四日市
初冬の嵐であろうか、強い風が吹いている。旅人の菅笠が飛ばされ、それを旅人が追っている。
冬の風に吹かれるのは何か侘しいものがある。この絵からも寂寞感が伝わってくる。
庄野の雨
季節は夏である。「白雨」とあるから、夏の、空が明るいのに降るにわか雨である。急な降りで駆け出す人が描かれている。
対角線のような坂道、それと交差するように降るにわか雨、見事な構図である。
19世紀ヨーロッパの印象派のゴッホがこの絵に強い影響を受けたといわれている。
木賃宿
リッチな弥次喜多はこのような木賃宿に泊まらないが、多くの庶民も利用した木賃宿を紹介しておきます。
金の乏しい旅人が利用します。もっとも金の全くない者は野宿か、無人のお堂のようなところで泊まる以外ないのですが、数十文くらい出せれるものは木賃宿に泊まりました。自炊で夜具もなく提供されるのはお湯、自炊の薪くらいです。
金をあまり持たない巡礼、行商人などが利用しました。
亀山の雪
これも素晴らしく大胆な構図です。
先ほどの「庄野の白雨」とは逆の対角線で画面を切っております。対角線を登った先はお城、真ん中には雪をかぶってすっくと立つ松。いや~、見事ですね。
上の方の雪晴れの青い空色はヨーロッパの人に「ヒロシゲブルー」といって感銘を与えたそうです。
しかし、せっかくの美しい雪景色をふざけた弥次喜多がスキーをしてぶち壊しております。
2 件のコメント:
ゴッホがこのような日本の絵を見ているとは驚きです。日本画って、海外では意外と人気があるのでしょうかね。でも、何となくわかるような気もします。「ヒロシゲブルー」もいいですね。私もなんでもいいから「しんちゃん○○」と呼ばれたいな~(^_^.)
いつもコメントありがとうございます。
しんさまのコメントを読むとなぜか香り高いおいしいコーヒーを飲んで一息
「ホッ」
という感じになります。
広重の風景版画と同様、しんさまも癒しのパワーを持ってますよ。
ヒロシゲブルーは「紺」インジゴブルーなんだけど、江戸時代の後期、オランダからもう一つのブルーが入ってきています。浮世絵なんかに使われました。当時の絵師は「ベロ青」と呼んでました。
化学や染料に詳しい人はわかると思いますが「ベルリンブルー」です。
これも素晴らしいラピスラズリのような青です。
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