2011年5月26日木曜日

ゲンタとデンコのよい子の科学~ほうしゃのうの話~、ほう、ほう、ほうじゃの~

 今日はゲンタとデンコさんに先生になってもらって小学生・中学生むきの放射能の話をしていただきます。
 しかし、先生というより、おバカな漫才コンビが似合うお二人ですから、有意義なまとまりのある話ができるかどうか疑問です。
 まあ、これも、言いたい放題のボヤキとして捉えた方がいいんじゃないかと思います。
 科学知識も専門家から見たらかなりあやふやなところもありますが、とりあえずご登場願いましょう。


ぷんぷん!

なに?なんなの、ゲンタ、怒ってるの?


最近のニュースのことです。放射能のこと。あれじゃやまるで放射能を「悪魔視」してますよ。むやみやたらと恐怖を煽るもんで、日本列島が放射能悪魔教のオカルト状態。まあ、じじいや、ばばあはほうっておくとしても、将来をになう青少年に悪影響が出ないか心配しているんだ。
よくいうわよ、あんたが原子炉の緊急冷却に失敗したからこんなことになったのに、反省はないわけ?実際、放射能が漏れ出て、それって体に悪影響するんでしょ?

いや、それも含めて、はたして客観的に冷静に放射能のことを見れているか疑問なんだ。こんな時だからこそ、僕はお願いしたい。小学生・中学生に放射能についての科学教育をうんとやって欲しいと思うんだ。
 このままだとわけのわからない恐怖だけが青少年の心に残りゃしないか心配なんだ。
それって、放射能について、科学的に教えろって言うことでしょ。そうすればいいんじゃない。

いや、科学的に教えればそれでいいってもんじゃない。もちろん科学知識は必要だけれど小・中学生にはそれ以上に科学に対する「ロマン」を植え付ける教育をしてほしいんだ


なに?放射能にロマンなんてあるの?

いや、放射能が切り開いた原子のロマンなんだ。小中学生の科学教育からロマンを取ったら絶対ダメなんだ。

ロマンねえ。男って意外とロマンチストなところがあるのね。でも、文学的すぎない?これ科学教育でしょ。いくらガキ、いや違った、小中学生相手でも。

ねえ、ねえ、自分が「電気」として誕生した時のことをよく考えて御覧。
古代ギリシャで琥珀(コハク)を暗闇で絹や毛でこすったとき、スパークが飛び闇に青白く光ったでしょ。銀の匙をくわえこすった琥珀を近づけたとき、火花とともに口に電撃・痛みが走ったでしょ。
 摩訶不思議な現象で、初めは霊的な現象だと思われ、人々を不思議がらせた。古代ギリシャ人にとって大いなる興味の対象となって「電気」というのもの探求が始まったんだ。それは摩訶不思議なものを極めたいというロマンから始まったといえないかい。
そうそう、そんなロマンから私が誕生したんだわ。
じゃあ、放射能の始まりにもそんなロマンがあるわけ?

それは「ラジューム」の発見から始まるんだ。
 19世紀、科学者はメンデレーフの周期表の空欄になってる元素の発見に血道をあげたんだ。単体抽出は無理と思われていたアルカリ金属(Na,Kなど)もデンコさんの力を借りて、具体的には発明されたばかりの「電池」を使った「溶融電解」によって、銀白色に輝く金属として発見された。それが19世紀初め。
 そして19世紀も終わるころには重金属の新元素が続々発見されるんだ。この発見のインパクトが人々の想像力、ロマンを掻き立てたのは、今の新素粒子発見になぞらえられるね。
 そして「ラジュウム」が発見されたのは、もうあと2年で19世紀も終わろうとする頃だったんだ。
ラジューム発見がロマンなの?


そう、その発見がロマンの扉を押し開いた。
ラジュームそのものは銀白色の金属で普通の重金属の元素と思われるけど、それは驚くべき性質を有していたんだ。
その単体の元素がそれのみで、常識では考えられない強いエネルギーを発していたんだ。
こんなことは他の元素では考えられない。
 たとえば「鉄」、ここに鉄玉があるとする。これはそのままではエネルギーなど発しない。
 外部から1000度近い熱を与えてやると、真っ赤に灼熱してしばらく(外気温と同じになるまで)熱光エネルギーを発する。
 もう一つは鉄粉にして酸素で燃やせば花火のように派手に燃え、やはり熱光エネルギーを発する。
 つまり、「鉄」がエネルギーを発するためには、
 1、外部からエネルギーを与え、高いエネルギー状態にしてやる。
 2、化学反応によって外部にエネルギーを発する。
しかし、ラジュームは何もしなくても延々、エネルギーを外部に向けて放出し続けるわけなんだ。
 これは、19世紀のエネルギーの認識では考えられない摩訶不思議な常識を疑う現象だったんだ。
 「この、エネルギー、どこから来ている?どこといったって、本体(元素)内部しか考えられない。どこに、こんなエネルギーの源があるんだ?わからん????」
 みんなこんな疑問を抱いたと思いますよ。
ちょっと、ゲンタ、ゲンタ!
あんた、アホと思っていたら、ずいぶん難しいこと言うじゃないの。
ラジュームが出す、そのエネルギーってどうゆうこと、延々エネルギーを他に依存せず自分が出し続けるって、それ夢の永久機関エンジンじゃない。
 もっと具体的に言ってよ。
例えば、氷をそばにおいてやると急激に解ける、これは熱エネルギーが出ている。蛍光物質をおいてやると励起され光を発する。これは光エネルギーとなる。

えー、なんかちまちましたエネルギーなのね。実験室が白熱して燃え上がるエネルギーじゃないのね。

女の子なのに恐ろしいこと言うね。問題はエネルギーの大小でなく、収支の合わないエネルギーが、半永久的とみられるほど延々放出されるという、不思議、疑問なんだ。エネルギー保存の法則、不滅の法則が危機になるかもしれない大変なことなんだ。

あ~、もどかしい!結局、そのエネルギーはどこから来ているの?


さあ、それが謎で、まさにロマンなんだ。
どう考えても、元素の中、この時代まだ構造も明らかではない、原子そのものから発しているとしか考えられない。
「なんで、こんな強力なエネルギー源が原子の中から?」
この時代、まだ、アインシュタインの「エネルギーと物質が等価である」という法則は見つかっていないから、なぞ、ロマンは深まるばかり。
 しかし、科学者の中でもロマンチストは考えただろうな~、これはきっと、将来有益に使われる、宇宙的か原子的か、名称はまだどうでもいいが、根源的エネルギーかもしれない。と
だから、ああん~、どうなのよ?

にぶいなぁ~、ラジュームから延々発せられる目にみえないエネルギーの放射が・・・・・
『放射線』であり、その能力を持つのが『放射能』なんだ。
 その発見は従来とは格段に違う大きな原子力の最初の一歩と言ってもいいだろう。
そういえばその発見から原子物理学がより発展したと聞いたことがあるわ。

放射能・放射線は20世紀の科学の(量子力学、)扉を開けた案内人なんだ。
不思議なエネルギーの放射、そしてそれを発する元素、人類の前にそれが現れたとき、我々は果敢にそれと格闘し、その本質を確かめようとしたんだ。
 だから、今、むやみに青少年に放射能は恐ろしいものという、先入観を植え付けて欲しくないんだ。
 科学的な知見を持ち、危険は危険と認識するのはもちろんだけど、もっとロマンを語って科学を小中学校で教えてほしいな。
ロマンで飯は食えんわ。
学校はもっと有用なこと教えてほしいわ。
ロマンなんか重要でないわ。

結局、それかい!
ああ、お前と話していても徒労じゃ、ワイ、もう寝るわ。
 ほう、ほう、ほうじゃの~、それがええ。

地域限定のダジャレをいうな!

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ゲンタとデンコの漫談、イケてますね。そもそも原子力とか核融合がなぜエネルギーを出すのか知りませんでした。調べたら原子は壊しても作ってもエネルギーが出るんですね。建物を立てた時も、
壊した時も、ゴミが出るのと同じですかね?

さて、最近知ったのですが、もうすぐ太陽活動のピークの時期に入るみたいです。磁気嵐の大きさとタイミング次第では、地球上のICチップのほとんどが壊れてしまうそうですね。そうすれば世界中の全ての原発が止まり、その後コントロールできなくなり火を噴くと言ってました。そもそも原発だけの問題ではすまないですが、考えただけでも恐ろしいです。

Unknown さんのコメント...
このコメントはブログの管理者によって削除されました。
yamasan さんのコメント...

 >>hcin5057さんへ
 宇宙的カタストロフィにかかってはすべて無駄、太陽は生命の源、でもちょっとくしゃみでもしようものなら、終わりですね。

 原子炉については、撤退という選択でなく、より安全な技術を日本が開発して、かかわっていくべきと思うのですが、
 中国はますます炉を増やし、絶対やめるつもりはありません。中国製ですから壊れて偏西風に乗れば、今以上に恐ろしいことに、
 安全な原子炉基準を日本が作り、その技術も広めていくのがいいような気がします。

 人の倫理では、よいことは他人がやらなくても自分が率先してやるのが至上命題ですが、こと国際政治・力学がかかわる原子力の問題は、残念ながら、倫理からはなれて、むしろ、ゲーム理論のようなシビアーさが必要かもしれませんね。