久しぶりの雨だ。朝の十時前にはぱらぱら降り出したが、ザーッと降るわけでもなく、小雨が降ったりやんだり、外出時は傘は手放せなかったが、昼は降っていない時が多かった。昼は気温も上昇して、歩いていると汗ばんでくる。
傘を杖のようにコツコツいわせながら、百均をまわり、パチンコ屋で飴玉をもらい、市役所ロビーで全国紙各紙を読み、目的地の職安いまはハローワークへ着く。
検索しているとこの間私が面接を受けた緊急雇用がまた出ている。私は落とされたが同時にたくさんの人が受けたのでその中から必要人員が確保できたと思っていたが、マッチする人がよほどいなかったんだろう。日付を見ると私が不採用の通知を受けた次の日となっている。
夜になっても降ったりやんだりの天気は変わらないが、傘を持ち反射タスキをかけて8時から夜のウォーキングに出発する。
ずっと雨も降らない乾燥した天気が続いていた。しかし、今晩は路面も黒く濡れている。家を出たときは降っていないと思い傘は杖にして歩いているが、街灯の下を通るとき光に照らされて小糠のような雨が見えた。肩に手をやると少し濡れている。ところが灯りに照らされた水たまりの表面を見ても雨によって乱されていない。霧に近い雨粒なんだろうか。
傘をさすほどでもない、すれ違う他のウォーキングの人も傘をさしていない。
ものみな濡れ、空気までもしっとりとした春の夜、歩くのはなかなか気持ち良い。気温の上昇と湿度は命を育み、動きも活発にさせる。鈍感な私の体も何となく春の夜のお湿りがもたらす作用に反応しているようである。
ところどころにある桜は満開でその下を通ると、黒く濡れた路面に散った薄桃色の花弁が張り付いている。そこかしこにある落花の占める場所は闇の舞台上に落ちるスポットライトのようである。
春は夜道でさえなまめかしくなる。
そうそう、皆さんこんなこと最近ありませんか、私だけかな。
春になった体の変化だからだろうか、このところ毎日のように明方、かなり明確でおまけに感情を高ぶらせるような夢を見るようになった。冬の間は、夢見た、という意識はあるがすぐ忘れて思い出せない淡いものばかりだったが、今日見た夢などは思い出そうとすれば、まるで映画を見た後のように細部まで思い出せる。昨日はいったん目覚め、二度寝をしたらつづきを見た。これも春が夢にまで及ぼす作用なのだろうか。
春の夜の 夢の浮橋 とだえして 峰にわかるる 横雲のそら (藤原定家作)
2 件のコメント:
お元気そうで¨
最近、疲れが抜けません。
今は疲労感はありますが、バイトは何とか続けています。
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