2011年5月23日月曜日

雨が降ります

 昨日までは、日中は暑いくらいの陽気だったのに今日は一転昼になっても気温は上がらず、20度以下。おまけにしとしと雨が一日中降り続いている。

 外に出て湿気に当たると今日は震える。傘をさしては散歩もしたくない。
 子供の頃の童謡の詩が浮かぶ。

雨がふります 雨がふる
遊びにゆきたし 傘はなし
紅緒(べにお)の木履(かっこ)も緒(お)が切れた

 さすがに傘がないことはないが、ゴム長靴などはない。こんな小雨、ズック靴でもいいんだろうけれども数年前に買った980円のズック靴、底の摩擦のゴムが擦り切れ、つるつるした路面だとすべり転ぶ。おまけにあちこち破れているのか雨が染み込み、靴下が濡れる。適度に蒸れ湿気た靴の中は、肥しと同じ匂いをまわりに発散する。

 そのため童謡の詩と同じ心境だ。一言「レ・ミゼラブル」(みじめ~)
 
 さっきちょっと買い物に出た。水たまりを気にしながら傘を差し靴下の濡れを不快に感じながらヒョコヒョコ歩く私の横を、快適なエアコンをかけ、車が水しぶきを跳ね上げ疾走する。

 アメリカや日本では車など庶民の足で大多数がもっているが、それでも持てない人もいる。アメリカでは超貧困層に数えられる人である。日本は過密の都会地では所得と関係なく持たない人もいるようだが、日本でも貧困者かつ高齢者は持っていない人がたくさんいる。

 快適な車から雨の中、しおたれながら惨めったらしく歩く人はどのように見えるのだろうか。
 ここは1000年前の貴婦人清少納言さんに聞いてみましょう。随筆にちゃんと書いてありますから。

 この当時の車はご存じの「牛車」。4人乗りくらいで、ゆっくり、文字通り牛歩で牛がペカペカ歩き車を牽きます。
 彼女は参詣に牛車に乗って出かけています。その横をビンボー人の老人が喘ぎ喘ぎよたよたと同じ参詣の道をゆきます。
 そこで彼女、

 「あ~、貧乏ったらしいたりゃありゃしない。あいつらまで同じ寺に参詣するなんていやだわ~。」
 「できるなら、引き倒してやりたいきもちだわ~」

 さすが清少納言さん、率直に書いてますね。今だと、思っても口にももちろん文にもできまへんわな。

 ハンドルを持つと人格が変わり、短気、凶暴になる人がいると聞きますが、清少納言さんは、いまドライバーやったらきっと悪いように変わるんでしょうな。

 夕方になっても雨、近くの公園を少し散歩する。
 雨で人はいない。この地方の狸の民話をもとにした狸の石像がさびしそうに雨に打たれていた。
 
 石像の横に手で触れると民話の解説が流れる仕掛けの金属のセンサーがある。雨に濡れてONに入りっぱなしになっているのだろう、エンドレスに延々解説を繰り返している。誰も聞く人のいない公園に流れる繰り返し音声テープはよけいに雨の日の憂鬱を醸し出す。
~~きれい好きの狸は、3年もお風呂に入らなかった独り者のシンペイさんのことを心配し、だましてお風呂に入れてあげ、背中を流しました~~








~~ある夜、ドンガン、ドンガン、狸囃子が聞こえてきます~~











そして今、5時過ぎ、夏至まで一カ月もない頃だが雨が降り続いているため、すでに暗くなってきた。まだやみそうにない。童謡「雨」の詩の最後の節と同じ。

雨がふります 雨がふる
昼もふるふる 夜もふる
雨がふります 雨がふる

1 件のコメント:

koumei さんのコメント...

例の方のブログ拝見しました!
左メニューにある似顔絵…
よく似ていますね。
目が可愛らしいw