歴史が好きな私としては、歴史本などよく読む。教養本が多いが。たまには史料も読む。
アカデミックな本好きと「歴史小説」好きとは共通するのだろうか。歴史を学問として真面目に研究している人々なんかは、「歴史小説」だからといって特にそれを好むものではない気がする。
しかし、私のように趣味や教養として歴史を勉強するものには、歴史小説好きは多いのではないだろうか。もちろん私は大好きである。
私のような素人の歴史好きにとって、史実はもちろん動かせないものではあるけれども、歴史にイフを持ち込んだり、史料からはうかがえない歴史の空白部分を想像するのは大変楽しいものである。
だからイフや想像力をもとに歴史上実在した人物に焦点を当て、創作した小説をよく読んでいる。
また、時代劇も好きである。最近は映画館に行かなくてもDVDを安く借りられるので新作、旧作を問わず家で見ている。
さて、その時代劇である。以前からよく言われていたが、時代考証がお粗末なものがおおい。ただあまり時代考証が忠実すぎるとドキュメンタリーのようなものになってしまい「時代劇」とはならないといわれる。
時代劇に出てくる鬘や着物、履物、身の回りの小物などは一定の「様式化」されたものである。何かの本で読んだが、これらは「歌舞伎」の時代物から映画やTVが学んだものだそうだ。
昨夜、最新の時代劇映画のDVDを借りてみたが、女性の化粧の時代考証の正確さに驚きました。
題『十三人の刺客』、主演、役所広司他。
まあ、百聞は一見に如かず、映像から撮った写真を見てください。
武士の若妻です。
時代考証の正確さに驚く以前に、昔の既婚の若い女性のあまりにもコケティッシュな魅力に、やまさん、うっとり、ほとんどエクスタスィーを感じてしまいました。
妖しさ、妖艶な美、神秘、神々しさ、いやいや、違う、なんといって表現していいかわかりませんが。
「これぞ、まさしく、江戸の既婚女性の美しさ」
そうなのです。武士の妻など既婚女性は
眉毛を抜くか剃ってしまいます。そして、ここが大事ですが、鉄漿(お歯黒)をします。
眉はつるつる、歯は真っ黒、口を開けると、深い穴のように、ぽっかりと暗渠のような口になります。
「え、え、なんですって!不気味じゃ、ってか?」
それは平成のモダンな化粧風俗に「毒されている」からです。
美女の化粧法である、「眉剃り落とし。鉄漿(お歯黒)」は平安時代から明治まで千年にわたって続けられてきました。たかだか数十年のモダン化粧法なんかと重みがちゃいますわ。
日本人のこのような伝統的な化粧法がやがていつか復活することに期待したいです。日本人の顔にはもっとも似合うと思うのですが。
ともかくも女性の化粧の時代考証の忠実さに感心し、昔の化粧の美に魅せられた映画でした。
2 件のコメント:
初めまして。プレゼンのためお歯黒について調べていたらたどり着きました!この女性、とても素敵ですね!全然不気味ではありません!
初コメントありがとうございます。
私は歴史が好きなだけで専門的なことは知りませんが、化粧の時代考証、特に鉄漿は気になっていたことです。
かなり時代考証に忠実と思われる映画でも、鉄漿はほとんど見たことはありません。
「美」が売り物の女優さんが嫌うのでしょうね。やろうとしても女優さんから総スカンではないでしょうか。
素敵と言ってくれる人がいるのはうれしいです。
ちなみに、わたしのいる阿波の国では、昭和30年代頃と思いますが、蔵や家の縁の下などに鉄漿を作る壺なんかがまだ転がっていました。さすが、この時代する人はいませんでしたが、小学生の私が聞いた話では、昭和の初めくらいまでは江戸末期に生まれた古いおばあさんなんかはしてたと、昔話に聞いたことがあります。
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