わしら時代のロック愛好家は、あのエレキギターの演奏の物凄いパワーに魅かれてその道に入ったものが多い。パワーというのは音量・音色のみでなく、演奏中の体を使ったパフォーマンスも含めてである。
あこがれは自分もそうなりたいと思うことと同じである。最初は中古のクラッシックやフォークギターを手に入れ練習するが、やがて無理してエレキギターを手に入れる。そうなるともう、エレキ気ちがい(あ!いかん差別用語じゃ、もとい)エレキ馬鹿になってロック道邁進という連中は多い。
私は幸か不幸か、エレキどころか中古のギターを買う金もなかったのと性格が温順でロック向きではなかったので、ロックに対してはただの憧れですんだ。
この時代のあっしらのロックに対するおもいで、あこがれ、を描いてまさに当時、団塊の世代がティーンエイジだった頃のロック青春グラフティーというのにぴったりの小説がある。読んでいて一々うなずける、まるでわがことのような高校生ロックバンド物語である。
これを読んでいる同世代のみなさん、追体験したかったらこの小説読んでみてください。直木賞を受賞した『青春デンデケデケデケ』芦原すなお作、です。
閑話休題(それはさておき)、学習ノートにもどる。
上の話しでもわかるようにロックとギターは切っても切り離せない最も重要な楽器である。しかし、昔からアンサンブル、バンドで用いられていたが、その中では、けっこう地味な楽器であった。
というのも、1930年代になると、ジャズはビッグバンドの時代に入る。ところがこうしたバンドでのギタリストの役割は、ひたすらコードを刻んで、メロディー・ラインをバックアップすることだった。管楽器やドラムスに比べれば音量の小さいギタープレーヤーは、フラストレーションを抱えていたのではないかと思う。
いくら良いソロをとったところで、周りに(もしかすると奏者本人にも)聞こえないのではどうしようもない。なんとか音量を増やせないものかと、アーチトップ・ギターのサイズはどんどん大きくなっていったが焼け石に水であった。
こうした状況の中注目されるようになったのが、すでにハワイアン・ギターで実用化されていたギター用ピックアップである。36年にアーチトップ・ギターにマグネット式のピックアップを組み込んだES-150というモデルがギブソンから発売される。
ES-150を有名にしたのは、ベニー・グッドマンのバンドでギターを弾いていたチャーリー・クリスチャンである。このギターで彼はサックスやトランペットにも負けないような華麗なソロを弾き、エレクトリック・ギターの可能性を世に知らしめた。
この後、P-90という名前のよりシンプルなデザインのピック・アップに置き換えられる。このP-90は、今も現役である。
この後、エピフォン、グレッチ、ベガといったメーカーもこれに続いた。ギターのさまざまなモデルにもエレクトリック・バージョンが登場する。
一方、弦の振動を直接ピックアップで拾うのならわざわざ共鳴胴を作る必要なんかないんじゃないか・・・ということで、木の板にピックアップをつけただけのソリッド・ギターも登場してくる。
最初に認知された量産型ソリッド・ギターはテレキャスターだ。続いて54年に発表されたのが機能美の極地ともいえるストラトキャスターだ。
テレキャスター、ストラトキャスターはその後のエレクトリック・ギターの方向を決めた重要な楽器である。
エレクトリック・ギター、もうわっしら世代になじみ深いエレキと呼ばせてもらおう。それがもたらしたものは、単に電気的に増幅された大きな音だけではない。
ロックのギタリストたちは、ギターとアンプのボリュームを目いっぱい上げて入力オーバーの状態にすることで、エレキ特有のサスティ~~~ンの長いひずんだ音が得られることに気づいた。
さらには音を加工するためのさまざまなエフェクターも開発された。また、低音を担当するエレクトリック・ベースも登場してくる。
さあ、いよいよロックやファンクの時代の到来だぁい!
2 件のコメント:
やまさんギターにまで範囲を広げてきましたね。しかし、サスティーンと言う言葉、なつかしいですね。ついでにハウリングとかディスト―ションとかいう言葉が出てくるともっと懐かしかったな~。
私の場合、当時テスコとかいう日本の二流メーカーのを中古屋さんで買ってきて練習していました。教材は「成毛滋のロックギターレッスン」とか言うカセットテープでツエッペリンとかパープルを弾いて練習するのでした。よってその影響が今も尾を引いています。ギターは途中で改造し、塗装を塗りなおしてしんちゃんオリジナルの世界に一台ギターになりました。あいにく、仲のいい会社の先輩がどうしても欲しいというので、差し上げましたので今手元にはありません。まだ大事に持っていてくれてるかな~。ヽ(^。^)ノ
しんさまはやはりすごいです。私はロックに対してはあこがれ、妄想、夢から一歩も出ませんでしたのに、実際にギターを手にして練習にいそしんでいたんですものね。
こういうのをカッコいいといいます。
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