その彼の描いたアニメのキャラの影響を受けて、なんと黴菌(細菌)が主人公のアニメを見た。これが面白くてはまってしまった。題は『もやしもん』。結局、発売されているアニメ映画のDVDを全部借りてきて見てしまった。
漫画家ってほんとに素晴らしい感性を持った芸術家と思う。絶対、主人公にもキャラにもなりそうもない黴菌たちを見事に描いたのには驚きを禁じ得ない。
見ていると黴菌のいちずな生き方、ひたすらな黴菌人生がなんかかわいく見えてくるから不思議だ。こんな取るに足らない極限の小さな生き物に愛情を注ぐ・・こんなことが出来るのは一部の黴菌オタクではないかと思われるが、一般の人々、私も含めて、漫画を通してこれだけ黴菌にある意味注目させたのは大したものである。
この『もやしもん』を見て以来、私が黴菌たちに注ぐ目はずっとやさしくなったような気がする。
さて、ところで昨日の徳新の科学ニュースにこの「もやしもん」にも登場しなかったような、「おぶけかえるような」黴菌キャラが登場した。
まずはニュース記事を見ていただこう。読みにくいがすみません。
東北沖の1200mの海底のそのまた200mの下の深さの地層から発見された黴菌(細菌、以下、一般的に細菌と記す)である。
私が驚き注目したのは「寿命数千年」という信じられないような長さではない。
よく読むと書いてあるのだが、この細菌、きわめてゆっくりとしか「代謝活動」をしていないということである。
「代謝活動」とは生きるために「栄養」を取り込み、「老廃物」を体外に出すという生物ならば必ず行う活動である。それがものすご~~~~~~~くゆっくりとしか行われていないのである。
記事には「大腸菌の約10万分の1」 とある。
こんなに遅いと、実は生きていることの確認も難しくなる。現在の最新の科学機材でようやく確認できたものであろう。
高等生物にあえて例えるなら、ここに数万年生きる人がいるとしよう。うらやましいと思うがそうでもない。実は長生きの分だけ、心臓が一年にたった一回しか動かないのである。当然「代謝」も「筋肉の動き」も目にみえぬほど遅くなる。一分間に80回も心臓が打ち、がさつに動き回る我々から見ると確認できないほどの生命活動が遅いモノは無生物で鉱物としか見えない。
まあそんな生き物が地球の内部から見つけ出されたのである。
「これでも生き物か?」
確かにそう思いますよね。
「生きてます。」
と胸を張って言えないが、しかし、確実に言えることは
「死んでいるとは言えない。」
ということである。昔、数学で「背理法」というなんだか裏道の禁じ手のような証明法を習ったが、そのような説明に近い気がするが
「死んでいるとは言えないんだから、やっぱり生きてる。」
のである。
この細菌が(これらの細菌のように地中のような環境の厳しいところでこのように生きる細菌を「古細菌」(始原菌)と呼ぶ)、魅力的なのは、こればかりではない、この記事には書いていないがこの細菌、生命のもっとも原初の形ではないかと考えられていることである。
つまり、あらゆる生命の最初の「ご先祖様」かもしれないのである。
生命は最初からRNAやDNAを持っていたと考えられている。
生命の起源を考えるとき、複雑な化学物質から原始生命への橋渡しのものが何らかの形で存在するはずである。
火山活動や熱水噴出、有機物の融け込んだ原始の海、頻発する「雷鳴」、これらの環境で、物質としての「RNA」や「DNA」が合成されることもあっただろう。
しかし、それがいかにしてセル(小室)を形作り、「代謝」と「生殖」を行ったか、つまり「生命」となったか、のなぞははっきりとはわかっていない。
そこに、この無生物と生物の中間のような「生きてもいないような、死んでもいないような」おもろい細菌の発見である。
これが無生物と生命の橋渡しのモノであるかもしれない。今後の研究の発表が待たれる。
なお、「もやしもん」のアニメについては以前ブログに書いてます。このようなアニメです。よかったらご覧ください。
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3 件のコメント:
私は最近、進化論を捨てましたので、この記事はあまり興味がなく読まなかったです。菌類と人類のDNAは9割以上同じなのに比べて、水素やヘリウムから細胞へ行きつくまでがあまりにもかけ離れすぎだと思うからです。私はキリスト教徒ではありませんが、進化論否定派です。意識によって物質は作られるというか、意識の影が物質だという理論です。そして宇宙の輪廻転生(サイクル)によって、宇宙は6500年ごとに一瞬にして生まれ変わっているというのが理にかなっているいるように感じる今日この頃です。(^.^)
追伸 「もやしもん」はあまりにも面白そうなのでDVD借りて見てみます。(^o^)/
進化論を信じるとどの生物も進化の途上にあり、不完全、という誤った認識を持ちそうな気がしますね。
個々の生物の尊厳を重んじるなら進化論否定に傾きますね。
実のとこ私もどちらを信じたらいいかわかりません。
ただ気の遠くなるような時間の経過は我々の常識を超えた結果をもたらすこともありだと思います。
盤石不動の大地でも億年単位で見ればクラゲのように浮いて移動しますものね。
黴菌どもが人に進化するのも40億年たてばあり得るのかしらね。
わかりません。
6500年はちょっと短い気がしますけど、それまで生きて見届けることが出来んので、これもわかりません。(*^。^*)
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