2012年5月17日木曜日
小史学習ノート 21頁
ロック界は、テクノロジーに対して常に愛と憎しみが入り混じった感情を持っていました。未来を先取りする新しい音楽に出会ったロックの発祥時、エレキギターは人々を夢中にさせる一方で、疑問も抱かせました。
70年代初めに発明されたキーボードも同様の受け止め方をされました。しかし、80年代の技術革命を目の当たりにした人々の不安や熱狂は、これらの比ではありませんでした。
この時期、日々高度になっていくシンセサイザーやサンプラーが導入されます。どのようなサウンドでも記録することができ、ミュージシャンの必要に応じて記録したサウンドを自在に操ることのできるサンプラーの登場により、音楽の作り方そのものが変化しました。それは次のようなものです。
『作曲しようという意志さえあれば誰にでも無限のサウンドの可能性が与えられ、特別な音楽の知識や才能は不要となりました。』
ロック時代は終焉に近いのか?
83年には、エレキギターの売り上げが一年間で37%も減少し、反対にシンセサイザーの売り上げは急激に増加しました。これにロック時代の終焉、という不安を感じた人もいました。
サンプラー
サンプラーは、マイク一つであらゆるサウンドやノイズをディジタル録音できます。ミュージシャンは鍵盤を使って、それらを自在に操るのです。
ドラム・マシーンとシーケンサー
70年代に登場し、80年代に入ってから普及したドラム・マシーンとシーケンサーは、いずれも電子音源で、ドラムやベースといったリズムセクションの代わりをするものです。これは革命的なことです。つまり・・・
『ロックバンドのサウンドを一人でも完璧に再現することが可能となりました。』
80年代のテクノ・ポップ
ビデオ・クリップの隆盛期、イギリスでいわゆるテクノ・ポップのうねりが巻き起こります。テクノ・ポップとは、踊れるリズムにのった電子サウンドの音楽です。
テクノ・ポップの礎はシンセサイザーでした。シンセサイザーを使用することによって、リズムギター、ソロギター、ベース、ドラムからなる伝統的な編成のバンドは不要となり、キーボードとソロヴォーカルだけのデュオが数多く輩出します。中でも有名なのがヤズーです。
数年おいて登場したのが、ペット・ショップ・ボーイズです。デュラン・デュランやスパイダー・バレーも、やはりテクノ・ポップの流れに属していたといえるでしょう。
心もち電子的なダンス・サウンドと、優雅さと非凡さ、レトロ感覚がミックスされた自分たちのイメージを大切にし、外見にも気を配るというのが、これらのグループに共通する特徴でした。
参考曲を貼り付けておきます。クリックしてお聴き下さい。
ローリー・アンダーソン『Home of the braveより』
ブライアン・イーノ&デヴィット・バーン『My life in the bush of ghosts』
ヤズー『Don`t Go』
ペット・ショップ・ボーイ『Alway On My Mind』
デュラン・デュラン『Wild Boys』
スパンダー・バレー『True』
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2 件のコメント:
ブライアン・イーノは当時難解でとっつきにくかったのですが、2年前、彼のアンビエント音楽が気に入ってAmbient1~3をまとめて買って聞きました。素晴らしいです!疲れているとき聞くと完全に寝てしまいますが、頭が冴えているときに聞くと深く入り込んでいきます。まだまだ聞いていないアルバムが多いのでもっと増やしていきたいと思っています。電子音楽というと淡泊にとらわれがちですが、そんなことはなくエモーショナルになったり高揚したりするのが不思議ですね。(^.^)
そうです!電子音楽だからと、軽く見られるのはおかしいですよね。
どうでしょう、しんさま、テクノポップで音楽をめざされては。テクノの方ではバンドも必要ないですよね。ボーカルが不可欠のような気もしますが、これも初音ミクのようなのもいますから、究極、しんさま一人でもできるんじゃないですか。
機材をそろえる経済的余裕があれば私でもやりたいです。
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