朝から今日は一日雨、午後になってさらに雨脚が強まる。まだ小雨の状態の午前中に買い物に街に出た。家の中で退屈するから今日もDVDを借りることにした。
私の街には大きなレンタルビデオ屋さんが3軒もある。値下げ競争が始まったのか、私がよくいく店はこのあいだから旧作全品50円で借りられる。
今日はあらかじめ見たい作品の心積もりがあったので迷わずその1本を借りる。実はこの作品、もう1年以上前に見ているのである。
「それなのになぜ?」
昨夜ある人にこの作品を推奨したのである。もちろん一度見たから勧めたのであるが、今から振り返って考えてみると肝心なところが頭に残っていないのである。
映画としての筋はもちろん残っている。しかしこの映画にはそれ以上の見どころがあるのである。その観点からみれば
「一度見ただけではダメだ。」
でもう一度借りてみることにしたのである。いやもしかすると数度見なければならないかもしれない。それならば一週間借りられるから、じっくり見られる。
前に見たときはアクションものの娯楽性の強い作品というように解釈していたため、日本語吹き替えバージョンで見た。
しかし、この作品、オリジナル言語はなんと「マヤ語」。マヤ帝国とその辺境が舞台だから確かにマヤ語というのは理解はできるが、映画としてその言語でつくれるか、というと話は別である。
普通、ありえない。世界が市場のハリウッド作品ならば迷わずオリジナル言語は「英語」になる。ところがこの映画の監督はこだわりが強く、本物のオリジナルにこだわったのである。前にもキリストの最後を描く作品に当時のキリストが喋っていた言語といわれる「古代アラム語」を使用したのである。
まずみるまえに「マヤ語」とはいかなるものかちょっと調べた。
中米ユカタン半島あたりで使われたいた言語でネイティブアメリカン(インディアン)言語の語族である。
母音構造は我が日本語とよく似ていて5母音。
RとLの区別もなさそうである。これも日本語と同じ。
子音も英語にくらべれば単純で日本人が発音しやすい。
文法構造、語彙の構成、は調べたが専門家でない私にとって難しすぎてわからない。
マヤ人たちは数万年前、氷河期の最中、アジアの北方から移動した「古モンゴロイド」の子孫であるといわれている。縄文語やアイヌ語とその「祖語」(先祖の言語)が同じかもしれないと前々から思っていた。
北海道を何か月も旅行した時に、あちこちの博物館でアイヌ語を聞いたことがある。こういった言語は理屈より、実際耳で聞いた方が
「あ、これは親戚関係にある言語じゃ」
と感覚で判断できるかもしれない。また私の古いDNAの中に残っている縄文の響きがよみがえるかもしれない。などと思いつつまず第一回目を見ることにした。
今、15分ほどマヤ語を聞いた。インスピレーションはないが、確かに英語よりずっと親密に我が耳に響く。私には朝鮮や中国語より近い気がする。
映画のキャストはほとんど無名の人である。それもそのはず、エキストラを含めネイティブが多い。
顔やお尻丸出しの体形を見ても、われらアジア人の親戚。
いやむしろアジアの中でもとりわけ日本人に近いと思う。日本人は古モンゴロイドの血を引く人が多く、大陸のアジア人に比べ、蒙古襞(目の上の脂肪の襞)が少なく、二重瞼が多い。マヤ人の肌や男ではあるけれどカラスの濡れ羽のような長いつやつやした黒髪をみてると異人種を見てる気に全然ならない。
これは文化人類学的観点からみた感想。
もちろん娯楽映画作品であるのでフィクションもある。しかし、見つつ調べ、かつ勉強しつつ、どこが本物でどこが間違っているかなどと批判的に見られる映画としては最高である。
まだ見はじめて15分であるが、一週間、マヤ語、文化人類学、文化、などをお勉強させてもらおうと思っている。これで50円は安い。
申し添えると、マヤは「文字」を持っていた。解読が難しいようである。珍しい20進法をとり、0も知っていたといわれ、数学もかなり発展していたようである。
天文暦、金星暦というのを聞いたような気がするが、この映画を手掛かりに今言ったような文明の中身も知られればいいが、それは今わからない。
2012年に世界の終末を予言する。とマヤの関連でいわれているが、どの文明圏でも終末論は語られる。その一つとして私は見ている。
この映画の一番最後で、その文明の終末を招く象徴的なことが待っているが、今は言わないでおこう。
題「アポカリプト」
1 件のコメント:
「アポカリプト」僕も50円で借りて、さっき見終わリました。そのあと自分のブログの投稿を済ませ、やまさんの投稿を見るとなんと、同じテーマでした。それもそのはず、昨晩ご推薦をうけたDVDですから。
さて、この映画はウイキペディアにあったようにマヤとアステカの文明を混同してたりして、事実からはかなりアレンジが進んでいるように感じますが、そんなことは気にせずに、吸い込まれるような感じで、一気に見てしまいました。映像もきれいで、私好みの風景です。生贄は前準備として知っていましたので、衝撃的ではありましたが、スンナリ受け入れることができました。事実関係とかは別にして、いい映画だと思います。映画の意味はじっくりかみしめて、じっくり結論を出していこうと思っています。ご紹介ありがとうございました。
コメントを投稿