2012年2月9日木曜日
春は光から
昨日は日中でもずいぶん冷えた。今朝はあちらこちらで氷が張っているのが見られた。立春を過ぎてもこの寒さである。本格的な暖かい春が待ち望まれる。
一年の季節で一番過ごしやすい季節は「春」と「秋」であるといわれている。季節の中でこの2つの季節が好きな人は多い。
「あなたは、どちら?」
万葉の時代からこの「春」と「秋」の好み、優劣の勝負は歌の題材にもなってきた。春を謳歌する人、秋を賛美する人、それぞれに別れ、その季節を取り入れた歌で競ったのである。
まあ、お察しの通り、どちらも優劣つけがたく、
「春も秋もどちらもええもんでおまんなぁ」
と両方に花を持たせシャンシャンと手打ち・・・なんだけれど万葉集のこの春秋の競いを見るとどうも万葉の編者は「秋」に肩入れしているようである。
哀愁とか感傷が好きな人は秋を好む人が多いから編者もその傾向のある人かもしれない。
ところで春秋は過ごしやすく快適であるといったが、気温は実はずいぶん違うのである。春がずっと気温が低い。目安として春分、秋分をあげると平均気温にして十数度春のほうが低い。考えてみると春分の直前まで寒の戻りで、霜はもちろんのこと薄氷も張ったりするので春分がいかに寒いかがわかる。
秋のほうが人の快適気温にずっと近い。特に年寄ると晩夏から初秋のさわやかな暑さがとってもよくなる。
また春は風の強い季節でもある。思わぬ強風にあおられよろけたり、目に埃などの異物が入って不快な思いをしたりする。そして万葉の時代にはなかった「花粉症」も蔓延している。
というわけで現代で「春秋の競い」をやったら、やっぱり秋に肩入れする人が多いんじゃないかと思いますね。そういう私も秋のほうが断然好きです。
そうはいっても縮こまっていた寒い冬から、戸外での活動に適した暖かい春に移行するのを嫌う道理はありません。生き物も人も活動的になり、野山の自然が多くの花で満たされる春はやはりいいものです。また春は気分をうきうきさせますね。
昼過ぎてもそこかしこの影にはまだ氷が残っている。しかし晴れていて光が気持ちよさそうなので我が町の南の山の麓から流れてくる飯尾川沿いの畦道を歩きました。
風はまだ冷たいが前月と比べると光はグンと強さをましている。光が川面に反射してまぶしいくらいである。太陽も高度を上げ、自分の影もみじかくなった。これからは日もどんどん長くなる。
「春は光からやってくる」
土手沿いの水仙が春の陽光をたっぷり浴びて風に揺れていた。
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4 件のコメント:
早く春が来ればと思います。
僕が、徳島に帰ってきてから、この冬が一番寒いです。
なるほど、秋に軍配が上がるのもうなずけますね。私的には春ですし、世間的にも春だと思ったのですが、ワビサビの関係でしょうか、でも今豪雪で困っている人たちは、絶対春だと思います。(^^)
春は新年度の初めでもあります。お互い仕事の初めにもしたいですね。そういう意味でもいい春を迎えたいですね。
万葉集でも春に肩入れする人が多いんですが、額田王という女性が出てきました
「冬籠り春さり来れば鳴かざりし鳥も来鳴きぬ、咲かざりし花も咲けれど・・・」
と逆接で続いて、条件付きで秋に軍配をあげています。
古典においてもしんさまの言うように春を断然好む人が圧倒的です。秋の方が少数派です。
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