ところで今日は1月26日。24節気の大寒から立春までが、一年のうちで一番寒い時期に当たっているが、今日明日がちょうどその時期の中日、寒極まるこの頃である。そのとおり今日は昼でも気温が上がらなかったが、夜に入ってグッと冷え込んできている。
わたしのファンヒータは壊れて、電気店に持っていったまままだ帰ってこない。冷える夜どうしようかと困っていたら、昨日、ある人の好意で石油ストーブがうちにやってきた。
で、今、パソコンの横で赤々燃えて、たっぷりぷりぷり赤外線を輻射している。あったかい。よかった。
暖房もない寒い中、ブログで北越雪譜の中のさむ~い話をしてもシャレにならない。自虐ネタになりそうである。
しかし、今夜はストーブが静かに燃え、充分暖かく、いま、上にのせたやかんがシュンシュンいいだした。
湧いたやかんのお湯でお茶を入れ、やかんを下した後にスルメか餅を焼いて食べたいが、どちらもない。お茶だけすすり、赤々燃える芯を横にみながら、雪国の奇談をご紹介します。
夜話としての雪国奇談の中で一番人気のあるのは、「雪女」の話ではないだろうか。雪舞い、寒風吹きすさぶ夜、暖かくした部屋で聞く、怖いけどロマンある「雪女」のはなしぐらいふさわしいものはないだろう。
しかし、江戸期に書かれたこの本の中には雪女の話はない。雪中の幽霊の話はあるが、「雪女」のようなロマンのある話ではない。「雪女」の話は、民話をもとにした小泉八雲の創作で明治以後の小説に書かれた話である。
雪女の話はないが、ヒマラヤの雪男(イェティーともいうらしい)とそっくりな異獣の話が載っている。
上が本の挿絵を直接撮影したものである。江戸時代の木版挿絵である。ちょっと見にくいが、今現在でもテレビなどの「世界とんでも不思議ニュース」で時々取りあげられている雪男になんとよく似ていることか。本にはこう書かれている。
近くに寄ってみると猿に似ているが猿ではない。頭の毛は長く、背まで垂れている。毛の色は半分白い。背丈は大人より高い。顔は猿に似ているが赤くはない。目が大きく、眼光するどい。
この異獣に会った男はびっくりし、山刀を握り身構えるが、害意はなさそうで、男が持っていた握り飯か何かを指さし、ねだる様子。投げ与えれば、うれしげに食った。
「わしは、いそぐから行くぞ。帰り、欲しければ、また、飯をやろう。」
と異獣に向かって言うと、お礼のつもりか、男の持っていた重い荷物を軽々持ち、里近くまで運んで姿を消したとある。上の挿絵はその男の荷物を運んでいるところである。
まさに雪男である。ヒマラヤの雪男は人に対して害意はあるのだろうか?こちら我が国の雪男は、害意は感じられない。人になれていて、恩を知りそれを返す律義さがある。
そう思ってみるとこの挿絵の雪男も毛がモシャモモシャしていて、着ぐるみみたいで可愛げがある。
そのほかこの本には、雪国の珍談、奇談、面白い風俗、満載です。全部紹介できないのが残念です。
この「北越雪譜」、岩波の文庫本にあります。原文ですが、江戸も末期。かなり現代文に近いため、読むのにさほど困難はないと思います。
さむい冬の夜、つれづれに、読まれてはいかがでしょうか。
1 件のコメント:
おはようございます。ストーブよかったですね。好意をよせてくれるのも、yamasanのお人柄ですよ。僕も、以前、学校で、毎日、コーヒーをいただいて、本当に感謝しています。僕には、とても真似できません。今日も、朝、職安にいきました。
午後からは、職安の講座(面接対策)に小松島のミリカホールにいってきます。(火曜日とたぶん同じ)家にいると、電気代もかかるし、心が折れそうなので。
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