私の家からちょうど真北、吉野川を渡ってまっすぐ行ったところに冷泉だが天然温泉がある。重曹泉でぬるぬるしている。ぬるぬるしている温泉は効能として美人になるという温泉が多いようだが、(ほんまかいな。でも、湯上りはみんな婀娜っぽくみえるからまんざら嘘でもなかろう) この温泉も、ごたぶんにもれず「美人湯」と名付けられている。
この温泉、ちょくちょく行っていた。中は和風と洋風に別けられていて、日替わりで男女が入れ替わる。和風はヒノキ造り風(あくまでも風、ですよ。)でこちらの人気が高いようで、そちらの入れ替わる日をねらっていく人もいるほどである。
私は洋風を狙っていく。洋風にはローマ風の蒸気浴室が二つある。私が入るのはこちらのほうラコニウム、低温蒸気風呂である。
ハーブの香りも楽しめるとある。
2000年前のカラカラ浴場を再現したそうである。
これ、私が入ったとき入り口で説明書きのみを撮影しました。中は撮影してません。変態と間違われては困りますものね。
中は八角形の小部屋で八つの角には円柱が配され、その間はタイル壁で温熱を輻射し、65度を保つようになっている。真ん中には小さな盥のような小噴水があり湿気も保つようになっている。
このラコニウムは蒸気浴の種類の中では一番温度が低い。そのためサウナが嫌いな私でも長時間入れる。
ローマ皇帝カラカラが作ったというのがいいですね。常に歴史の妄想の中にワープするやまさんですから、人の入りの悪い低温蒸気サウナに一人入っていると、ローマ皇帝とまではいいませんがローマ貴族くらいにはなった気分です。ローマの蒸気浴のイメージが膨らみます。よく言えば爛熟期、悪く言えば退廃期の極。ローマの様々な文化人も蒸気浴でリラックスしながら、話に花を咲かせたでしょう。こんなところではキリスト教のような禁欲文化より、人生の快楽を讃える、音楽、詩、演劇の楽しみにうち興じたでしょう。そして大浴場を飾る絵画、彫刻。ローマの生活や文化に思いをはせながら低温の蒸気浴を楽しみます。
私の入ったものではありません、似てますがイメージです |
ところで皆さんは温泉へ行かれた時、壁画のある温泉でしたか。最近はシンプルなものや幾何学的な文様が流行なのかあまり見なくなったような気がします。
昔は、温泉のタイル壁画というと、それ専門の職人さんもいて結構芸術的な作品だったんですよ。下町の芸術家ですね。私の子供のころは銭湯がたくさんありました。銭湯の壁画の定番は大体、富士山でした。でも、職人さんもプライドのある仕事をしていたためでしょうか、同じ富士山ではないんですね。三保から見た富士、サッタ峠からの富士、箱根から、伊豆から、裏富士も、また北斎風もあったそうです。私が物心ついたとき入っていた温泉は粗いタイルの富士でした。銭湯の大きな壁一面に描かれていました。それから油絵のような富士の銭湯の記憶もあります。
高校生の時、行っていた銭湯はボッティチェリだったかな?海に浮かぶ大きな貝のふたがパカッと開いてビーナスが誕生するあれ、が描かれてました。これは今から考えるとローマカラカラ浴場の壁画の雰囲気を醸し出すためだったんでしょうね。
古代ローマも日本も温泉が大好き。温泉壁画も当然盛ん。ゆったりつかりながら雄大な富士の峰を仰いだり、ローマの風俗のタイル画を見るのは、まさに「あ~、極楽極楽。」
でも今行ってるこの天然温泉は部屋のつくりのみローマ風で壁画なし、ちょっと残念。それに最近はハーブの匂いもせんようになった。ローマの妄想がちょっと貧弱になってきつつある。
ビーナス誕生 |
銭湯の富士山 |
5 件のコメント:
温泉良いですね。
体が芯からあったまりますよね。
ゆったり湯ぶねに浸かりたくなりました。
おしゃれの壁画もいいですが
富士山が情緒がありますね。
昨日、行かれたのですか?体を暖めるのは、健康にいいことですね。
イメージ風景らしいですが、どことなく怒鳴りの御所温泉内の風景に似てらっしゃいますね。そこはちょくちょく出かけてます。
ほっとできそうな温泉ですね。職安どうでした?いい所ありました? あと、いつもコーヒーご馳走様です。
いい休日をお過ごしください。
西の方は、あまり行ったことないですが、今度、行ってみようと思います。
土成の御所温泉です。人が多いです。
コメントを投稿