2012年5月20日日曜日
小史学習ノート 24頁
パンクと新世代
グランジは、音楽的な意味でも歌詞においても、カリフォルニアのブラック・フラッグやデッド・ケネディーズといった一連のパンクやハードコア・バンドの盛り上がりの中から生まれたといえます。
このようなバンドは80年代になってもまだロックが反抗的で敵意に満ちた音楽であると信じ続けていた、一部の若者を取り込む力を持っていました。というのも、新世代の若者は、自分たちと考えが隔たっていると親に憎悪を抱いているにもかかわらず、実は、親の世代もまたロックで育ち、ロックを愛しているという耐え難い現実に直面します。
パンクが生き延びたのは、このような若者が支持したためでもあります。大人たちが反逆の音楽であるロックに親しむという状況を防ぐためにも、ロックは不快で聞くに堪えないような騒音にならざるを得なかったのです。
80年代半ばに、ヘヴィ・メタルから変化したスラッシュ・メタルが流行したのも同じ理由からでした。スラッシュ・メタルの中でも人気を呼んだのはメタリカでした。
参考曲・クリック
デッド・ケネディーズ『In God We Trust,Inc』
メタリカ『kill`em all』
グランジ
ロックは、時に停滞し、息も絶えそうになりますが、やがて生まれ変わり、エネルギーを再燃させてきました。90年代、ロックにエネルギーを与えたのは、シアトルやその近郊出身のニルヴァーナ、パール・ジャムといったバンドでした。
彼らの音楽は、一口に定義することのできない混合体です。スピーディーなエレキギターのパンク要素も、耳をつんざくアンプ使いのヘヴィ・メタル的な要素もあれば、ニルヴァーナのように、ビートルズのポップスに近いメロディーが脈打つバンドもありました。
アンダーグランドのクラブで力をつけた一連のバンドは、グランジと呼ばれる音楽スタイルを確立すると同時に、独自の行動様式やイメージも形成しました。彼らの歌は、挫折や極度の不安といった体験を語るなど、希望のかけらもない陰鬱な空気に包まれており、新しい世代の追い詰められた若者たちの共感を呼びました。
参考曲・クリック
ニルヴァーナ『ネヴァーマインド』
サウンド・ガーデン『Black Hole Sun』
パール・ジャム『Jeremy』
ビョーク
90年代アイスランドの女性シンガー、ビョークが頭角を現します。極めて現代的な試みと伝統音楽の形式への回帰がミックスされた音楽を個性的に表現しました。
ビョーク『Hyperballad』
新たな方向
90年代になると、エスニック音楽や世界各国のポピュラー音楽を発掘したり、あるいは再評価することにロック界の関心が集まります。下記のような(クリックで参考曲を提示)アーティストが先頭になり、世界の伝統音楽と最新のサウンドをミックスさせる魅惑的な構想を追求します。
デヴィッド・バーン
ピーター・ガブリエル
90年代日本では
ビジュアル系ロックが流行る。これね、私は不思議と理解出来るし、共感できる。いくらド派手な奇抜で度肝を抜く様なビジュアルでも、歌舞伎の驚くような化粧、衣装、フリになれたわっしの目から見れば・・・・・ビジュアルなんか見慣れたもんですわ~~~。
MALICE MIZER
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4 件のコメント:
このグランジという言葉は、実は最近知りました。この時期たしかにロックは停滞していた様に思います。よって私はこの時期のロックはほとんど聞いておりませんです。聞いていたのは、J-POPとかjazz,環境音楽、クラシックなんかを好んで聞いていました。日本の音楽業界は成熟期だったようにも思います。f(^_^)♪
私も初めて知ることばかりなんですけど、今日のブログのビョーク、いいですね。アイスランド出身というのも変わってますが、歌、それに個性的な顔がいいです。何かひきつけるものを持っていて、ブログを貼り付けながら好きになってしまいました。
ところで、女性とロックはどうなんでしょう。結びつきは矛盾ですか?
女性ロッカーというのは想像しにくいけど、ビョークのような女性だと私は許せます。
更衣室の女性ロッカーだと覗いてみたいです。
やまさんビヨーク気に入ったんですね。意外というかすごいというかセンスがいいですね。私も2004年発売の「メダラ」を聞いたときに圧倒されて、思わずツタヤにあるDVDを5~6枚借りて観ました。CDは全編ヴォーカルのみの斬新な作りで、ヒューマンビートを使ってのものすごいいインパクトのあるアルバムでした。聞くと深く吸い込まれるのですが、ちょっと息苦しくなる曲が多いので、その後遠ざかっていました。ビヨークくらいになると、ロックというよりか声楽家とか芸術家と言ったほうかいいように思います。日本との関係も深いようですし、また別のアルバムでも聞いてみようかと思いました。(*^^)v♪
今回、初めて知り、ヨウツベでいろいろ聞いてしまいました。アイスランド出身というのも面白いです。北欧の音楽のアーティストの感性って、何か日本人の感性に合う気がします。
未来を先取る音楽が案外、北欧や日本から生まれるかもしれませんね。
北欧は多神教の北欧神話や森が多く、日本人と通じるところがあるのかもしれません。
ところで、今、DVDで借りたスウェーデン製サスペンスの『ミレニアム』を見てますが、ビョークのような主人公、150センチの小柄な女性だけど、気に入り、筋も面白くて、結局、一部だけと思ってましたが、3部全部見てしまいました。
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