2011年12月12日月曜日
初恋の味ってどんな味
列車の中で飲もうと缶コーヒーをコンビニで買った。いろいろな種類があるが、興味を引いたのでこれを買った。
コーヒ系の缶飲料だが、初恋の味らしい。商品名は『初恋ブレイク』、キャッチコピーは
「甘く、ほろ苦い口どけ。」
初恋の味といわれるとなんとなくわかりそうな気もするが、よく考えるとホントに初恋ってこんな味?と思ってしまう。
甘い、だの、ほろ苦いだの、しょっぱい、あるいは酸っぱい、味にはいろいろある。いくつか混ぜ合わさった微妙な味もある。はたしてどれがぴったりするのか。
古くは大正か昭和の初め頃、カルピスが新発売されたとき、
「初恋の味」
という宣伝文句で有名になった。大昔、乳酸飲料など知らなかったわれらの曾爺さんくらいの世代にとって初めての乳酸飲料は、甘いがちょっと酸っぱく切ない味だったのだろう。これが初恋のイメージに当時としては合ったのだろう。
なにせ、男女7歳にして席を同じくせず、の時代である。中等学校からは男女別である。手を握ったこともない者同士が、ちらと見る、ような形での初恋が多かったのだろう。
恋というより
「お慕い申しております。」
などという感じが近いんじゃないだろうか。
そのような感情を、当時としては高級でハイカラな飲み物の味として初恋の味に結びつけたのは、なかなかセンスがある。
ともかく、このカルピスの味が初恋の味といわれる最初となる。
時代は下り、私が中学時代のときある歌が流行った。幼馴染で初恋をし、そのまま大きくなって結婚。といううらやましいような恋の歌であるが、この味が
「青いレモンの味」
として歌われた。
ふんふん、これもわかる気がする。
未熟で、酸っぱくて胸キュンか~
まあいろいろな味の表現はあろう。
しかし、初恋って、一生にたった一度しかない初めての恋だけど、どの人も明確に印象に残る形であるとは限らない。人生をさかのぼり異性に好意を持った初めてが初恋か?と聞かれると好意と恋の線引きは難しい。
こういう場合、たいていはそのときは初恋なんて思わない。何年、あるいは何十年もたって、
「ああ、あれは初恋だったんだぁ~」
と思う。だが何年もたった回顧の形で「初恋」を自分で認定するのは、本当の初恋を体験したものだとは言えまい。初恋に対するあこがれ、恋い慕う心性がそうさせたのかもしれない。
このような何年もたった時から振り返る「初恋」はしたがって空想的物語的な要素が入り、浪漫的なものになる。
こんな半ば作られたイメージの初恋はちょっと刺激的な嗜好品の味に例えられる。上の缶コーヒの
「甘くほろ苦いも・・」
この意味で一般化されうる初恋の味となる。その下の説明コピーで
「初めて出会う新感覚」
というのもいい。そりゃあ、初恋は初めて出会う新感覚だわさ!
多くの人は明確に初恋を意識しないと書いた。それだから、嗜好食品に勝手に初恋の味と銘打って臆面もなく我々に押し付けるんだろうけど、中には少数だけど初恋の深い印象が刻まれている人もいるだろう。
そんな人から言わせると初恋の味は実にさまざまで、思いもよらぬ味だというかもしれない。
人によれば初恋の味は
「豚骨ラーメンの味」
だという人がいるかもしれない。
初恋というと何か初々しい少年少女が主体だと思いがちだが、両方お互いが初恋とは限らない。源氏物語の光源氏は少年で初恋であったが、その相手の義母は当然初恋ではなかった。
少年が熟女に初恋をする、大いにあり得ることである。源氏は亡き母の面影から初恋をしたが、こんな動機はいくらでもある。これでも少年にとっては初恋である。
そしてこういった恋はかなり深い印象を少年に刻む。そしてその味も強烈になる。相手は熟女である。淡い淡白な初恋で終わらない可能性がある。
考えたくはないが熟女が積極的に出て、手練手管の肉体関係、青い少年の性をもてあそぶ・・・
で、この少年にとって初恋の味は
「しょっぱくて、きわめてコク(性的に)のある豚骨スープの味」
となる。
まあ、要するにホントの初恋を体験したものは「初恋の味」はいろいろで、われら想像もつかないような珍味もありうるということです。
私のように「初恋」に恋し、浪漫的なイメージ先行の上記の缶コーヒなどに初恋の味を味わうのが多くの人じゃないでしょうか。
そういう人が多いからこそ「初恋の味」だのと言って繰り返し繰り返し商品が出てくるんでしょう。
今日、城山の山道を散策してると初々しい高校生がデートしてました。
この二人の距離!いいですね。こんな時代も私にあったと思いたいです。実際に初恋かどうかはともかく、この二人の時代は
「初恋の時代です。」
などと考えながら二人を見ていたら何か胸がキューンと
「心筋梗塞かしら・・・」
コーヒと恋の歌入れておきます。コーヒブレイクしながらお聴きください。
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4 件のコメント:
西田佐知子ですか、なつかしいですね、声は違うような気がします。初恋に関しては私も同感です。人の期待願望を上手く商品にしていますね。城山では私もとびきり美しい女子校生を見ました、美少女が、池の上の飛び石を跳ねている姿は絵になりますね、脳裏に焼き付いて離れませんです。(((^_^;)
メーカーも上手いネーミングをしますね。
コーヒー美味しかったですか。
>>しんさま
はたから見てうらやましいような奥様がいらっしゃっても他の花に目移りする。美しいものを愛でるのは人の本性ですから、当然ですね。
でも、くれぐれも手折らないようにしてくださいね。なんか、しんさま、女子高生から慕われそうな気がしますが・・・危ない危ない (^_^;)
>>てるさん
いまいちでした。なんでこれが初恋の味になるのか?という疑問がこのブログの動機でした。
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