2011年12月1日木曜日

宵闇迫れば、悩みは果て無し


 いよいよ今日から12月。カレンダーを破くのもとうとう最後になった。町ではクリスマスソングが早くも流れ、年の暮の雰囲気をかきたてている。

 ずいぶんと日が短くなった。今日のように雨もよいの曇り空ではなおのこと増々短く感じる。一年で最も日が短いのは今月の22日の冬至であることはみんな知っているが、それじゃあ、夜が訪れるのが一番早いのも冬至かというと、そうではない。
 今夜、そう今夜から5日くらいにかけてが夜が訪れるのが最も早い(つまり日が西に沈むのが最も早い)のである。

 先ほどまでパラついていた今日の午後6時。もう真っ暗である。外景と同じ暗いこころを抱いて蔵本駅前に立っていた。
 徳島からの列車での帰り、普段はまず下りないのに今日は蔵本駅で途中下車した。なぜか?
 停車のため速度を落とした列車の中から、真っ暗になった蔵本駅前のいかにもわびしそうなイルミネーションが見えたのである。

 最近は個人宅でも派手なイルミネーションを飾ることが流行している。競うような満艦飾の家を見て歩くひともいる。
 イルミネーションは派手であるほうがみんな見てくれる。あたりまえである。

 しかし、私はなぜか、蔵本駅前の白と青の寒々とした蛍光を放つ地味でわびしいイルミネーションい魅せられ、衝動的に列車を降りてしまった。

 6時過ぎというのに駅前には人はほとんどいない。寒さとさみしさが急に募ってきた。

 「衝動的に降りるんじゃなかった。」

 後悔したが次の下りは25分後だ。駅前を少し歩く。
 なんでこんなわびしく、まるで遠い山中に散在する民家のまたたきのようなイルミネーションにみせられたのか?

 思い当たることは半月前から続いているある苦悩である。

 「宵闇迫れば 悩みは果て無し 乱るるこころに 映るは・・・」

 そんな詩があったっけ。

 時間をつぶすため駅前を歩いた。6時台であるのにまるで深夜のよう。悲しいほどにしみいる夜景を写メールで撮った。


4 件のコメント:

てるゆき さんのコメント...

この間 蔵本駅の近くにあるJA会館に試験に行きましたが、ずいぶんと寂れていますね。何かもの悲しそうです。

でも、これが人口減少県の徳島の現状でしょうか?

Unknown さんのコメント...

こんなイルミネーションあったんですね。知りませんでした。今日は6時前に起きましたが、6時過ぎても真っ暗でした。暗闇が深いほど、灯火の価値が大きいですね。人類も早く、明るい未来への一筋の光を見つけたいものです。蔵本駅前はその象徴かもしれませんね。ピラミッドがそのキーなのかもしれませんよ。ヽ(^。^)ノ光.

yamasan さんのコメント...

>>てるさん

 人々は家の中にいるか、車で移動しているか。ともかく道をとぼとぼ歩く人は少なくなっています。
 6時台ですが夜が早く、急速に冷えるこのごろ、みんな家路へいそぐんでしょうね。

yamasan さんのコメント...

>>しんさま

 年々派手になるイルミはそもそもはクリスマスの電飾から発展したんでしょうね。貧しい昭和三十年代はツリーに色豆電球が数個。しょぼいものでしたがそれでも楽しかった。
 明かりはあふれても幸福度は比例しないものなんですね。

 夜勤の仕事だと夜の長さに敏感になりますね。
 ちなみに夜が明けるのが一番遅くなるのは冬至を過ぎて1月に入ってからです。