみました。

  踊る人見る人ともにエクスタスィーになるような踊りってどんなんだったんでしょう。
  ロックコンサート会場か、はたまたデスコか、

 集団熱狂、踊りに酔いしれる人々、いくら中世とはいえ現代でいうカルト的な傾向を示していますが、実はもう一つカルト的な面がこの教団にはあるのです。とはいっても中世の宗教はどれでもそういう傾向は持っております。そのことでこの時代、この教団の良し悪しを言うつもりは毛頭ありませんのであらかじめお断りしておきます。次回はそのことについてちょっとお話ししましょう。

2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

一遍さん、片瀬の海岸で念仏踊りやってたんですか・・・、何人くらいで踊っていたのか知りませんが、壮大なカタルシスだったんでしょうね。近くに処刑場もあるみたいですし、無念仏も参加してさぞかし盛り上がっていたのではないかなと思いました。(^.^)

yamasan さんのコメント...

しんさまこんばんわ。

 いつも、しょうもないブログに毎回の丁寧なコメント、恐れ入ります。

 このコメントで教えられました。この近くに処刑場があったんですね。誰か有名な人が処刑されたんでしょうか。って、今、コメント中断して調べたらわかりました杜 世忠、北条時行、日蓮などが処刑されたんですね。
 お蔭でかしこくなりました。さすがこの辺りは詳しいですね。

 またこのあたりの歴史地理でわからないこと教えてください。