鴨島の公民館に見慣れぬ高校のパンフレットがあった。
「なになに?県立吉野川高校?知らんなあ。」
「平成24年4月開校って書いてあるぞ、新しくできるんかいなぁ、どこに?」
で、パンフの学校の所在地略図よく見ると
「なあんじゃ、現在の鴨島商業高校ではないか。それに農業実習地は現在の阿波農業高校の地じゃ。」
そういえば統合するという話ははるか昔に聞いたような気がする。統合して新しい高校に生まれ変わるようである。それにしてももう来年の4月に新しくなるとは驚きである。
少子化の影響か実業系高校の不人気のせいか、おそらくその両方と思うが全国的に実業高校の専攻科の改変、統合が進んでいるようである。
ここ徳島でも数年前に徳島工業高校と日和佐水産高校が統合して「科学技術高校」(すごい名前じゃ!)になった。また貞光工業高校と美馬商業も統合する計画であるという。
そんな動きの上にこの新しくできる「吉野川高校」もあるのであろう。
パンフの裏の専攻科とカリキュラムを見た。このようになっている。
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元が商業と農業の2つの高校の合併であるから、前の専攻とよく似ている。まったく新しく出来た科としては商業と農業の両方の特徴を持った「食ビジネス科」がある。
何やらわかったようでよくわからない専攻だが下のカリキュラムを見ると「起業実践」とか「マーケティング」、「商品と流通」とかあり面白そうな科目がある。
このカリキュラムを見て思うことだが、せっかく専攻して専門科目を学ぶのに時間が足りないのではないかという思いを持った。
国語・数学・英語などの普通科目も学ばなければならないから増々専門科目は少なくなる。中途半端にも届かぬような時数の少なさである。
ここからは私の提言だが、
もういっそ、3年制はやめて5年制にしたらどうだろう。普通科目を十分履修してもまた専門科目の実習をたっぷり増やしても5年ならばカリキュラムを消化できるだろう。
もう今の時代、専門職業教育は中等教育でするのはやめた方がよい。5年制にすると短大や工専と同じ教育課程になり、高等教育の部類に入る。
現在、これらの実業高校を卒業しても彼らの多くはさらに大学、専門学校に進むと聞く。それならば5年制にしてじっくり勉強させる方がなんぼうかよいのではないだろうか。
アメリカでは地域(地方公共団体)が経営する職業教育の高等教育機関、「コミュニティーカレッジ」がたくさんある。格安で技能・スキル・知識が身に着く。日本も実業高校の格上げでこのような学校にできないものだろうか。
中には職業教育に高等教育は必要ない。学力が伴わないのに高等教育機関を作るのは反対じゃ、という方がいらっしゃるかもしれない。
しかし、大学等の学校は勉強だけではない。それ以外の「学生生活」というものがある。落第すれすれの低空飛行でも「学生生活」を満喫し、以後の人生に資する人もいる。
私は甘いかもしれないが、多少の落ちこぼれでも、未来ある若者には楽しい学生生活を味わってほしいと思うものである。
新しい学校ができるパンフを前にミソやケチばかりつけてはいけないので最後に祝福するようなことも書きます。
もう一度最初のパンフの写真を見てください。なかなかいい風景ではありませんか。ここは旧の2つの高校のちょうど中間点の「吉野川の柿の原の堰」です。本流が落差を勢いよく流れていきます。なにか若い力の迸りを感じますね。そして遥か向こうにはそびえたつ霊峰「高越山」。山のように高潔で、高い知識・技能を持てと言ってるようですね。
これから伸びる高校生にふさわしいイメージ写真と思います。
そしてネーミングの
「よしのがわこうこう」
響きもいいよい名前ですよ。
2 件のコメント:
「食ビジネス科」いいですね!農業もグローバル化の時代ですので、経済の知識もないと生き残れませんよね。簿記とマーケティングなどを取り入れたこの科の新設は、素人ながら的を得ていると思いました。でも3年はやまさんのおっしゃるように短いですよね、5年制にして全国初の農業高専で売り出せば、もっと学生が集まるのにな~。それより個人的には男女共学がうらやましい(^_^.)
これを書いた後ちょっと調べました。せめて「調理師」の免許を卒業と同時にとれたらいいだろうと・・
するとやっぱりカリキュラムが過密で単位を3年でとることはできません。この意味でも5年制がいいと思いますね。
特色のあるいい学校になって欲しいと地元の私としては思います。
それと地元に学校があり若い衆がたくさんいるのはいいことですね。どこもかしこも爺さん婆さんばかりでやたらと元気で若者ぶって闊歩するのもねぇ~(^_^;)
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