2011年5月5日木曜日

しょうぶ湯 もも湯

 最近のわが町の銭湯は絶滅してしまったが、銭湯があったときは、今日は「菖蒲湯」の日であった。
 湯船にはしっかり縛った菖蒲の束が浮いていた。それを見るとなんか嬉しくて、ももぐりまわった記憶がある。葉は青々した長い形であり、根方の方が白くて、根方からは菖蒲が匂い立つ。
 これには独特の香気があり、私には超高価で芳醇な日本酒のちょっと刺激的な香気と似ていると思った。昔はアロマセラピーなどという小難しいことは知らなかったが、この香りをかぐと、効きそうな気がしたものである。

 子供の頃の銭湯の菖蒲湯は、実は今日ではなく、旧暦の端午の節句であったと記憶している。だいたい新暦では6月初旬から中旬になる。昭和三十年代の田舎では、このような節句はまだまだ旧暦でする場合が多かったのである。銭湯もその例に漏れない。
 ちなみに今年は6月6日である。梅雨の走りから入梅にかかるころで、蒸し暑さもだんだんに加わってくる。
 べとついた体をゆったりと菖蒲の浮く湯船に沈め、菖蒲湯を満喫した後、菖蒲の薫りを残しながらの湯上りは、気温湿度は季節的に高くなっているが、浴衣なんかを着て胸元をくつろげ、うちわなどをパタパタすると、たいへん気持ちの良いもので身も心もくつろぐ。
 旧暦の菖蒲湯がお勧めである。

 今日、市内に4つある「温泉」に電話して、「菖蒲湯」をしている温泉場があるかどうか聞いて、あれば、はりこんで行こうかと思っていた。しかし、上記のように季節感がいまいちであるのと、ミーちゃんやハアちゃんが菖蒲湯と聞きつけ、連休もあって、雲霞のごとく入湯客が押し寄せているに違いないと思いやめた。

 「バカバカしいもん。来月のホンマの端午の節句に菖蒲を手に入れ、自分の家の風呂で菖蒲湯しますわ。」

 「菖蒲湯」以外に「桃湯」って知ってました?
 夏の土用に桃の葉を入れたお湯です。
 暑気払い、あせも、主に暑い時期の皮膚病、病気に効果があるそうです。どこでも手に入る桃の葉っぱですから、これも自分ちでできますわな。
 桃の葉

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